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この記事を書いた人:健さん|元プロアスリート / 元納棺師 / 介護福祉士 / 睡眠栄養指導士 初級(一般社団法人睡眠栄養指導士協会 認定)|「人生健康第一」を伝えるブログメディア運営
親に訪問介護やデイサービスを勧めても、「そんなものはいらない」「まだ自分でできる」と拒まれてしまうことがあります。家族から見れば明らかに困っているのに、本人が介護サービスを嫌がると、どこまで勧めてよいのか、誰に相談すればよいのか分からなくなります。
私は元プロアスリートとして体と向き合い、納棺師として人の命の終わりを見届け、現在は介護福祉士として日常の健康と生活を支える現場にいます。そんな経験から辿り着いた信念があります。それは人生健康第一です。介護サービスの拒否についても、本人を無理に変えることより、本人と家族の生活をどう守るかを考えることが大切です。
親が支援を拒んでいる場合、「介護サービスを使わせる」という一つの問題として考えると行き詰まりやすくなります。まず何を嫌がっているのかを分け、次に本人が実際に困っている生活場面を探し、必要なら家族だけで相談して、小さく始められる支援を考えていきます。
今すぐ訪問介護やデイサービスを受け入れてもらうことだけが答えではありません。最初は食事、買い物、掃除、通院など、本人にも必要性が伝わりやすい一場面から確認してみてください。
この記事のポイント
- 親が介護サービスを嫌がる時の確認方法がわかる
- 訪問介護やデイサービスを拒む理由が理解できる
- 家族だけでも相談できる窓口と進め方がわかる
- 介護保険内外の支援を小さく始める方法が理解できる
親が介護サービスを嫌がる時の進め方
- 何を嫌がっているのかを分ける
- 「介護が必要」と説得し続けない
- 困っている一場面から話を始める
- 家族だけで先に相談してよい
- 介護認定を嫌がる時の伝え方
- デイサービスやヘルパーを試す
何を嫌がっているのかを分ける
「ヘルパーなんていらない」
親からそう言われると、家族には「介護サービスそのものを拒否している」ように聞こえます。しかし、実際には何を嫌がっているのかをもう少し細かく見た方が、次の対応を考えやすくなります。
知らない人が家に入るのが嫌なのかもしれません。デイサービスで大勢の人と過ごすことに抵抗があるのかもしれません。「介護」という言葉を使われること自体が嫌な場合もあれば、自分でできることまで家族に奪われるように感じている場合もあります。
また、「お金がかかるから嫌だ」「他人に家の中を見られたくない」「自分はそこまで弱っていない」という気持ちが隠れていることもあります。拒否という一つの言葉だけで、本人がすべての支援を嫌がっていると決めないことが大切です。
最初に確認したいのは、介護サービスを受けるか受けないかではなく、本人が何を嫌がり、生活のどこで実際に困っているのかです。
たとえば、掃除は自分でできていても、買い物へ行くことが難しくなっているなら、「ヘルパーを入れよう」と話すより、「重い物をどうやって買うか」を一緒に考えた方が具体的です。食事を作れなくなっているなら、介護サービスの名称から話を始めるのではなく、まず食事をどう確保するかを考えます。
本人の拒否をそのまま「全部嫌」と受け取らず、何なら続けられるのか、何なら手伝ってもらってもよいのかまで分けてみましょう。
「介護が必要」と説得し続けない
家族には生活の変化が見えているのに、本人は「まだ大丈夫」と言う。そんな時、「もう一人では無理だよ」「介護が必要なんだから」と説得したくなるのは自然なことです。
ところが、本人にとって介護サービスの利用が「自分はもう何もできないと認めること」のように感じられている場合、必要性を強く説明するほど抵抗が強くなることがあります。
「この前も忘れたでしょう」
「一人じゃ危ないでしょう」
「だからヘルパーを頼んだ方がいいんだよ」
家族には心配する理由があっても、本人には責められているように聞こえるかもしれません。
そこで、本人に「介護が必要だ」と認めてもらうことを目的にするのではなく、生活の中にある一つの困りごとを減らすことから考えます。
たとえば、家族が毎週買い物へ付き添っているのであれば、「介護を受けよう」と話すより、「重い物だけ誰かに頼めたら楽じゃない?」という入り方があります。掃除が負担になっているなら、「全部やってもらおう」ではなく、「大変なところだけ手伝ってもらう方法もあるよ」と伝えられます。
本人の気持ちを尊重することと、安全に関わる問題までそのままにすることは別です。
火の不始末、転倒、服薬の混乱、食事が十分に取れていないなど、安全や生活の維持に関わる変化がある場合は、本人が嫌がっているからという理由だけで家族が見守り続けず、必要な相談につなげてください。

