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親の入院靴は何がいい?スリッパを避ける選び方と確認ポイント

入院中の高齢女性と息子が、看護師と一緒にスリッパと介護シューズを見比べながら安全な院内履きを確認している様子 家族と介護サポート

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この記事を書いた人:健さん|元プロアスリート / 元納棺師 / 介護福祉士 / 睡眠栄養指導士 初級(一般社団法人睡眠栄養指導士協会 認定)|「人生健康第一」を伝えるブログメディア運営

親の入院が決まり、「病院ではどんな靴を履けばいいのか」「室内だからスリッパで十分なのか」と迷うことがあります。高齢の親の場合は、脱ぎ履きしやすいことだけで選ぶと、歩いている途中にかかとが浮いたり、床で滑ったりする可能性があります。病室からトイレ、洗面所、検査室、リハビリ室まで歩くことを考えると、家で使う室内履きと同じ感覚では決めにくいところです。

私は元プロアスリートとして体と向き合い、納棺師として人の命の終わりを見届け、現在は介護福祉士として日常の健康と生活を支える現場にいます。そんな経験から辿り着いた信念があります。それは人生健康第一です。入院靴も、小さな持ち物の一つに見えますが、体調が変化しやすい入院中の移動を支える大切な生活用品です。

この記事では、親の入院靴を選ぶ時に最初に病院へ確認すること、スリッパやサンダルを避けたい理由、かかと・甲・靴底・サイズの確認方法を順番に整理します。さらに、普段履いている靴を使える場合、介護靴を検討した方がよい場合、店頭と通販の使い分け、現在販売されている院内履きや介護シューズを見る時のポイントまで確認していきます。

最初の判断軸は、「介護靴という名前が付いているか」ではありません。入院先の指定を満たしたうえで、親の足に合い、かかとが安定し、歩いても脱げにくく、本人が無理なく着脱できるかを見ます。入院前に普段の歩き方と実際の靴を一度確認しておくと、買ってから使えなかったという失敗を減らしやすくなります。

この記事のポイント

  • 親の入院靴で最初に確認する病院側の条件がわかる
  • スリッパやサンダルを避けたい理由が理解できる
  • かかと・靴底・サイズ・着脱方法の選び方がわかる
  • 店頭と通販で介護靴を選ぶ時の違いが理解できる

親の入院靴で最初に見る安全条件

  • 病院の履物指定を最初に確認する
  • スリッパを避けたい理由を知る
  • かかとと甲を固定できるか見る
  • 滑りにくさとつまずきを確認する
  • 普段歩ける親でも入院中は変わる

病院の履物指定を最初に確認する

親の入院靴を買う前に、最初に見るのは商品ではなく入院先から渡された案内です。「入院時の持ち物」「入院のご案内」「病棟案内」などに、室内履き、運動靴、かかとのある靴、滑りにくい靴などの指定が書かれていることがあります。病院によってはスリッパやサンダルを避けるよう明記している一方、具体的に認められる靴の形までは書かれていない場合もあります。

全国どの病院でも同じ靴が使えるわけではありません。急性期病院、リハビリテーション病院、手術後の病棟などでは、歩く距離やリハビリの内容も違います。普段使っている介護シューズを持参する場合でも、「この靴なら大丈夫だろう」と家族だけで決めず、分からない時は入院窓口や病棟へ確認した方が確実です。

「まだ入院まで数日あるし、とりあえず靴を買っておけばいいですよね?」

先に買うより、病院の案内を確認してから選ぶ方が安全です。特に「室内履き」としか書かれていない場合は、スリッパを意味するとは限りません。病院では転倒防止のため靴型の履物を勧めていることがあります。

入院靴は、まず入院先の履物指定を確認し、その条件の中から親の足に合うものを選びます。

東京大学医学部附属病院では、安全のため入院患者の履物について、かかとが覆われ固定されること、甲にフィットすること、滑りにくい靴底など複数の条件を示しています。病院で履く靴の考え方を確認したい場合は、東京大学医学部附属病院の病院内での履物の案内も参考になります。ただし、実際に入院する病院の指定が最優先です。

