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この記事を書いた人:健さん|元プロアスリート / 元納棺師 / 介護福祉士 / 睡眠栄養指導士 初級(一般社団法人睡眠栄養指導士協会 認定)|「人生健康第一」を伝えるブログメディア運営
高齢の親が入院すると、「病室で時間を持て余しそうだから何か持って行きたい」「塗り絵やパズルなら100均で揃えられないかな」「高い物を買って使わなかったらもったいない」と考えることがあります。100均にはノート、筆記具、色鉛筆、塗り絵、小さな収納用品など、入院中の暇つぶしに利用しやすい物があります。ただし、安いからと何種類も買い込むと、本人が使わない物で病室の荷物を増やすことにもなります。
私は元プロアスリートとして体と向き合い、納棺師として人の命の終わりを見届け、現在は介護福祉士として日常の健康と生活を支える現場にいます。そんな経験から辿り着いた信念があります。それは人生健康第一です。入院中の暇つぶしも、安さや品数を優先するのではなく、療養中の本人が無理なく使え、疲れたらすぐやめられ、病室の生活を邪魔しない物を選ぶことが大切です。
この記事では、高齢者の入院中の暇つぶしを100均で揃える時に、どんな物が候補になるのか、塗り絵・ノート・筆記具・パズル・写真用品などをどう選ぶのかを順番に確認します。そのうえで、「100均で買えるか」だけでは判断できない見やすさや使いやすさ、病室での収納、避けたい物、100均に適当な物がない場合の代替商品の選び方まで整理します。
最初に見る判断軸は、価格ではなく「本人が本当に使うか」「今の体調と姿勢で使えるか」「文字や図柄が見えるか」「一人で出して片づけられるか」です。100円の商品を10個買うより、本人が毎日使える物を2~3個選ぶ方が、入院中の暇つぶしとして役立つことがあります。
この記事のポイント
- 高齢者の入院中の暇つぶしとして100均で探しやすい物がわかる
- 塗り絵・パズル・文具を本人に合わせて選ぶ基準が理解できる
- 100均で買わない方がよい物を見分けるポイントがわかる
- 使える物が見つからない時の代替商品の選び方が理解できる
入院中の暇つぶしを100均で選ぶ基準
- 100均だから多く買わない
- 本人の好みと体調で候補を絞る
- 塗り絵・パズル・文具を使い分ける
- 見やすさと扱いやすさを確認する
100均だから多く買わない
100均の良さは、入院中に使う物を少ない負担で試せることです。ノート、鉛筆、ボールペン、色鉛筆、便箋、ファイル、収納袋などは、使い方が本人に合えば十分役立ちます。2026年9月時点では、100円ショップの公式通販でも文房具、学用文具、塗り絵、パズル類などが販売されています。ただし、同じ商品がすべての店舗へ常に並ぶわけではないため、商品名を決め打ちするより、必要な条件を決めて探す方が現実的です。
一方で、110円の商品を見ていると「これも使うかもしれない」「退屈したら困るからもう一つ」と数が増えやすくなります。塗り絵を何冊も買い、クロスワード、ノート、折り紙、色鉛筆、ペンケースまで揃えれば、合計金額だけでなく病室へ持ち込む荷物も増えます。高齢者本人がベッド周囲から自由に動けない場合、選択肢が多いほど使いやすいとは限りません。
病室では、ベッド、床頭台、ロッカーなど限られた場所へ日用品、衣類、飲み物、書類なども収納します。暇つぶし用品は生活必需品ではないため、場所を取りすぎると本人や家族だけでなく、看護や移動の邪魔になる可能性があります。まず一つか二つを試し、実際に使っている物だけ残す方が管理しやすくなります。
「110円なら、とりあえず何種類か買って持って行けばいいんじゃない?」
試すこと自体は悪くありません。ただし、買う時点で「本人が使う場面」を想像できない物は増やさない方がよいでしょう。新聞のクロスワードを以前から解いているならパズル、手紙を書く習慣があるなら便箋というように、本人の生活歴へつながる物から選びます。
また、退院までの期間が短ければ、使い切れない物を多く持ち込む必要はありません。長期入院でも、家族が面会できるなら不足した物を後から追加できます。一度の買い物で入院期間全体を完璧に揃えようとしないことも、無駄を減らす方法です。