困っている一場面から話を始める
「介護サービスを使うかどうか」という大きな話ではまとまらなくても、具体的な生活場面なら本人と話せることがあります。
たとえば、冷蔵庫を開けると食材がほとんどなく、同じパンや菓子ばかり置いてある。本人に聞くと「ちゃんと食べてるよ」と言うけれど、以前のように料理している様子がない。
「あれ、食事を作るところで困っているのかな」
こうした具体的な生活の変化が見えたら、最初からデイサービスを勧める必要はありません。弁当や食事宅配で解決できるのか、買い物だけ手伝えば料理を続けられるのか、それとも調理そのものに支援が必要なのかを確認できます。
別の家庭では、部屋が多少散らかっていても本人はそれほど困っておらず、実際の問題は通院かもしれません。買い物には行けても、重い荷物を持って帰ることが難しくなっている場合もあります。
生活のどこで困っているのかを分けると、必要な支援の大きさも見えやすくなります。
・食事を用意できているか
・買い物へ安全に行けているか
・掃除や洗濯を続けられているか
・薬を予定どおり管理できているか
・通院や外出を一人で続けられるか
・入浴や着替えに困っていないか
この中から、「本人が困っていること」「家族が代わり続けていること」「安全面で心配なこと」を探します。
介護サービスを大きく始めるのではなく、本人にも必要性が分かる一つの生活場面から支援を試す方法があります。
親が介護サービスそのものを嫌がっていても、食事が届くことや、買い物の一部を手伝ってもらうことなら受け入れられる場合があります。まず一つの困りごとを減らすことが、その後の支援につながる入口になります。

介護認定を申請したら、必ずサービスを使わなければいけませんか?

要介護認定を受けることと、特定の介護サービスを必ず利用することは別です。まず本人の状態や生活上の困りごとを整理するために相談し、その後に必要な支援を検討できます。

親が「人の世話にはならない」と言っています。どう話せばよいですか?

「介護を受けて」と正面から説得するより、買い物、食事、掃除、通院など本人が実際に負担を感じている一場面から話す方が、受け入れられる支援を探しやすくなります。

食事だけ困っている場合でも介護の相談をしてよいですか?

はい。食事が作れない理由には、買い物、体力、認知機能、調理動作などさまざまな事情があります。食事宅配だけで解決するのか、他の支援も必要なのかを分けて考えることができます。

