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親が急におかしい時の危険サインと救急車を呼ぶ具体的な判断の目安

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この記事を書いた人:健さん|元プロアスリート / 元納棺師 / 介護福祉士 / 睡眠栄養指導士 初級(一般社団法人睡眠栄養指導士協会 認定)|「人生健康第一」を伝えるブログメディア運営

親が急に話せなくなった、ぼーっとして返事がおかしい、突然動けなくなった。そんな変化が起きると、「少し休めば戻るのか」「年齢や認知症のせいなのか」「救急車を呼ぶほどなのか」と迷うことがあります。この記事では、様子を見てよいかを自己判断するのではなく、まず何を確認して、どのような状態なら急いで医療につなげる必要があるのかを見ていきます。

私は元プロアスリートとして体と向き合い、納棺師として人の命の終わりを見届け、現在は介護福祉士として日常の健康と生活を支える現場にいます。そんな経験から辿り着いた信念があります。それは人生健康第一です。高齢の親の急な変化では、「いつものことだろう」と決めつけず、普段との違いを具体的に確認することが大切です。

特に見てほしいのは、急に言葉が出なくなっていないか、顔や手足の片側がおかしくないか、呼びかけへの反応が普段より悪くないかという変化です。「何の病気なんだろう」と原因から考えたくなるところですが、急な混乱やぐったりした状態にはさまざまな原因があります。まずは病名を決めるのではなく、今どんな症状が出ていて、急いで医療につなげる必要がある状態なのかを見ていきます。

親の様子が今まさにおかしいなら、「いつからこうなったのか」「普段と比べて何が違うのか」を先に確認してください。そこが分かったら、言葉、顔や手足、反応、意識と、最初に見ておきたい変化を順番に確認していきましょう。

この記事のポイント

  • 親が急に話せない・反応がおかしい時に最初に確認することがわかる
  • 脳卒中や意識の異常を疑う危険な変化が理解できる
  • 救急車を呼ぶ必要がある状態と確認方法がわかる
  • せん妄や熱中症、脱水、低血糖などを考える時の注意点が理解できる

高齢の親が急におかしくなった時に最初に見ること

  • 急に話せない・言葉が出ない
  • 顔の片側や手足に麻痺がある
  • 反応が鈍い・意識がぼんやりする
  • 急な混乱は認知症だけとは限らない
  • ぐったりして動けない・倒れた

急に話せない・言葉が出ない

親が急に話せなくなったら、まず「認知症が進んだのかな」「年齢のせいかな」と考えるより、さっきまで普通に話せていたかを見てください。単なる言い間違いや普段からある物忘れとは違って、突然起きた変化なら様子を見ない方がよい状態です。

では、何を見ればいいのか。「言いたいことはありそうなのに言葉が出ない」「ろれつが回らない」「こちらの話を理解できていない」「会話そのものが成り立たない」といった違いです。同じ「話せない」でも、言葉そのものが出ないのか、発音がおかしいのか、こちらの言葉を理解できていないのかで状態は違います。家族が病名まで判断する必要はありませんが、「何がおかしいのか」をここまで見ておくと、119番や医療機関へ状態を伝えやすくなります。

もともと物忘れがあったり認知症があったりする親なら、ここは余計に迷います。

以前から言葉が出にくいことと、さっきまで普通に話していた人が急に話せなくなることは分けて考える必要があります。

普段の会話と比べて明らかに違うのであれば、「認知症だから」と決めず、急な体調変化として確認してください。

もう一つ確認しておきたいのが時間です。いつからおかしくなったのかが分かれば、その時刻を確認してください。症状が出た時間がはっきりしなくても、最後に普段どおり話していた時間は重要な情報になります。たとえば本人が一人で過ごしていて発症時刻が分からなくても、「昼に電話した時は普通だった」「夕方に訪ねたら言葉が出なくなっていた」というところまでは伝えられます。

ここまで見たら、次は言葉だけではなく、顔や手足にも急な変化が出ていないかを確認します。

顔の片側や手足に麻痺がある

言葉がおかしいだけでは判断しにくい時は、顔と手足も見てください。笑った時に片方の口元だけ下がる、片腕だけ上がらない、片側の手足に力が入らない。こうした変化が突然出ているなら、脳卒中を疑う重要なサインです。