100均を使う時ほど「安いから買う」ではなく、「本人が使う物だけを少量から試す」と考えます。
100均の商品を探す場合は、現在販売されている文具や塗り絵の一例をCan★Do公式ネットショップの文房具・事務用品でも確認できます。ただし、ネット掲載商品と近くの店舗在庫が同じとは限らないため、必要な物が決まっている場合は店舗で確認してください。
本人の好みと体調で絞る
高齢者の入院中の暇つぶしで最も大切なのは、「高齢者向け」と書かれているかではなく、本人が以前から何を好んでいたかです。読書が好きな人、数字パズルが好きな人、絵を描く人、手紙を書く人では適した物が違います。反対に、普段まったくパズルをしない人へ「脳トレだから」とナンプレを渡しても、使われない可能性があります。
同時に、入院前に好きだったことを今も同じようにできるとは限りません。手術後で腕を動かしにくい、点滴をしている、長く座っていると疲れる、眼鏡をかけても小さい文字が見えにくいなど、入院中は身体条件が変わります。本人の趣味と現在の状態を両方確認して、初めて「今の暇つぶし」として使えるか判断できます。
例えば、クロスワードが好きでも、問題文の文字が小さければ読むだけで疲れます。塗り絵が好きでも、細い色鉛筆を握り続けるのがつらい場合があります。ノートへ日記を書きたい人でも、ベッド上で本を押さえながら書く姿勢が取りにくいことがあります。商品そのものだけでなく、本人が病室で使う姿勢まで想像してください。
「本人に聞いても『何でもいい』しか言わないんだよね。」
その場合は、「塗り絵とクロスワードならどっち?」「字を書くのと写真を見るのならどっちが楽?」と二択にすると答えやすくなります。何を買うかではなく、どんな時間の過ごし方なら負担が少ないかを聞くのがポイントです。
本人が「別に何もしなくていい」と話す場合もあります。入院中には治療や検査で疲れている日もあり、休息を取りたいことがあります。暇つぶしを用意することは家族の支援ですが、必ず使わせることが支援ではありません。
本人の趣味と現在の体調が重なる場所に、使いやすい暇つぶしがあります。
入院生活全体について、暇つぶしだけでなく家族が確認することを整理したい方は、健さんのこちらの記事も参考にしてください。親の入院時に家族が確認したいこと
塗り絵・パズル・文具を選ぶ
100均で選びやすい暇つぶし用品の中心は、電源を使わず、音が出にくく、途中で中断しやすい物です。代表的なのは、塗り絵、色鉛筆、ノート、便箋、筆記具、簡単なパズル、折り紙、写真を入れる小さなアルバムやファイルなどです。ただし、同じ110円の商品でも本人にとって使いやすいかどうかは大きく違います。
塗り絵なら、線が太く、大きな図柄で、細かな区画が多すぎない物を確認します。色鉛筆は多色セットほど良いとは限りません。本人が色を選びやすく、机の上へ広げすぎない本数から始める方が扱いやすくなります。クロスワードやナンプレなどのパズルは、内容より先に文字やマスの大きさを見ます。本人がルールを知らない物を入院中に覚えさせる必要はありません。
ノートや便箋も立派な暇つぶしになります。日記を書く、家族へ手紙を書く、テレビで見たことをメモする、退院後にやりたいことを書くなど使い方は本人次第です。機械操作が苦手な人ほど、紙と筆記具だけで完結する活動は始めやすくなります。
「折り紙や工作も100均にたくさんあるから良さそう。」
使える人には候補になりますが、細かな部品、ハサミ、カッター、針などが必要な物は注意が必要です。病院によって刃物類の持ち込みルールが異なり、ベッド上では小さな部品を落とすこともあります。単に店頭で楽しそうに見えるだけで選ばず、病室で安全に扱えるかまで確認します。
また、大きなジグソーパズルや材料を広げる工作は、テーブル面積を長時間使います。病室では食事や処置のたびに片づける必要があるため、一枚の紙や一冊の本で完結する物の方が使いやすい場合があります。
ハサミ・カッター・針・細かな部品を使う物は、100均で買えても病室へ持ち込めるとは限りません。