家族だけで先に相談してよい
「本人が相談に行ってくれないから、何も始められない」
ここで止まってしまう家族は少なくありません。しかし、本人がすぐ動かなくても、家族側から相談を始めることはできます。
代表的な相談先が地域包括支援センターです。地域包括支援センターは、高齢者や家族からの相談を受け、必要な制度やサービスなどへつなぐ地域の相談窓口です。厚生労働省も、地域の高齢者や家族介護者に対して初期段階から相談支援を行う機関として位置付けています。
まだ介護認定を受けていない、本人が相談を嫌がっている、何を頼めばよいか家族自身も分からないという段階でも、「こういう状態の親がいて困っている」と相談できます。
相談するときは「親が何も言うことを聞かない」だけではなく、具体的な出来事を伝えると状況が分かりやすくなります。
「先月までは自分で買い物に行っていたが、今は週3回家族が届けている」
「薬が余るようになった」
「デイサービスを勧めると怒る」
「家族が週4回通わないと生活が回らなくなってきた」
このような生活の変化です。
本人が介護サービスを拒んでいても、家族まで相談を控える必要はありません。まず家族が地域包括支援センターなどへ状況を伝えるところから始められます。
すでにケアマネジャーがいる場合は、本人が拒否しているサービスと、その理由として家族が感じていることを伝えてください。本人へどう提案するか、別の支援から始められないかを一緒に考える材料になります。
介護認定を嫌がる時の伝え方
介護サービスを利用する以前に、「介護認定なんて受けない」と拒まれる場合もあります。
本人からすれば、知らない人が自宅へ来て、歩けるか、着替えられるか、物忘れはないかなどを聞かれることに抵抗を感じても不思議ではありません。家族には必要な手続きに見えても、本人には「できないことを調べられる」と受け取られることがあります。
そのため、「介護認定を受けるためのテスト」と強調するより、「今の生活で困っているところを確認してもらう」「今後必要になった時に使える支援を確認する」と伝えた方が受け入れやすい場合があります。
認定調査では、本人の話だけで日頃の状態を確認するわけではありません。家族など普段の様子を知る人から話を聞くこともあり、必要に応じて本人と家族を分けて聞き取る場合もあります。
「本人の前では言いにくいことがある」
「親は調査員の前だと何でもできると言ってしまう」
このような事情があるなら、調査の日時を決める段階などで、市区町村の担当窓口や調査担当者へ伝えておきましょう。
家族側も、普段困っていることを具体的に整理しておくと伝えやすくなります。「物忘れがあります」だけではなく、「薬を飲んだことを忘れてもう一度飲もうとする」「同じ食品を何度も買う」など、実際に起きている出来事としてまとめます。
認定を受けさせるために本人のできないことを誇張するのではなく、普段の生活で実際に起きていることを具体的に伝えることが大切です。
デイサービスやヘルパーを試す
介護認定があり、支援を利用できる状態でも、最初から複数のサービスを一度に始める必要はありません。
訪問介護を嫌がる理由が「知らない人を家に入れたくない」なら、最初から家事全般を任せるより、本人が困っている内容に絞る方法があります。ただし、介護保険の訪問介護で提供できる内容は本人の状態やケアプランなどによって決まるため、具体的な利用内容はケアマネジャー等への確認が必要です。
デイサービスも同じです。「毎週通う場所」と決めてから説得するより、見学できる事業所なら実際の雰囲気を確認する方法があります。本人が何を嫌がっているのか分からないまま、「みんな行っているから」と勧めても納得しにくいでしょう。
人が多い場所が苦手なのか、入浴を他人に手伝われるのが嫌なのか、長時間外出したくないのか。理由が分かれば、その条件に合うサービスがあるかケアマネジャーへ相談できます。
重要なのは、一度拒否されたサービスを何度も同じ方法で勧め続けることではありません。本人の困りごと、嫌がる理由、家族が補っている部分を見ながら、入口を変えていきます。
拒否が続く親を支援につなぐ方法
- 介護保険内外の支援を使い分ける
- 買い物や食事から小さく始める
- 家族ができない部分を外へ頼む
- 利用前に料金と条件を確認する
- 家族負担が限界なら支援を広げる
- 施設検討を早すぎると決めない
- 本人と家族が続けられる形を作る
親の介護で迷ったときに役立つ情報を、これからも分かりやすく発信していきます。
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介護保険内外を使い分ける
「介護サービスを嫌がるなら、もう家族がやるしかない」
そう考える必要はありません。介護保険によるサービスだけでなく、介護保険外サービスや民間サービスを組み合わせて、家族が対応しきれない部分を補う方法もあります。
介護保険のサービスは、本人の状態や必要性に応じて、ケアプランなどに位置付けられた支援を利用します。一方、介護保険外サービスは原則として全額自己負担ですが、事業者が対応している範囲で、介護保険では頼みにくい内容を相談できる場合があります。
たとえば、家族が困っているのが長時間の外出付き添いや買い物であれば、その部分だけ保険外サービスへ頼めるか確認する方法があります。家族がすべてを引き受けるか、介護保険だけで何とかするかの二択にする必要はありません。
介護保険で対応できる部分と、保険外サービスで補える部分を分けて考えると、本人の希望と家族の負担の両方に合わせやすくなります。
「介護保険を使うか、全部自費にするか」ではなく、何を誰に頼むのかを一つずつ分けて考えてみてください。
介護保険で対応できる部分は介護保険、条件に合わない部分や家族の都合に合わせたい部分は保険外というように分けて考えることができます。介護保険内と保険外サービスを使い分ける考え方も確認しておくと、頼める内容を切り分けやすくなります。
| 確認する内容 | 介護保険サービス | 介護保険外サービス |
|---|---|---|
| 利用の考え方 | 本人の状態や必要性をもとに検討 | 希望する支援内容を事業者へ相談 |
| 費用 | 制度上の自己負担が基本 | 原則として全額自己負担 |
| 支援内容 | 制度やケアプラン等の範囲 | 事業者の対応範囲による |
| 向いている場面 | 継続的な介護や生活支援 | 保険内で足りない支援や柔軟な依頼 |
| 確認先 | 市区町村・ケアマネジャー等 | 各サービス提供事業者 |