「少ししびれているだけなら大丈夫なのでは」と思うかもしれませんが、それだけでは決められません。箸や茶碗を急に持てなくなった、片方の手だけ物を落とす、立った時に片側へ傾くといった変化もあります。本人が「大丈夫」と話せていても、片側だけに明らかな変化が出ているなら、その言葉だけで様子を見ることはできません。

では、家族はどこまで見ればいいのか。手足が動かない原因まで、その場で突き止める必要はありません。

重要なのは、急に起きた変化なのか、左右のどちらか一方に偏っているのか、言葉や顔の異変も一緒に出ていないかを見ることです。

足元がふらついている時も、「疲れただけかな」と先に決めず、普段どおり立てるか、歩けるかを見てください。

顔、腕、言葉のどれか一つでも突然おかしくなった時は、脳卒中の可能性を考えて救急要請につなげる必要があります。「3つ全部そろってから」ということではありません。後半では、この顔、腕、言葉を確認するFAST(ファスト)について、実際にどこを見るのかを確認します。

反応が鈍い・意識がぼんやりする

親に話しかけたら返事はする。それなら意識は大丈夫なのかというと、返事があるだけでは普段どおりとは言い切れません。

たとえば、名前を呼んでもなかなか目を開けない、質問への返事がいつもよりかなり遅い、返事をしたと思ったらすぐ眠ってしまう、簡単な質問にも答えられない。完全に意識を失っていなくても、こうした「いつもより明らかに反応が悪い」という変化は見ておきたいところです。

では、何と比べるのか。基準になるのは普段の親の反応です。

・名前を呼ぶと目を開けるか

・簡単な質問に答えられるか

・会話の途中ですぐ眠ってしまわないか

・返事の速さが普段より明らかに遅くないか

・呼びかけても反応しない状態になっていないか

ぼんやりしていると、「疲れているのかな」「熱もないし大丈夫かな」と考えることもあります。ただ、原因は一つではありません。脳卒中だけでなく、低血糖、感染症、脱水、薬の影響、けいれんの後などでも反応がおかしくなることがあります。高齢者では体調不良があっても分かりやすい症状だけが出るとは限らないため、「熱がないから大丈夫」「痛いと言っていないから大丈夫」という一つの情報だけでは決められません。

原因を家で当てることより、「いつもの親とは明らかに違う」という変化を医療側へ正確に伝えられるようにしておく方が大切です。


「普段ならこの質問にはすぐ答えるのに今日は答えられない」「何度呼んでもすぐ眠ってしまう」といった違いを、そのまま伝えられるようにしておきます。

反応が鈍い・意識がぼんやりする

親に話しかけたら返事はする。それなら意識は大丈夫なのかというと、返事があるだけでは普段どおりとは言い切れません。

たとえば、名前を呼んでもなかなか目を開けない、質問への返事がいつもよりかなり遅い、返事をしたと思ったらすぐ眠ってしまう、簡単な質問にも答えられない。完全に意識を失っていなくても、こうした「いつもより明らかに反応が悪い」という変化は見ておきたいところです。

では、何と比べるのか。基準になるのは普段の親の反応です。

・名前を呼ぶと目を開けるか

・簡単な質問に答えられるか

・会話の途中ですぐ眠ってしまわないか

・返事の速さが普段より明らかに遅くないか

・呼びかけても反応しない状態になっていないか

ぼんやりしていると、「疲れているのかな」「熱もないし大丈夫かな」と考えることもあります。ただ、原因は一つではありません。脳卒中だけでなく、低血糖、感染症、脱水、薬の影響、けいれんの後などでも反応がおかしくなることがあります。高齢者では体調不良があっても分かりやすい症状だけが出るとは限らないため、「熱がないから大丈夫」「痛いと言っていないから大丈夫」という一つの情報だけでは決められません。

原因を家で当てることより、「いつもの親とは明らかに違う」という変化を医療側へ正確に伝えられるようにしておく方が大切です。

「普段ならこの質問にはすぐ答えるのに今日は答えられない」「何度呼んでもすぐ眠ってしまう」といった違いを、そのまま伝えられるようにしておきます。

呼びかけには答えますが、すぐ寝てしまいます。眠いだけでしょうか?