100均の子ども向け塗り絵でも高齢者に使える?

本人が図柄を気に入れば使えます。ただし、幼く感じて嫌がる人もいるため、花・風景・模様など本人が楽しめる題材を選んでください。

ボールペンと鉛筆ならどちらがいい?

普段から使っている物を優先します。パズルなら消せる鉛筆やシャープペンシル、日記なら慣れたボールペンなど、用途と握りやすさで選びます。

本人用の小さなハサミなら持って行ってもいい?

病院ごとにルールが異なるため、先に病棟へ確認してください。大きさや用途にかかわらず、刃物類を制限している施設があります。

見やすさと扱いやすさを見る
100均で暇つぶし用品を買う時は、価格よりも実物を手に取って確認できることを活かします。高齢者が使う塗り絵やパズルでは、文字サイズ、数字の大きさ、線の太さ、背景とのコントラストが重要です。小さな文字を読むために顔を近づけ続ける物や、薄い線を追う必要がある物では、内容が簡単でも目が疲れやすくなります。
ノートなら、罫線の幅と紙の色を確認します。罫線が細かすぎると書きにくく、真っ白な紙がまぶしく感じる人もいます。ペンは細さだけでなく握りやすさを見ます。手指の力が弱くなっている人では、細い軸を強く握るより、少し太めで軽い筆記具の方が使いやすい場合があります。
収納用品も同じです。ファスナーが小さすぎるポーチは、手指が動かしにくい人には開けにくくなります。透明または半透明の袋なら、中に何が入っているか見つけやすくなります。病室では「しまえるか」だけでなく、「本人が自分で見つけて取り出せるか」まで考えると使いやすさが変わります。
「100均なら買う前に全部中身を確認できるわけじゃないよね。」
その通りです。包装されている商品は、表紙や説明だけでは中の文字サイズまで分からないことがあります。その場合は無理に買わず、誌面例が確認できる商品や、書店・通販で中身を確認できる物を比較してください。100均だけに限定することが目的ではありません。
一般的な読みやすさでは、大きな文字だけでなく、文字と背景のコントラストも重要です。表示の見やすさを考える時は、共用品推進機構の高齢者・弱視者にも配慮した見やすい表示の考え方も参考になります。
「100均にあるか」ではなく、「本人の目と手で無理なく使えるか」を店頭で確認できることが100均選びの強みです。
高齢者の入院中の暇つぶし全体を、年齢・体調・姿勢・視力などから比較したい方は、健さんのこちらの記事もご覧ください。高齢者の入院中の暇つぶし|70代・80代の男女別の選び方
100均で買う物と代替商品を分ける
- 100均と相性がよい物を選ぶ
- 安さだけで選ばない物を知る
- 病室の収納と安全を確認する
- 100均にない時は代替品を選ぶ
- 使わなければ早めに入れ替える
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100均と相性がよい物を選ぶ
100均で揃えやすいのは、構造が単純で、壊れた時の影響が小さく、本人の使いやすさを店頭で確認しやすい物です。ノート、便箋、鉛筆、ボールペン、色鉛筆、塗り絵、ファイル、写真を入れる小型アルバム、透明ポーチなどが代表例です。こうした物は、電源や充電を必要とせず、病室で大きな音も出しません。
特にノートや便箋は用途を固定しません。日記、メモ、家族への手紙、好きな言葉を書き留めるなど、本人が自分で使い方を決められます。写真用のファイルも、家族写真を数枚だけ入れておけば、スマートフォン操作が苦手な人でも好きな時に見ることができます。
塗り絵や簡単なパズルも、本人の好みと難易度が合えば費用を抑えて試せます。合わなければ別の種類へ変えやすいことは100均の利点です。ただし「使わなくても110円だからいい」と考えるのではなく、最初から使う可能性が高い物を選ぶ方が病室の荷物を増やしません。
「何を100均で買って、何を別で買えばいいか迷うな。」
基準は単純です。紙・文具・収納のように仕組みが単純な物は100均から探し、機械、音響機器、毎日長時間使う物、見やすさや操作性が使用継続へ大きく影響する物は、価格以外も比較してください。
例えば、筆記具なら本人が握って確認できます。ところがラジオやイヤホンは、音質、ボタンの位置、電池、耐久性、コード長など、店頭で価格だけ見ても分からない条件があります。同じ「暇つぶし用品」でも買い方を分けることが大切です。
紙・文具・収納は100均を活用しやすく、操作性や安全性が重要な機器は価格以外も比較します。
| 用品 | 100均との相性 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| ノート・便箋 | 選びやすい | 文字を書く広さ・紙の見やすさ |
| 筆記具 | 選びやすい | 太さ・重さ・握りやすさ |
| 塗り絵 | 試しやすい | 図柄・線の太さ・難易度 |
| 色鉛筆 | 試しやすい | 本数・握りやすさ・収納 |
| ファイル・ポーチ | 選びやすい | 開閉しやすさ・中身の見やすさ |
| パズル | 内容次第 | 文字・マス・ルール・本人の経験 |
| 電子機器 | 慎重に比較 | 操作性・安全性・病院ルール |

100均のノートなら何でもいい?