介護保険を嫌がる親でも、自費のサービスなら必ず受け入れますか?

必ず受け入れるとは限りません。本人が何を嫌がっているのかを確認し、サービスの名称ではなく、困っている具体的な場面をどう助けてもらうかを話すことが大切です。

介護保険と保険外サービスを同時に使えますか?

状況に応じてそれぞれを利用することはできます。ただし、同じ時間帯や同じ支援をどのように扱えるかなど具体的な運用は、ケアマネジャーや各事業者へ確認してください。

保険外サービスなら何でも頼めますか?

対応内容は事業者ごとに異なります。利用前に、頼みたい内容、料金、交通費などの追加費用、利用時間、対応地域、キャンセル条件まで確認しておくと安心です。
買い物や食事から小さく始める
親が「介護」という言葉を嫌がっていても、買い物や食事など毎日の生活に直結する困りごとなら、話を受け入れてもらいやすい場合があります。
たとえば、これまで家族が週2回食品を届けていたとします。本人は「自分で生活できている」と言っていても、実際には家族の買い物があるから生活が成り立っていることがあります。
「それ、私たちが買い物しているから成り立っているんだけど」
家族からすると、そう感じる場面です。
ここで「だから介護が必要」と結論づけるのではなく、家族が食品を届けなかったらどうなるのかを考えます。本人が自分で注文できるなら、食事宅配やネットスーパーで解決するかもしれません。商品選びや支払いまで難しくなっているなら、別の支援を考える必要があります。
本人ができることは残し、難しくなった部分だけを外から補うと、支援を受け入れやすくなる場合があります。
買い物そのものは続けたいけれど、荷物運びや店内移動が心配なら、付き添いを頼む方法もあります。親の買い物に付き添えない時の対処と家族の負担を減らす方法では、配送や家族以外の付き添いも含めて整理しています。
食事だけ、買い物だけ、荷物運びだけというように一つの困りごとから始めれば、「全部世話をされる」という感覚を減らしながら支援につなげられる可能性があります。