スリッパを避けたい理由を知る

スリッパは足を入れるだけなので、入院中の履物として楽に見えます。しかし、かかとを固定できないため、歩くたびに足と履物がずれやすくなります。本人が脱げないよう無意識に足先へ力を入れたり、歩幅を小さくしたりすることもあり、普段と違う歩き方につながる場合があります。

病院では自宅より移動場面が多くなります。ベッドからトイレへ行く、廊下を歩く、検査へ向かう、売店へ行く、リハビリを受けるなど、短い距離でも何度も立ち上がります。点滴台や杖を使っている場合は、足元だけに注意を向けられないこともあります。床材が変わる場所や段差、エレベーターの乗り降りなどもあるため、脱げやすい履物は避けたいところです。

「でも家ではずっとスリッパで、転んだことはありません。」

家で問題がなかったことは参考になりますが、入院中も同じとは限りません。病気や手術、睡眠不足、食事量低下、薬の変更などで、普段より足に力が入りにくくなる場合があります。慣れない病室では家具やトイレまでの位置も自宅とは違います。

普段歩ける親でも、入院中は体調と環境が変わるため「家で転んでいないから大丈夫」だけでスリッパを選ばないことが大切です。

スリッパを避ける目的は、高齢者だから特別扱いすることではありません。歩いている途中で脱げにくくし、本人が余計な動作をしなくて済むようにすることです。室内履きという言葉だけに引っ張られず、「その靴を履いて病棟を歩けるか」という視点で考えると選びやすくなります。

かかとと甲を固定できるか見る

入院靴では、かかとが靴の中に収まり、歩いた時に大きく浮かないことを確認します。かかとのない履物や、足を入れただけで固定されないタイプは、脱ぎ履きは簡単でも歩行中の安定性では不利になることがあります。逆に、かかとが付いていてもサイズが大きすぎれば、靴の中で足が前後へ動いてしまいます。

もう一つ見たいのが甲の固定です。紐靴は細かく調整できますが、高齢の親が自分で結び直せない場合は扱いにくくなります。面ファスナーなら履き口を大きく開け、足を入れてから甲を固定できるため、手指の動きに問題がなければ使いやすい選択肢です。ファスナー付きでも、本人が操作できるかを実際に確認します。

「履かせやすいように、少し大きめを買った方がいいのでは?」

大きめなら楽とは限りません。つま先に多少の余裕は必要ですが、歩くたびにかかとが抜けたり、靴の中で足が前へ滑ったりするほど大きい靴は避けたいところです。サイズだけでなく、足幅や甲の高さも合わせて確認します。

「簡単に履ける」だけでなく「履いた後に足が靴の中で安定している」ことまで確認します。

足がむくんでいる場合や左右差がある場合は、同じサイズ表記でも合い方が変わります。片麻痺や装具を使用している場合は一般的な院内履きでは対応できないこともあるため、病院やリハビリ担当者へ相談してから準備した方がよいでしょう。

かかとが付いていれば、どんな靴でも大丈夫ですか?

健さん
健さん

かかとだけでは決められません。甲が固定できるか、靴底が滑りにくいか、サイズが合っているか、入院先の条件を満たすかまで一緒に確認してください。

親が自分で面ファスナーを留められない場合はどうしますか?

健さん
健さん

入院中に誰が着脱を手伝うのかも確認します。本人だけで履く場面があるなら、実際に座った状態で着脱できるか試しておくと判断しやすくなります。

普段のスニーカーをそのまま持っていってもいいですか?