罫線の幅、紙の大きさ、本体の重さを確認してください。ベッド上なら大きすぎるノートより、本人が支えやすいサイズの方が使いやすい場合があります。

写真はスマホで見せればアルバムはいらない?

スマホを自分で操作できる人なら問題ありません。操作が苦手な人には、数枚だけ入れた小型アルバムの方が一人でも見やすいことがあります。

100均の商品は途中で買い足しても大丈夫?

その方が無駄を減らせます。最初から大量に持ち込まず、実際に使った物を見ながら追加する方法がおすすめです。
安さだけで選ばない物を知る
100均にはイヤホン、スマホスタンド、充電ケーブルなどもありますが、「販売されているから入院中にも適している」とは限りません。電子機器や周辺用品は、本人の操作性、耐久性、病院の持ち込みルールまで確認する必要があります。特に高齢者本人が一人で使う場合、接続方法やボタン操作が複雑だと、持って行っても使えません。
ラジオを例にすると、価格だけでなく電源の入れ方、選局、音量調整、表示の見やすさ、イヤホン端子、電池方式などを確認します。スマートフォン用イヤホンも、端子が合わなければ使用できません。Bluetoothタイプなら充電とペアリングが必要です。「安い=試しやすい」は利点ですが、「安い=高齢者に簡単」ではありません。
スマホスタンドやタブレットスタンドも、ベッド上では転倒や落下を考える必要があります。本人の手元へ置きやすいか、ナースコールを隠さないか、点滴ラインの邪魔にならないかまで確認します。暇つぶしを快適にする道具が、療養環境を狭くしてしまっては本末転倒です。
「安いイヤホンでも音が聞こえれば十分じゃない?」
本人が問題なく使えるなら十分な場合もあります。ただし、長時間装着する物では耳への当たり方、コード長、音量調整のしやすさも確認してください。聞こえにくいからと音量を大きくし続ける使い方は避け、聴こえ方に不安がある場合は無理をしません。
電子機器を持ち込む場合は病院ごとのルールもあります。電源を使う物、充電器、延長コード、モバイルバッテリーなどは施設によって取り扱いが異なるため、暇つぶし目的でも事前確認が必要です。
100均の電子機器や周辺用品は、値段ではなく本人の操作性・安全性・病院の持ち込み条件まで確認して選びます。