家族ができない部分を外へ頼む
親が介護サービスを拒んでいる家庭では、支援が入らない分を家族が埋めていることがあります。
平日は仕事帰りに買い物をする。休日は掃除をする。病院の日は有給休暇を取り、毎日電話で薬を飲んだか確認する。一つひとつは小さな手伝いに見えても、これが数か月、数年と続けば、家族の時間や体力を大きく使うようになります。
「あれ、親はサービスを使っていないけど、その代わりに全部こっちがサービス役になっているな」
そんな状態になっていないか、一度確認してみてください。本人がサービスを拒んでいることと、家族が無制限に代わり続けなければならないことは同じではありません。
家族が週に何回動いているのか、1回に何時間かかっているのか、仕事を何回休んでいるのかを書き出すと、今まで見えにくかった負担が分かりやすくなります。
その中から、「ここだけ外へ頼めたら続けられる」という部分を探します。買い物、外出同行、通院付き添い、家事など、介護保険の支援では条件が合わない部分については、介護保険外サービスへ相談できる場合があります。
全部を外へ任せるのではなく、家族が続けにくい部分だけを切り分けて頼む方法もあります。
本人の生活を守ることと、家族の生活を守ることはどちらか一方ではありません。何を家族が続け、何を外へ頼るかを分けることで、無理のない支え方を作りやすくなります。
家族だけでは時間を合わせにくい外出や生活支援を部分的に頼みたい場合は、介護保険外サービスのイチロウも選択肢の一つです。本人の生活を全部任せるのではなく、家族が対応できない部分について、対応内容や料金、対象地域などを確認したうえで利用を検討できます。
サービスを使う目的は、家族の代わりをすべて作ることではありません。本人の生活を続けながら、家族も無理なく関われる状態へ近づけることです。
利用前に料金と条件を確認する
本人が「それなら一度頼んでもいい」と言ってくれた時ほど、家族側は急いで決めないことが大切です。特に介護保険外サービスでは、料金体系や最低利用時間、交通費、対応地域、依頼できる内容がサービスによって異なります。
「1時間いくら」だけでは、実際に必要な費用が分からない場合があります。
| 確認項目 | 利用前に見る内容 |
|---|---|
| 支援内容 | 本当に頼みたい行動まで対応できるか |
| 利用時間 | 最低利用時間や延長単位 |
| 基本料金 | 時間料金・利用料金の計算方法 |
| 追加費用 | 交通費など別料金の有無 |
| 対応地域 | 親の住所が対象地域に含まれるか |
| 担当者 | どのようなスタッフが対応するか |
| 変更・中止 | キャンセル条件や変更方法 |
本人が受け入れやすいことも重要です。女性スタッフを希望する、初回は家族も同席する、いきなり長時間頼まないなど、サービス提供側へ相談できる内容があるか確認してみましょう。
料金だけで選ばず、「何を頼みたいか」「本人が受け入れられるか」「家族の負担が実際に減るか」を一緒に確認してください。
また、介護保険のサービス内容や認定状況によって利用できる支援がある可能性もあります。最初からすべて自費で解決すると決めず、ケアマネジャーや地域包括支援センターへ相談したうえで分ける方法もあります。
家族負担が限界なら支援を広げる
最初は買い物だけだったのに、いつの間にか食事も届けるようになり、通院の付き添いも増え、薬を飲んだか毎日電話で確認するようになることがあります。
一つひとつは小さな手伝いでも、積み重なると家族の生活を大きく使います。「まだ親は一人暮らしできているから大丈夫」と思っていても、その一人暮らしが家族の頻繁な支援によって成り立っていることもあります。