健さん
健さん

眠気だけとは限りません。普段より明らかに起きていられない、返事が遅い、話が通じにくいといった変化が急に出ている場合は、意識の変化として考える必要があります。

血圧や体温が普段と同じなら安心できますか?

健さん
健さん

血圧や体温だけでは原因や緊急性を決められません。話し方、反応、手足の動き、呼吸なども含めて普段との違いを確認してください。

親の薬が原因かもしれない場合は、いったん全部止めた方がよいですか?

健さん
健さん

家族の判断ですべての処方薬を中止するのは避けます。新しく始めた薬や量の変更があれば、薬の名前や変更時期を医療機関へ伝えられるようにしてください。

急な混乱は認知症だけとは限らない

「今日は何日か分からない」「話がかみ合わない」「急に落ち着かなくなった」。親にこんな変化が出ると、まず認知症が進んだのではないかと考えることがあります。

そこで見てほしいのが、変わり方の速さです。昨日までは普段どおりだったのに急に話が通じなくなった、朝は比較的落ち着いていたのに夜になって状態が大きく変わった。数時間から数日ほどの短い期間で混乱が強くなった場合は、認知症の変化だけではなく、せん妄を含めた体調変化も考えます。

「もともと認知症があるから、やっぱり認知症では」と思うところですが、認知症がある人にもせん妄は起こります。感染、脱水、低血糖、薬、痛み、便秘、尿が出にくい状態、睡眠不足などが関係することもあります。最近薬が変わっていないか、水分や食事は取れていたか、発熱だけでなく普段より元気がなくなっていないかなど、ほかの変化も一緒に見ます。

では、急に混乱したらせん妄なのか。そこも家族だけでは決められません。

急な言葉の障害、片側の麻痺、意識の低下などがあれば、せん妄だろうと考えて様子を見るのではなく、緊急性の高い病気も考える必要があります。

混乱の原因を家庭で一つに決めるより、突然起きたのか、身体の異変も一緒に起きていないかを先に見てください。急に混乱した時は、「認知症なのか、せん妄なのか」と病名から考えるより、「いつから変わったのか」「ほかの身体症状がないか」を確認していきます。

親の異変が続き、急変時だけではなく今後どこへ相談していけばよいのか迷っている場合は、親の異変を感じたときの相談先を整理するも参考にしてください。

ぐったりして動けない・倒れた

親が急にぐったりして立てなくなったり、その場で倒れたりしたら、「高齢だから体力が落ちたのかな」で終わらせない方がいいです。まず見たいのは、全身がぐったりしているのか、片側だけ力が入りにくいのか、倒れた前後で意識がおかしくなっていないかです。

片側だけに力が入らないなら脳卒中が考えられますし、全身に力が入らない状態なら脱水、感染、低血糖など別の原因も考えられます。倒れた時には、意識を失っていたのか、転んだ時に頭を打っていないかも確認します。胸の痛みや動悸、息苦しさがあった、短時間に何度も倒れたという場合も、そのことをそのまま医療側へ伝えてください。

では、家族は何を見ておけばいいのか。ここでも原因を当てる必要はありません。

・倒れる前後で意識はどうだったか

・呼びかけに反応するか

・呼吸がおかしくないか

・胸の痛みや息苦しさがないか

・けいれんや体の突っ張りがなかったか

・起き上がった後も混乱が続いていないか

こうした情報が、その後の救急要請や診察で役立ちます。「けいれんというほど大きく震えていなかったから違う」とも限りません。急に一点を見つめて反応しなくなる、動作が止まる、その後しばらく混乱するといった変化が起こることもあります。家族がその場で何が起きたのかを診断する必要はありませんが、倒れる前後に普段と違う動きがなかったかは見ておきたいところです。