病室の収納と安全を確認する
100均で用品を揃える時に見落としやすいのが、病室へ持って行った後の収納です。自宅では小さく見えるノートや文具も、数が増えれば床頭台の引き出しを使います。そこには眼鏡、ティッシュ、飲み物、薬に関する書類、歯磨き用品など本人が日常的に使う物も置かれます。暇つぶし用品だけで収納を占領しないことが大切です。
高齢者本人が管理する場合は、収納場所を細かく分けすぎない方が使いやすいことがあります。「青いポーチに鉛筆、透明袋に塗り絵、引き出しの奥にパズル」と複雑に分けると、探すだけで疲れます。一つのファイルや一つのポーチへまとめ、本人が見て分かる状態にすると扱いやすくなります。
ベッド上で使う時は、床へ物を落とすことも考えます。鉛筆、消しゴム、色鉛筆など小さな物は転がりやすいため、トレーや小型ポーチへ戻す習慣を作ると紛失を減らせます。ただし、ベッド柵へ袋を大量に掛けるなど、看護や移動を邪魔する収納方法は避けます。
「片づけやすいように収納グッズもたくさん買った方がいいかな。」
収納用品そのものを増やしすぎない方が管理しやすくなります。最初に持ち込む暇つぶし用品が少なければ、大型の収納グッズは必要ありません。本人が自分で開閉できる小さなポーチやファイル一つから始めてください。
家族が面会するたびに、使っていない物を一度持ち帰る方法もあります。「入院中だから全部置いておく」のではなく、病室を本人が生活しやすい状態へ保つことを優先します。
暇つぶし用品は、本人が自分で見つけて使え、使い終わったら戻せる量に絞ります。
| 確認する場面 | 選び方 | 避けたい状態 |
|---|---|---|
| 購入前 | 本人が使う物を決める | 安さだけで大量購入 |
| 病室へ持参 | 少量から試す | 一度に何冊も持ち込む |
| ベッド上 | 小さくまとめる | 道具を広範囲へ広げる |
| 収納 | 一か所へまとめる | 収納場所を細分化する |
| 使用後 | 不要品を持ち帰る | 使わない物を残し続ける |
| 買い足し | 本人の反応を見て追加 | 予備を大量に買う |
100均にない時は代替品を選ぶ
100均だけを探しても、本人に合う塗り絵やパズルが見つからないことがあります。店舗によって品揃えが違い、販売時期も変わるためです。その場合は、「100均で揃える」という手段にこだわらず、書店やAmazon・楽天などで条件に合う商品を探します。少し価格が上がっても、本人が実際に使える物なら、使わない110円商品を何冊も買うより結果的に無駄が少ない場合があります。
代替商品を探す時は、「高齢者向け」という言葉だけではなく、大きな文字、大きなマス、初級、太い線、簡単な塗り絵など本人に必要な条件で絞ります。ナンプレならルールを知っているか、クロスワードなら問題文が読みやすいか、塗り絵なら図柄を本人が気に入るかを見ます。
本や問題集はページ数が多いほど得とは限りません。重くなればベッド上で扱いにくくなり、内容が難しすぎれば使われません。通販で購入する場合も、サイズ、重量、難易度、誌面例を確認し、病室での使い方へ置き換えて比較してください。
「100均で済ませたかったのに、普通の商品を買ったら意味がない気もする。」
100均を使う目的は、必ず110円で済ませることではありません。安く試せる物は100均を活用し、本人の使いやすさに直結する物だけ別の商品を選ぶという組み合わせで構いません。予算を抑えながら必要なところへお金を使う方が合理的です。
100均で条件に合う物がなければ、無理に妥協せず「本人が使えること」を優先して代替商品へ切り替えます。
大きな文字のパズルや大人向け塗り絵など、100均でちょうどよい物が見つからない場合は、Amazon・楽天などでサイズと難易度を確認しながら比較する方法もあります。
使わなければ早めに入れ替える
暇つぶし用品は、病室へ持って行った後の反応を見るところまでが選び方です。買う時には良さそうに見えても、本人が実際には使わないことがあります。その時に「せっかく買ったから使って」と勧め続ける必要はありません。まず、使わない理由が好みなのか、体調なのか、見えにくさなのか、置き場所なのかを確認します。
例えば、塗り絵を使わない原因が「興味がない」のではなく、色鉛筆が引き出しの奥にあって自分で取れないだけということも考えられます。パズルを開かないのも、問題が難しすぎる、字が小さい、眼鏡が遠い場所にあるなど複数の理由があります。本人へ短く聞き、使いにくい条件だけを直してください。
一方で、本人が「もういらない」と話しているなら、家族が継続させる理由はありません。一度持ち帰り、写真を見る、本を読む、ラジオを聞く、家族と話すなど別の過ごし方へ変えられます。入院中は毎日同じ体調ではないため、暇つぶしも固定する必要はありません。
「使わないと、認知機能が落ちないか心配になる。」
特定の塗り絵やパズルをしないことだけで判断する必要はありません。疲れている時に休むことも療養です。反対に、普段は好きな活動をしていた人が急に何もできなくなり、会話、食欲、反応などにも普段との違いがある場合は、暇つぶしの問題として片づけず病棟スタッフへ伝えます。
施設介護の現場でも、高齢者の状態を見る時は一つの行動だけではなく、表情、会話、食事、動作など普段との違いを合わせて確認します。家族だから気づける「いつもと違う」という感覚も、状態確認のきっかけになります。
普段好きだった活動を急にしなくなり、反応や食欲などにも明らかな変化がある場合は、商品を替える前に体調を確認します。
本人が紙の暇つぶしに飽きた場合は、写真、小さなアルバム、趣味の雑誌などへ切り替える方法もあります。高価な物を増やすより、本人の現在の気分へ合わせて少しずつ入れ替える方が続けやすくなります。
100均で選べる物を一通り試した後、本人が特定のパズルや塗り絵を気に入ったなら、より見やすい物や内容が豊富な商品へ移行するのも一つの方法です。

使わなかった100均商品は病室に置いておけばいい?