家族が仕事を休む回数が増えている、休日の多くを親の用事に使っている、きょうだい間で負担が偏っている、夜にも頻繁に連絡が来る。このような状態なら、本人がサービスを嫌がるかどうかだけではなく、現在の支え方そのものを見直す段階です。
家族が疲れ切ってから支援を探すのではなく、「このまま同じ支え方を半年続けられるか」と考え、難しいなら早めに相談することが必要です。
家族が限界になるまで同じ形を続ける必要はありません。訪問介護、通所サービス、配食、見守り、介護保険外サービス、ショートステイなど、本人の状態や家庭の状況に応じて使える支援を整理していきます。
本人がすべてを受け入れなくても構いません。全部を一度に変えようとせず、家族の負担が大きいところから一つずつ試せるものがないか考えてみてください。
施設検討を早すぎると決めない
在宅サービスを嫌がっている親について考えていると、「老人ホームの話なんてまだ早い」と感じることがあります。
もちろん、介護サービスを一つ拒んだからといって、すぐに施設入居を考える必要はありません。ただし、家族の支援がなければ一人暮らしを続けることが難しくなっているなら、施設について情報を集めることまで先送りする必要はありません。
施設を探し始めることと、実際に入居を決めることは別です。
本人の状態、必要な介護の量、家族が通える距離、予算、本人が大切にしたい生活などを整理すると、施設へ入るかどうかだけでなく、在宅生活を続けるために何が足りないのかも見えてきます。
「まだ入居させるつもりはないけれど、この先どんな選択肢があるのか知っておきたい」
そう考える段階で情報を集めておくことにも意味があります。
家族だけで施設を一つずつ調べると、費用、地域、空室、介護体制など確認する項目が増えます。今後の選択肢として施設も考え始めたい場合は、老人ホーム紹介サービスを利用し、本人の状態や希望地域、予算などを整理しながら候補を確認する方法があります。
今すぐ入居を決めるためではなく、「在宅が難しくなったらどこへ相談するか」を家族が知っているだけでも、選択肢をゼロから探す負担を減らせます。
本人と家族が続けられる形を作る
親が介護サービスを嫌がる理由は家庭ごとに違うため、全員に当てはまる説得方法はありません。
介護認定は受けてもデイサービスは嫌という人もいれば、訪問介護のように家へ人が入ることは嫌でも、外出支援なら受け入れられる人もいます。家族側も、毎週できることと続けるのが難しいことは家庭によって違います。
大切なのは、本人にすべて納得してもらってから支援を始めようとするのではなく、今できることと困っていることを分けて考えることです。
確認したいのは、本人ができること、本人が困っていること、家族が今補っていること、家族には続けられないこと、外から補えることの五つです。この五つを分けると、何をそのまま残し、何を相談し、どこだけ支援を頼むのかが具体的になります。
一度決めた支援が合わなければ、調整して構いません。サービスを始めたからといって、その形をずっと続けなければならないわけではありません。本人の状態も家族の生活も変わるため、その時々で支援の内容を見直していきます。
「まず買い物だけ」
「まず見学だけ」
「まず家族だけ相談」
「まず一回だけ試す」
このように、最初から大きく変えるのではなく、小さな入口から始める方法があります。
本人が受け入れられることと、家族が無理なく続けられることの両方を見ながら、必要な支援を少しずつ組み合わせていくことが大切です。