もう一つ、直前の出来事だけでなく、少し前の転倒も思い出してみてください。以前に頭を打ったことがある場合、軽い頭部外傷のあと時間がたってから、ぼんやりする、歩きにくくなる、言葉が出にくくなるなどの症状が現れることもあります。最近だけでなく、数週間から数か月の間に頭を打っていないかも、思い出せる範囲で確認してください。

頭を打ったことがある場合、軽い頭部外傷のあと時間がたってから、ぼんやりする、歩きにくくなる、言葉が出にくくなるなどの症状が現れることもあります。最近だけでなく、数週間から数か月の間に頭を打っていないかも思い出せる範囲で確認してください。

日常生活の変化から体調や認知機能の異変を確認したい場合は、親がトイレを流さない時に家族が見る急変と認知症のサインでも確認できます。

高齢の親が急におかしくなった時の救急判断

  • 脳卒中を疑うFASTの確認
  • 症状が消えても注意するTIA
  • 救急車を呼ぶべき危険なサイン
  • せん妄と認知症の変化の違い
  • 熱中症・脱水・低血糖との見分け方
  • 119番や医療機関へ伝えること

親の介護で迷ったときに役立つ情報を、これからも分かりやすく発信していきます。

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脳卒中を疑うFASTの確認

ここまで顔、腕、言葉の変化を見てきましたが、「実際にはどう確認すればいいのか」という時に使えるのがFAST(ファスト)です。FASTは、脳卒中で見られる代表的な変化を確認するための言葉で、それぞれ英単語の頭文字を取っています。

まず見るのは、次の3つです。

・Face(フェイス・顔):笑った時に顔の片側が下がったり、口元がゆがんだりしないか

・Arm(アーム・腕):両腕を前へ上げた時、片方だけ下がってこないか

・Speech(スピーチ・言葉):ろれつが回らない、言葉が出ない、会話が成り立たない状態がないか

そしてTime(タイム)は、症状に気づいた時刻です。

このうち一つでも突然現れた場合は、脳卒中を疑って救急車を呼ぶ必要があります。「3つ全部そろったら」という意味ではありません。

では、FASTの3つに異常がなければ脳卒中ではないのかというと、そこも言い切れません。突然歩けなくなった、強いめまいが出た、見え方がおかしくなった、激しい頭痛や意識の異常が起きた場合にも注意が必要です。

FASTは、家庭で脳卒中かどうかを確定するためのものではありません。明らかな症状が出ている時は、その場で何度も確認を繰り返して時間を使うより、119番につなげてください。

も大切です。明らかな症状がある場合は、その場で何度も試すより119番につなげてください。

症状が消えても注意するTIA

さっきまで言葉が出なかったのに、今は普通に話せる。片腕が動かなかったのに戻った。こうなると、「治ったなら救急車は必要なかった」と思ってしまうかもしれません。

しかし、脳卒中と似た症状が一時的に起こって消えるTIA(一過性脳虚血発作)の場合があります。症状が短時間で消えることがあるため、医療機関へ行く頃には普通に見える場合もあります。それでも、「さっきまで何が起きていたのか」という情報はなくなりません。

一時的でも、突然の言葉の障害、顔のゆがみ、片側の手足の異常などがあったなら、症状が出た時刻と消えた時刻を伝えられるようにしてください。本人が元に戻ったからといって、その出来事自体をなかったことにせず、何が起きたのかをそのまま医療側へ伝えます。

脳卒中の治療には時間が関係するものがありますが、「一定時間までは待っても大丈夫」という意味ではありません。病院へ着いてから診察や検査も必要になるため、家庭で様子を見る時間を延ばす理由にはなりません。

救急車を呼ぶべき危険なサイン

救急車を呼ぶか迷った時は、病名を当ててから決める必要はありません。突然起きた症状と、意識や呼吸などの状態を見てください。

状態確認する変化対応
顔・腕・言葉の異変顔の片側が下がる、片腕が上がらない、急に話せない脳卒中を疑い119番
意識の異常呼びかけても反応しない、反応が著しく悪い119番
けいれんを伴う異変けいれん、意識が戻らない、反応がおかしい119番
呼吸・胸の異常息苦しい、呼吸がおかしい、胸の症状を伴う緊急性を優先して対応
急に倒れた意識を失った、回復が悪い、繰り返す救急要請を含め早急に医療へつなぐ