健さん
健さん

病院の指定を満たし、親が安全に着脱できるスニーカーなら候補になります。履き慣れていることは利点ですが、靴底の摩耗や紐の扱いも確認してください。

病室で高齢の女性と娘が、看護師からパジャマやタオルなどの入院用品やレンタルについて説明を受けている様子

滑りにくさとつまずきを確認する

靴底を見る時は「滑り止め付き」という表示だけで判断せず、実際の形状や摩耗も確認します。長期間履いた靴は、購入時には溝があっても、かかとや前足部だけがすり減っていることがあります。左右どちらかだけ強く減っている場合は、靴そのものだけでなく歩き方の変化が隠れていることもあります。

つまずきやすさでは、つま先の形も確認します。大きすぎる靴、足から離れやすい靴、靴底が厚すぎて本人が足を上げにくい靴などは、歩きやすさを損ねる場合があります。高齢者向けの商品でも、本人の歩き方に合うとは限りません。

「滑りにくい靴を買えば、それで転倒対策は終わりですよね?」

靴だけでは終わりません。入院中の転倒には、体調、筋力、薬、睡眠、点滴、歩行補助具、床の状態など複数の条件が関係します。靴はその中の一つです。

安全な入院靴は「滑りにくい靴」という一条件ではなく、足への適合と歩き方まで含めて確認します。

普段の生活でも転びそうになることが増えている場合は、靴だけでなく移動全体を見る必要があります。買い物中の転倒や重い荷物との関係については、親の買い物で転びそうな時の安全対策も確認できます。

普段歩ける親でも入院中は変わる

入院前まで一人で歩いていた親でも、入院した直後から同じように動けるとは限りません。発熱、痛み、手術、安静、食事量の低下などが重なると、数日でも体力が落ちることがあります。ベッドで過ごす時間が増えれば、立ち上がった直後にふらついたり、歩き始めの一歩が不安定になったりすることもあります。

施設介護の現場でも、普段は安定して歩ける方が、その日の体調、睡眠、床の状態、履物、周囲の環境など複数の条件が重なることで不安定になる場面があります。そのため、「昨日まで歩けたか」だけではなく、その日の表情、反応、動作、食事量など普段との違いも一緒に確認することが大切です。

「自分で歩ける親に介護靴を持たせるのは、大げさな気がします。」

介護靴という名称にこだわる必要はありません。普通のスニーカーでも条件を満たせる場合がありますし、逆に履き口が広く調整しやすい介護シューズの方が合う場合もあります。大切なのは商品分類ではなく、今の親の足と入院生活に合うことです。

歩行状態が入院後に変わった場合は、家族だけで靴を変更せず、看護師やリハビリ担当者へ現在の歩き方も含めて相談します。

入院前に一足を完璧に決めようとしすぎる必要もありません。まず病院指定に合う履物を準備し、入院後にむくみや歩行状態が変われば見直すという考え方もあります。本人の状態は固定ではないため、靴も必要に応じて調整する生活用品として考えるとよいでしょう。

親に合う入院靴を選ぶ具体的な方法

  • 足のサイズとむくみを確認する
  • 本人が着脱できる方法を選ぶ
  • 店頭と通販の違いを使い分ける
  • 現在の介護靴は仕様で比較する
  • 入院前日にもう一度確認する

親の介護で迷ったときに役立つ情報を、これからも分かりやすく発信していきます。

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足のサイズとむくみを確認する

入院靴を選ぶ時は、普段履いている靴のサイズだけを見て注文しない方が安全です。同じ24cmでも、メーカーや形によって足幅、甲の高さ、履き口の広さが異なります。高齢者では外反母趾、足指の変形、左右差、むくみなどがあることも多く、「いつものサイズだから入る」という判断だけでは足りません。

まず現在履いている靴を脱いでもらい、赤くなっている場所、当たっている場所、靴下の跡が強く残っている場所がないか確認します。夕方になるとむくみが強くなる人は、朝に合わせた靴が午後にはきつくなる場合があります。反対に、むくみを見越して大きすぎる靴を選ぶと歩行時に足が動きやすくなります。

「入院するとむくむかもしれないなら、最初からかなり幅広を買った方が安心ですよね?」

幅広なら安心とは限りません。現在の足に対して必要以上に広いと固定しにくくなります。むくみが予想される場合は、面ファスナーなどで甲の締め具合を調整できるタイプを候補にすると、変化へ対応しやすくなります。