使う予定がない物は一度持ち帰る方が病室を整理しやすくなります。必要になったら、また持参すれば十分です。

何日くらい使わなかったら持ち帰ればいい?

日数で決める必要はありません。本人が「使わない」と話し、今後も使う予定がなければ持ち帰ります。体調不良で一時的に休んでいる場合はそのままでも構いません。

本人が何もしたくない日も、そのままでいい?

休みたい日なら無理に活動を勧めなくて構いません。ただし普段との明らかな体調変化がある場合は、病棟スタッフへ伝えてください。

100均は本人が使える物だけを少量から選ぶ
入院中の暇つぶしを高齢者向けに100均で揃える場合、最初に見るのは価格ではありません。本人が以前から好きなこと、現在の体調、姿勢、視力、手の動きを確認し、その条件で無理なく使える物を選びます。ノート、便箋、筆記具、色鉛筆、塗り絵、ファイル、写真用の小型アルバムなどは100均を活用しやすい用品ですが、安いからと大量に買う必要はありません。
塗り絵やパズルを選ぶ時も、「高齢者向け」という表示だけで決めず、文字、数字、線、マスの大きさを実際に確認します。100均で条件に合う物がなければ、書店や通販の商品へ切り替えて構いません。110円にこだわって使いにくい物を何冊も買うより、本人が一冊を無理なく使える方が入院中の暇つぶしとして役立ちます。
また、イヤホン、ラジオ、充電ケーブル、スマホ周辺用品などは、値段だけではなく操作性、安全性、病院の持ち込みルールを確認します。同じ100均商品でも、紙や文具と電子機器では見るべき条件が違います。100均ですべてを揃えるのではなく、100均が得意な物だけを利用するという考え方が大切です。
病室へ持ち込む量も一つだけで決めません。本人が使う物、収納できる量、家族が持ち帰れる頻度によって適量は変わります。まず少量を持参し、実際に使うかを確認してから買い足してください。使わない物は早めに持ち帰れば、床頭台やベッド周囲を整理した状態に保てます。
結局のところ、100均を上手に使うポイントは「安くたくさん揃えること」ではなく、「本人が今使える物を安く試せること」です。家族が最初にすることは、買い物かごをいっぱいにすることではありません。本人へ何をしたいか聞き、二つか三つ候補を選び、病室で使えるか確認する。その小さな始め方が、無駄の少ない暇つぶし選びにつながります。
健さんの視点コラム
高齢の親が入院すると、家族は治療や着替えだけでなく、「病室で退屈していないだろうか」ということまで気になります。毎日面会できない家族ほど、何か一人でも楽しめる物を置いておきたいと考えます。そこで100均は便利です。ノートや色鉛筆などを手頃に試せるため、最初の選択肢として利用しやすい場所です。
ただ、家族が「時間があるなら何かしてほしい」と考えていても、本人は違うことがあります。検査や治療で疲れている日には、パズルより眠りたいことがあります。逆に、元気な日は何時間も好きなクロスワードを解くかもしれません。入院中の一日は同じではないため、暇つぶしも毎日同じように使われるとは限りません。
家族ができるのは、本人が使いやすい物を用意し、使いたくなった時に手の届く場所へ置くことです。本人はその日の体調に合わせて選びます。病棟スタッフには、持ち込みルールや安全面で不安がある物だけ確認します。家族がすべてを決めて「今日もこれをやって」と管理する必要はありません。
人生健康第一とは、空いている時間を全部有効に使うことではありません。元気な時には好きなことを楽しみ、疲れている時には休み、本人の生活のペースを守ることも健康を支える一部です。100均の商品は、そのための小さな道具として使えば十分です。
110円の塗り絵でも本人が楽しく使えれば価値があります。反対に、高価な商品でも本人が使わなければ必要ありません。値段ではなく、「今日の本人に合っているか」を見ながら少しずつ入れ替えていくことが、入院生活を無理なく支える現実的な方法です。
介護は、家族だけで抱え続けるものではありません。私たち介護職は、ご本人だけでなく、支えるご家族のためにもいます。
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の介護方針や制度利用を断定するものではありません。介護の方法や利用できる制度、支援内容はご本人の状態や地域の状況によって異なります。具体的な判断については、医療機関、地域包括支援センター、ケアマネジャーなどの専門職へご相談ください。