特に、意識が戻らない、呼びかけに反応しない状態では、家庭で原因を探してから動く段階ではありません。高齢だから、持病があるからという理由だけで救急要請を控えるのではなく、その時に起きている急な変化を見て対応します。

一方、「救急車を呼ぶほどか分からない」という状態で、明らかな緊急症状が確認できない場合には、地域によって救急相談窓口を利用できることがあります。ただし、利用できる地域や時間は同じではありません。

はっきりしたFASTの症状や意識障害があるなら、相談窓口で判断してもらってから119番にするのではなく、直接119番につなげます。

夜中に症状が出た場合、朝まで待ってもよいですか?

健さん
健さん

夜だから緊急性が下がるわけではありません。突然の麻痺、言葉の障害、意識の異常などがある場合は、朝まで待たず緊急性を優先してください。

高齢なので、救急車を呼んでも治療できないことがありますか?

健さん
健さん

年齢だけを理由に家族が救急要請を控えるものではありません。急な異変が起きた時は、症状と本人の状態を医療側へ伝え、診断や治療については医療機関で判断してもらいます。

本人が「大丈夫」と言っている場合でも救急要請した方がよいですか?

健さん
健さん

本人の言葉だけで決めず、会話が正常に成立しているか、顔や腕に異変がないか、意識や反応が普段と違わないかを確認します。明らかな緊急症状があれば、本人が大丈夫と言っていても医療につなげることを優先します。

せん妄と認知症の変化の違い

せん妄と認知症は、どちらも「いつもと様子が違う」「話が通じにくい」と見えることがありますが、変化の起こり方が違います。

認知症は一般に変化がゆっくり進むのに対して、せん妄は数時間から数日ほどで急に現れ、状態が変わりやすいことがあります。認知症がある人にもせん妄は起こるため、「認知症か、せん妄か」の二つからどちらかを選ぶようには考えません。

ここで注意したいのが、せん妄というと大声を出したり落ち着かなくなったりする状態だけを思い浮かべないことです。眠そうにしている、動かない、話す量が減る、反応が鈍いといった「静かな変化」として現れることもあります。そのため、騒いでいないから問題ないとは言えません。

また、「夜になると混乱するからせん妄」と決めることもできません。夜間に悪化することはありますが、脳卒中、低血糖、感染症、薬の影響などでも夜間の異変は起こります。

せん妄が疑われる場合も、その原因になっている体調変化を確認する必要があります。急な混乱に意識の異常、麻痺、言葉の障害などが加わっているなら、まず緊急性を優先します。

熱中症・脱水・低血糖との見分け方

夏に親がぐったりしていれば熱中症、水分を取っていなければ脱水、糖尿病があれば低血糖と考えたくなるかもしれません。

実際には症状が重なるため、家庭で完全に見分けるのは困難です。

考えられる状態気づくきっかけ特に注意する状態
熱中症暑い環境、めまい、頭痛、吐き気、強いだるさ意識がおかしい、けいれん、自力で水分を取れない
脱水口の乾燥、尿が少ない・濃い、ふらつき、活動量低下反応が鈍い、強い眠気、意識の変化
低血糖糖尿病治療中、食事や薬との関係、異常な言動強い混乱、けいれん、意識を失う
脳卒中突然の顔・腕・言葉の異変片側の麻痺、言葉の障害、意識異常

たとえば暑い日にぐったりしていても、同時に顔の片側が下がっていたり言葉が出なくなっていたりすれば、「暑いから熱中症だろう」と決めてしまうのは危険です。熱中症や脱水がありそうな状況でも、片側の麻痺や言葉の障害など別の危険な変化が出ていないかを同時に確認します。

糖尿病の治療を受けている高齢者では、低血糖でもぼんやりする、会話がおかしい、いつもと違う行動をするといった変化が出ることがあります。高齢者では、発汗や動悸など分かりやすい症状が出ない場合もあります。直前の食事を取れていたか、インスリンや糖尿病の薬をいつ使ったかといった情報が分かれば、医療側へ伝えられるようにしておきます。