サイズ表記より、履いた状態でかかと・甲・足幅が合い、歩いた時に足が靴の中で動きすぎないことを優先します。

足に傷、強い痛み、急な腫れ、皮膚トラブルがある場合は、靴選びだけで解決しようとしません。糖尿病などで足の状態に注意が必要な人や、装具を使っている人も、病院の医療職やリハビリ職へ確認した方が安全です。

本人が着脱できる方法を選ぶ

病院では、家族が毎回靴を履かせられるわけではありません。トイレへ行く時、リハビリへ向かう時など、本人がベッドサイドで靴を履く場面もあります。そのため、家族が履かせやすいかではなく、本人が座った姿勢から安全に履けるかを確認します。

紐靴はフィット感を細かく調整できますが、指先の力が弱い人や前かがみになるのが難しい人には扱いにくい場合があります。紐がほどけた状態で歩けば引っ掛かりにもつながります。面ファスナーは履き口を大きく開けやすく、甲の高さにも合わせやすいため候補になります。スリッポンタイプも簡単ですが、足を入れやすいことと歩行中に脱げにくいことの両方を確認してください。

「本人が靴を履くのに時間がかかると、看護師さんに迷惑では?」

急いで履けることだけを優先して不安定な履物にする必要はありません。本人がどの動作まででき、どこに介助が必要なのかを病棟で共有した方が現実的です。入院前に一度、椅子へ座った状態で履く・留める・脱ぐまで試しておきましょう。

本人が面ファスナーを強く締めすぎる、逆に緩いまま歩き始める場合もあります。家族が準備する時は、ただ「自分で履けた」で終わらず、履いた後にかかとが収まり、甲が固定されているところまで確認してください。

店頭と通販の違いを使い分ける

初めて介護靴や院内履きを買う場合、店頭には実際に履いて歩ける利点があります。特に外反母趾、むくみ、左右差がある親は、サイズ表だけでは判断しにくいため、本人と一緒に試着できると安心です。かかとの浮き方や面ファスナーの操作もその場で確認できます。

一方、入院が急に決まり、家族が店を回る時間を取れない場合はAmazonや楽天などの通販が便利です。ただし、「介護靴」「入院用」「滑りにくい」といった商品名だけでは決めません。サイズ表、足囲、靴底、かかとの形、留め方、返品・サイズ交換の条件を確認します。

「入院まで時間がないので、レビューが多い靴を買えば失敗しにくいですよね?」

レビューは使用感を見る材料にはなりますが、親の足に合う保証にはなりません。「軽かった」「履かせやすかった」という評価と、本人の足幅やむくみに合うことは別です。購入前に最低限の条件を絞ってからレビューを使う方が選びやすくなります。

介護靴そのものをどこで探せばよいか迷う場合は、介護用靴の売り場と試着条件で、靴店、介護用品店、通販などの違いを確認できます。

確認点店頭購入通販購入
試着その場で歩ける原則届いてから確認
足幅・甲実物で合わせやすいサイズ表を詳しく見る
着脱本人が試せる仕様・写真で確認
選択肢店舗在庫の範囲比較しやすい
購入速度在庫があれば当日配送日を確認
サイズ違いその場で変更しやすい交換条件の確認が必要

通販で買うなら、普段と同じサイズを選べばいいですか?

健さん
健さん

同じサイズを出発点にはできますが、足囲や甲の高さも確認してください。メーカーごとに形が違うため、返品・サイズ交換条件も購入前に見ておくと安心です。

片足だけむくんでいる場合は大きい方に合わせますか?

健さん
健さん

左右差が大きい場合は単純に大きい方へ合わせるだけでは反対側が緩くなることがあります。調整幅の広い靴や片足販売なども含め、専門店や医療職へ相談してください。

入院用なら安い靴を一足買えば十分ですか?