親が一度断ったサービスは、もう勧めない方がよいですか?

一度の拒否だけで今後すべて利用できないとは限りません。ただし、同じ説明を繰り返すより、嫌だった理由や本人が現在困っていることを確認し、提案方法や支援内容を変える方がよいでしょう。

家族だけで対応できているならサービスは不要ですか?

今できているかだけでなく、その状態を今後も続けられるかを確認してください。仕事や自分の家庭を犠牲にしなければ維持できない状態なら、外部の支援を検討する意味があります。

本人が全部拒否する場合はどうすればよいですか?

家族だけで抱えず、地域包括支援センターやケアマネジャーなどへ具体的な生活状況を伝えてください。火の不始末、転倒、栄養状態など安全上の問題がある場合は、拒否への説得より必要な専門職への相談を優先します。

親が介護サービスを嫌がる時に覚えておきたいこと
親が訪問介護やデイサービスを嫌がった時、家族が最初に目指すことは「介護が必要だと認めさせること」ではありません。本人が何を嫌がっているのか、生活のどこで困っているのか、現在どの部分を家族が補っているのかを分けることから始めてください。
知らない人を家に入れるのが嫌な人へ訪問介護を繰り返し勧めても、話が進まないことがあります。しかし、買い物へ行けなくなっているのであれば、配送、付き添い、買い物支援など別の入口があります。食事が作れないなら、まず食事をどう確保するかを考えられます。本人が困っている一場面へ話を落とすことで、介護サービスという大きな話より受け入れやすくなる場合があります。
本人が相談を嫌がっていても、家族まで動けないわけではありません。まだ介護認定を受けていない場合は地域包括支援センターなどへ相談し、すでにケアマネジャーがいる場合は、何を拒んでいるのか、家族がどこまで補っているのかを具体的に伝えます。
介護保険サービスだけで解決しにくい場合には、保険外サービスも含めて考えられます。買い物や外出、家族が対応できない時間など、必要な一部分だけ外へ頼む方法もあります。本人ができることまで取り上げず、難しくなったところを補うという考え方です。
一方で、親がサービスを嫌がっているからと家族がすべてを引き受け続けると、家族側の仕事、休日、体力、気持ちが持たなくなることがあります。「今できるから大丈夫」ではなく、この支え方を半年後も続けられるかまで考えてください。
また、施設について情報を集めることも、すぐ入居させるという意味ではありません。在宅生活を続けるための条件を整理する意味でも、将来どのような選択肢があるのか早めに知っておくことはできます。
親が介護サービスを嫌がった時は、訪問介護、デイサービス、食事、買い物、通院、見守りなどを一つにまとめないことです。本人の希望と安全、家族が続けられる範囲、利用できる制度やサービスを分け、まず一つだけ改善できる場所を探してください。
その一歩が、本人の生活を守りながら、家族だけに介護が集中しない形を作る入口になります。
健さんの視点コラム
親の家へ行くたびに、冷蔵庫を確認し、足りない物を買い、ゴミをまとめ、薬を確認して帰る。最初は少し手伝うだけだったはずなのに、「やらないと困るから」という理由で、家族の役割が少しずつ増えていくことがあります。
それでも本人は「何も困っていない」と言う。
ここで迷うのは、「本人が大丈夫と言っているなら、このまま家族が手伝えばいいのか」ということです。しかし、毎週の買い物、掃除、通院、薬の確認が必要になっているなら、本人の生活はすでに家族の支援込みで成り立っていると考えた方がよいでしょう。
本人がサービスを嫌がる気持ちは大切にしたいところです。一方で、その気持ちを守るために家族が仕事を休み続けたり、休日をすべて使ったりする状態まで当然にしてしまうと、今度は家族の生活が持たなくなります。
人生健康第一とは、本人だけの生活を守ればよいということではありません。本人がどこまで自分でできるのか、家族が週に何回なら無理なく関われるのか、外へ頼む部分にどれくらいの時間や費用を使えるのかを分けて確認し、本人と家族の両方が続けられる形に整えていくことです。
たとえば、家族が週3回通っているなら、全部やめるか全部続けるかの二択にする必要はありません。買い物は宅配へ変える、外出の一部だけ支援を頼む、家族は通院だけ同行する、掃除は別の方法を相談するといった分け方もできます。
ここで大切なのは、本人が嫌がっているサービスを何度も同じ形で勧めることではありません。
「他人を家に入れたくない」という理由なら、訪問型の支援だけにこだわらず、外出、食事、見学など本人が受け入れやすいところから始める方法があります。介護保険の支援が合わない部分については、介護保険外サービスを含めて確認することもできます。ただし、利用できる内容や料金、対応地域などはサービスによって異なるため、実際に頼みたいことと条件を分けて確認することが必要です。
逆に、本人が拒否していても、そのままにできない場面もあります。食事がほとんど取れていない、火の管理が難しくなっている、転倒が続いているなど、安全や生活の維持に関わる問題が大きくなっているなら、「本人が嫌と言っているから」で家族だけが見守り続ける段階ではありません。
本人ができること、本人が困っていること、家族が代わっていること、家族には続けられないこと、外へ頼めること。この五つを分けてみると、何を残し、何を頼るかが見えやすくなります。
介護は、ある日突然すべてを家族以外へ任せるものではありません。家族だからできることもあれば、家族だからこそ続けるのが難しいこともあります。本人の希望だけにも、家族の我慢だけにも寄せず、生活が崩れる前に役割を分け直すことが大切です。
介護は、家族だけで抱え続けるものではありません。私たち介護職は、ご本人だけでなく、支えるご家族のためにもいます。
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の介護方針や制度利用を断定するものではありません。介護の方法や利用できる制度、支援内容はご本人の状態や地域の状況によって異なります。具体的な判断については、医療機関、地域包括支援センター、ケアマネジャーなどの専門職へご相談ください。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
親の介護で困ったときに『まずここを見れば分かる』と思ってもらえる記事を、これからも増やしていきます。
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