血糖値をすぐ測れる環境なら情報として役立ちますが、測定に手間取って救急要請を遅らせる必要はありません。

意識が悪い、けいれんしている、飲み込めない状態では、脱水や低血糖を疑っていても無理に水や食べ物を口から入れないでください。水分を取らせたいと思っても、飲み込めない状態では誤って気道へ入る危険があります。

119番や医療機関へ伝えること

119番や医療機関へ連絡する時は、「なんとなく親がおかしい」だけではなく、普段との違いをできるだけ具体的に伝えると状況が伝わりやすくなります。

最初に確認したいのは、いつから変化したのかです。

症状が出た時刻が分かればその時刻を、分からなければ「最後に普通だったのは何時ごろか」「異変に気づいたのは何時ごろか」を伝えます。正確に分からなければ推測して時刻を作る必要はありません。「朝7時には普通に会話していたが、10時に見た時には話せなくなっていた」という伝え方でも情報になります。

そのうえで、次のような情報をまとめます。

  • 急に言葉が出なくなった
  • ろれつが回らない
  • 顔の片側が下がっている
  • 片腕が上がらない
  • 呼びかけへの反応が悪い
  • 急に立てなくなった
  • 倒れたり意識を失ったりした
  • けいれんや普段と違う動きがあった
  • 胸の痛みや息苦しさがある
  • 最近の食事や水分の状態
  • 糖尿病などの持病
  • 服用している薬や最近の薬の変更
  • 最近の転倒や頭を打った出来事
  • 普段の会話や歩行など本人の元の状態

すべてを完璧にそろえてから連絡する必要はありません。緊急性の高い症状があるなら連絡を先にし、その時点で分かっていることを伝えます。連絡後に確認できるものがあれば、お薬手帳や薬の袋などを準備しておけばよいでしょう。

薬の名前が分からなければ、無理に思い出す必要はありません。お薬手帳や薬の袋があれば準備し、分からないものは分からないと伝えれば構いません。血液を固まりにくくする薬や糖尿病の薬、睡眠に関係する薬などを使用している場合も、分かる範囲で伝えます。

認知症がある場合は、「認知症です」だけで終わらせず、「普段は名前を聞けば答えられる」「普段は一人で歩ける」といった元の状態と、今日できなくなったことを分けて伝えると変化が分かりやすくなります。普段の状態を家族が知っていることは、急に何が変わったのかを伝えるうえで役立ちます。

脳卒中で確認する顔・腕・言葉の症状と、なぜ早い対応が必要なのかは、厚生労働省のACT-FASTが重要 一分一秒でも早く治療をでも確認できます。

症状が出た時間が分からない場合は、どう伝えればよいですか?

健さん
健さん

正確な発症時刻が分からなくても、最後に普段どおりだった時間と、異変に気づいた時間を伝えてください。分からない時刻を推測して伝える必要はありません。

救急隊には認知症があることも伝えた方がよいですか?

健さん
健さん

伝えてください。そのうえで、普段はどこまで会話できるのか、一人で歩けるのか、今日どの部分が急に変わったのかも伝えると、元の状態との差が分かりやすくなります。

以前の転倒や頭を打ったことも関係しますか?

健さん
健さん

軽い頭部外傷のあと、時間がたってからぼんやりする、歩きにくくなる、言葉が出にくくなるなどの症状が現れることがあります。数週間から数か月前の転倒でも、思い当たることがあれば医療側へ伝えてください。

高齢の親が急におかしくなった時に覚えておきたいこと

高齢の親が急におかしくなった時に、家族が最初から病名を当てる必要はありません。まず確認したいのは、いつから変わったのか、普段と比べて何ができなくなったのか、突然起きた変化なのかということです。昨日から少し元気がない場合と、さっきまで普通に会話していたのに急に言葉が出なくなった場合では、同じ「様子がおかしい」でも対応は変わります。

顔の片側が下がる、片腕が上がらない、急に言葉が出なくなるといった変化や、呼びかけへの反応が悪い、意識が戻らないといった状態があれば、年齢や認知症の影響だと決めず、緊急性を優先します。症状が一度消えた場合も、「元に戻ったから終わり」とは考えません。いつ症状が出て、いつ消えたのかを伝えられるようにしておきます。