健さん
健さん

価格だけでは決めない方がよいでしょう。短期入院でも歩く機会はあります。病院指定と足への適合を満たしたうえで、必要以上に高価な商品へこだわらないという順番が現実的です。

Amazonや楽天で探す場合も、最初から商品名を決め打ちせず、「かかと付き」「面ファスナー」「幅調整」「室内履き」など、親に必要な条件を整理してから比較すると絞り込みやすくなります。


現在の介護靴は仕様で比較する

2026年9月時点でも、介護・リハビリ向けの靴にはさまざまなタイプがあります。たとえばムーンスターでは、履き口が大きく開いて面ファスナーで調整できるVステップシリーズ、室内向けの軽量シューズ、入院・リハビリ・ケア施設などを用途に挙げる「MS大人の上履き」などが案内されています。

ここで大切なのは、特定の商品が「入院ならこれ」と決まっているわけではないことです。同じ介護シューズでも、装具対応を重視したタイプ、幅広やむくみに対応しやすいタイプ、軽さを重視した室内タイプでは役割が違います。現行製品の例や特徴を確認する場合は、ムーンスター公式の介護シューズ案内で仕様を確認できます。

「介護シューズと書いてある商品なら、病院でも使えると考えていいですか?」

介護シューズという商品分類だけでは判断できません。病院が求める履物条件と商品仕様を照らし合わせ、そのうえで親の足に合うかを見ます。商品ページに「病院」「リハビリ」と書かれていても、入院先で使用できるかは別に確認してください。

商品名ではなく「病院指定→足への適合→着脱→歩きやすさ」の順に比較すると選びやすくなります。

価格も判断材料ですが、安さだけで決めて買い直すより、最初に条件を整理する方が結果的に負担を減らせます。逆に、高価な介護靴だから安全が保証されるわけでもありません。親が使わない高機能を増やすより、必要な機能が合っていることを優先します。

病院内で車いすの父に付き添う息子が、仕事先へ電話しながら通院対応を進めている様子

通販で介護靴を探す場合は、幅広、面ファスナー、軽量、室内向けなどの商品が多数あります。レビュー数や順位だけではなく、親に必要な条件と商品仕様が一致しているかを比べてください。


見る場所確認すること避けたい決め方
病院指定履物の形・禁止事項室内履き=スリッパと判断
かかと浮かずに固定できるかかとなしを楽さだけで選ぶ
本人に合わせて固定緩いまま使用
靴底滑りにくさ・摩耗表示だけで判断
サイズ足幅・甲・むくみも確認大きめなら安心と決める
着脱本人が扱えるか試す家族の履かせやすさだけで選ぶ
購入後実際に数歩歩いて確認箱を開けず入院日まで保管

入院前日にもう一度確認する

入院靴を準備したら、箱や袋に入れて終わりにせず、入院前に一度履いてもらいます。椅子に座って履く、立ち上がる、数歩歩く、方向転換する、再び座って脱ぐところまで確認すると、実際の使い勝手が見えます。歩いた時にかかとが抜ける、つま先が引っ掛かる、面ファスナーが届きにくいなどは、この段階で気づけます。

靴底が新品でも、本人が足を上げにくい場合や重さを負担に感じる場合があります。また、本人が「これなら大丈夫」と言っていても、歩幅が急に小さくなっていないか、家具につかまらないと歩けないかなど、言葉以外の様子も確認材料です。

「本人が嫌がったら、安全な靴でも履かせた方がいいのでしょうか?」

理由を確認してから考えます。見た目が嫌なのか、締め付けが痛いのか、重いのか、履き方が分からないのかで対応は変わります。安全のために必要な条件は守りながら、本人が受け入れやすい色や形を選ぶ余地はあります。

入院当日は、靴だけでなく持ち物全体へ名前を書くよう求められる場合があります。靴にも記名が必要か確認し、普段使っている靴を持参する場合は、靴底の摩耗や破損も最後に見てください。病院から新しい指示が出ていれば、購入済みの商品より病院側の案内を優先します。

入院当日に靴が合わないと分かったらどうしますか?

健さん
健さん

無理にその靴で歩かせず、病棟スタッフへ相談してください。院内で使える履物や、家族が別の靴を準備する必要があるかを確認します。

入院後に足がむくんで履けなくなったら買い直しですか?

健さん
健さん

まずむくみの状態を病院へ伝えてください。体調変化の確認が先です。そのうえで現在の靴が使えないなら、調整幅の広い靴などを検討します。

退院後も同じ介護靴を使えますか?