一方で、ぼんやりする、ぐったりする、急に混乱するといった変化は、脳卒中だけでなく、せん妄、熱中症、脱水、低血糖、感染症、薬の影響など、さまざまな原因で起こります。見た目だけで一つに決めるのではなく、意識、会話、手足の動き、呼吸、歩き方、食事や水分、服薬状況などを必要な範囲で確認します。

救急隊や医療機関へ伝える時には、「なんとなくおかしい」ではなく、「普段は一人で歩けるのに今日は立てない」「普段は普通に話せるのに急に言葉が出なくなった」のように、元の状態との違いを具体的に伝えます。お薬手帳や服用中の薬、最近の転倒や頭を打った出来事なども、分かる範囲で準備しておけば役立ちます。

親の急な変化では、完璧に調べてから動こうとしないことも必要です。明らかな麻痺、言葉の異常、意識障害などがある時は、家庭で原因を探し続けず119番につなげます。迷う状態でも、普段との違いが続いているなら、その変化を具体的に伝えて医療や専門職へ相談してください。

健さんの視点コラム

認知症のある親が夜になって急に話のつじつまが合わなくなった時は、家族にとって迷いやすい場面です。もともと物忘れがある、夜になると混乱することが以前にもあったとなれば、「また認知症の症状だろう」「少し寝れば落ち着くかもしれない」と考えることがあります。ところが、今回の記事で見てきたように、夜に起きた急な混乱だけで原因を決めることはできません。

この場面で最初に確認したいのは、混乱していることそのものより、普段と比べて新しくできなくなったことがないかです。話しかけても返事が極端に遅い、言葉が出ない、ろれつが回らない、片腕が上がらない、顔の片側がおかしい、立てない、呼びかけても目を開けにくいといった変化が加わっているなら、「認知症だから」という説明だけでは済みません。意識や呼吸に明らかな異常があれば、家族だけで様子を見続ける段階ではありません。

一方、顔や手足、言葉に明らかな異変が見当たらなくても、急な混乱が続いているなら、次に体調の変化を確認します。水分や食事が取れていたか、糖尿病の治療を受けているか、最近薬が変わっていないか、発熱だけでなく普段より元気がなくなっていないか、最近転倒して頭を打っていないかなど、分かる範囲で見ていきます。ここでも家族が原因を決めるのではなく、医療側へ伝えられる情報を集めるための確認と考えた方が進めやすくなります。

認知症がある人では、「いつもの認知症」と「今日新しく起きた変化」を分けて伝えることが特に重要になります。普段は名前を答えられる、家の中を一人で歩ける、食事は自分で取れるといった状態を家族が知っていれば、今日何が違うのかを説明できます。逆に「認知症があります」だけでは、医療側から見ても、どこまでが普段の状態で、どこからが急な変化なのか分かりにくくなります。

家族が一番困るのは、救急車を呼ぶほどなのか、少し待つべきなのか、その場で答えが出ない時でしょう。その時に、本人の年齢や認知症という言葉だけで決めず、急に起きたのか、意識や会話は普段どおりか、顔や手足に変化はないか、呼吸はどうかと具体的に確認していくと、医療へ伝える内容がはっきりしてきます。明らかな危険な症状があるなら119番、そうでなくても普段とは違う状態が続くなら医療機関や利用できる相談先へつなげます。

人生健康第一とは、何でも家族だけで判断して様子を見ることではありません。急な変化が起きた時に、家庭で確認できることと、医療側へ任せることを分け、必要な時に早くつなげることです。親に認知症があっても、「認知症だから仕方がない」とせず、今日新しく起きた変化を具体的に見てください。それが、親の状態を医療側へ伝え、次の対応につなげるために家族ができることです。

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の治療法や健康効果を断定するものではありません。体調や症状には個人差があります。気になる症状がある場合や、体調に不安がある場合は、無理をせず医療機関や専門職へご相談ください。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

親の介護で困ったときに『まずここを見れば分かる』と思ってもらえる記事を、これからも増やしていきます。

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