健さん
健さん

使用場所と退院時の歩行状態によります。院内向けの室内履きを屋外で使うのが適さない場合もあるため、退院時の歩行状態に合わせて改めて確認してください。

病院の入口で高齢の母に家族と介護スタッフが付き添い、通院を支えている様子

親の入院靴は安全条件から順番に選ぶ

親の入院靴を選ぶ時は、「病院の中だからスリッパでよい」「介護靴なら何でも安全」と一つの条件だけで決めないことが大切です。最初に入院先の案内を確認し、そのうえで、かかとが安定するか、甲を固定できるか、靴底が滑りにくいか、親の足幅や甲の高さに合うかを順番に見ていきます。

普段一人で歩いている親でも、入院中は病気や治療、睡眠、食事量、安静時間などによって歩行状態が変わる可能性があります。昨日まで問題なく履いていた靴でも、むくみや体力低下によって合わなくなることがあります。そのため、入院前の一度の確認だけで終わらせず、状態が変わった時には病棟スタッフへ相談して見直します。

普通のスニーカーで条件を満たせる人もいれば、履き口が大きく開く面ファスナー式の介護シューズが使いやすい人もいます。反対に、装具、強いむくみ、足の変形、左右差がある場合は、一般的な院内履きだけでは合わせにくいことがあります。商品名や価格を先に決めるのではなく、現在の親の足と歩き方を基準にしてください。

入院まで時間があるなら、購入後に一度履いてもらい、椅子から立つ、数歩歩く、方向転換する、再び座るところまで確認します。急な入院で時間がない場合も、病院の指定だけは先に確認し、分からない部分を病棟へ聞けば無駄な買い直しを減らせます。家族だけで完璧に判断しようとせず、本人の状態に応じて医療職やリハビリ職へ相談することも選択肢です。

健さんの視点コラム

入院準備では、薬、着替え、タオル、書類など目立つ持ち物へ意識が向き、靴は最後に「何か一足持っていけばいい」となりやすいものです。しかし、病室で生活する本人にとって、靴はトイレへ行く時、検査へ向かう時、リハビリをする時など、毎日の移動に直接関わります。小さな持ち物に見えても、生活の安全を支える役割があります。

家族は転倒させたくないため安全性を優先しますが、本人には本人の事情があります。「この靴は年寄りっぽくて嫌だ」「いつもの靴の方がいい」「面倒だからスリッパがいい」という気持ちもあります。安全だけを押し付ければ、本人が履いてくれないこともあります。必要な安全条件を守りながら、色やデザイン、履き慣れた感覚など本人が選べる部分を残すことも大切です。

また、家族だけで靴の安全性を背負う必要もありません。病院には入院中の生活を見ている看護師や、歩行状態を確認するリハビリ職などがいます。入院前は家族が普段の靴と足の状態を確認し、入院後に状態が変われば専門職へ相談する。役割を分けることで、変化にも対応しやすくなります。

人生健康第一とは、転ばないように何もさせなくすることではありません。本人ができることを残しながら、危険になりやすい条件を一つずつ減らし、その時の状態に合った方法へ変えていく考え方です。入院靴も「最も安全そうな商品を買う」のではなく、「この親が今、この病院で安全に使えるか」を確認することが中心になります。

入院前に病院の指定を読み、親と一緒に靴を履いてみる。合わなければ別の選択肢を探し、入院後に歩き方や足の状態が変われば病棟へ相談する。そのくらい現実的な進め方で十分です。家族が最初からすべての変化を予測するのではなく、その時点で確認できることを積み重ねていくことが、本人の安全と家族の負担の両方を守ることにつながります。

介護は、家族だけで抱え続けるものではありません。私たち介護職は、ご本人だけでなく、支えるご家族のためにもいます。

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の介護方針や制度利用を断定するものではありません。介護の方法や利用できる制度、支援内容はご本人の状態や地域の状況によって異なります。具体的な判断については、医療機関、地域包括支援センター、ケアマネジャーなどの専門職へご相談ください。

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