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高齢者の入院中におすすめの本|読みやすく疲れにくい選び方

入院中の高齢男性が病室で家族と一緒に本を見ながら、読みやすく疲れにくい本を選んでいる様子 家族と介護サポート

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この記事を書いた人:健さん|元プロアスリート / 元納棺師 / 介護福祉士 / 睡眠栄養指導士 初級(一般社団法人睡眠栄養指導士協会 認定)|「人生健康第一」を伝えるブログメディア運営

高齢の親が入院していると、「テレビばかりでは退屈しそうだから本を持って行こう」「入院中でも読みやすい本を選びたい」と考えることがあります。しかし、普段は読書好きの人でも、入院中は体力が落ちていたり、ベッド上で本を支える姿勢がつらかったり、眼鏡をかけても小さな文字を追い続けるのが疲れたりします。人気の本を選べば喜ばれるとは限らず、本人が実際に読める条件まで見ることが大切です。

私は元プロアスリートとして体と向き合い、納棺師として人の命の終わりを見届け、現在は介護福祉士として日常の健康と生活を支える現場にいます。そんな経験から辿り着いた信念があります。それは人生健康第一です。入院中の読書も、たくさん読んでもらうことより、療養中の本人が無理なく楽しめて、疲れたらすぐ休めることを優先して考える必要があります。

この記事では、高齢者の入院中におすすめの本を選ぶ時に、どこを確認すればよいのかを順番に整理します。普段好きなジャンル、文字サイズ、行間、本の重さ、ページのめくりやすさ、一章の長さ、集中できる時間を確認しながら、短編集やエッセイ、大活字本、趣味本、写真の多い本、雑誌などをどう選び分けるかまで見ていきます。

最初に見る判断軸は「高齢者に人気の本か」ではありません。「本人がもともと読みたい内容か」「今の視力で文字を追えるか」「今の姿勢で本を支えられるか」「10分程度でも区切って読めるか」の4点です。この4つが合っていれば、話題作でなくても入院中のよい一冊になります。反対に、ベストセラーでも文字が細かく、重く、長時間集中しないと話が分からない本なら負担になることがあります。

この記事のポイント

  • 高齢者の入院中に読みやすい本を選ぶ判断軸がわかる
  • 文字サイズ・重さ・集中時間を確認する理由が理解できる
  • 短編集・エッセイ・大活字本などの選び分けがわかる
  • Amazon・楽天で購入する前に見るポイントが理解できる

入院中に読みやすい本の選び方

  • 普段読むジャンルを最優先する
  • 文字サイズと行間を確認する
  • 本の重さと姿勢から選ぶ
  • 集中できる時間に合わせる
  • 大活字本も重さまで確認する

普段読むジャンルを最優先する

高齢者の入院中に本を選ぶ時、最初に確認したいのは年齢ではなく、本人が普段どんな本を読んでいたかです。時代小説を長年読んできた人へ、突然「高齢者向けだから」と健康本や脳トレ本を渡しても、本人が読みたいとは限りません。園芸が好きなら園芸雑誌、鉄道が好きなら鉄道の写真本、歴史が好きなら歴史関連の読み物というように、入院前の興味から探した方が選択肢を絞りやすくなります。

入院すると生活環境が大きく変わります。検査や治療の予定が入り、消灯や食事の時間も自宅とは異なります。身体がつらい日もあれば、比較的ゆっくり過ごせる日もあります。その中で初めて興味を持つジャンルを一から理解するのは負担になることがあります。以前から好きな作家、昔読んだ作品、新聞でよく読む分野など、すでに本人の中に入口がある本なら読み始めるまでの負担を減らせます。

「入院したんだから、前向きになれる本を選んだ方がいい?」

無理に励ます内容を選ぶ必要はありません。病気の時に読みたいものは人によって違います。明るいエッセイを読みたい人もいれば、いつもの推理小説を読みたい人、写真を眺めたい人、病気とはまったく関係のない趣味本を読みたい人もいます。

家族が良かれと思って「元気になる本」「人生を考える本」を選んでも、本人には内容が重く感じられることがあります。特に病気、老い、認知症、死などを強く扱った題名の本は、内容そのものが悪いわけではありませんが、入院見舞いとして渡すなら本人の好みを確認した方がよいでしょう。

おすすめを探す前に、本人が普段読んでいた作家・ジャンル・雑誌を一つ思い出すことが、本選びの出発点です。

分からなければ「小説と雑誌ならどっちがいい?」「時代物とエッセイならどっち?」と二択で本人に聞く方法もあります。家族が全部決めるより、本人が選べる部分を残した方が、実際に手に取る可能性も高くなります。

文字サイズと行間を確認する

本の内容が好みに合っていても、文字が小さければ読み続けることは難しくなります。入院中は照明環境が自宅と違い、ベッド上では本と目の距離も一定になりにくいため、普段読めていた文庫本が急に読みにくく感じられる場合があります。高齢者向けという表示だけを見るのではなく、実際のページを確認し、文字の大きさ、行間、文字と背景の見やすさを比べることが重要です。

一般的な文庫本は文字が小さめで、入院中の高齢者には読みにくく感じることがあります。大活字本は、普通の文庫本より文字を大きくし、行間にもゆとりを持たせて読みやすく作られています。ただし、文字が大きければ誰でも読みやすいとは限りません。本人の視力、眼鏡の状態、病室の明るさによっても見え方は変わります。同じくらいの文字の大きさでも、行間が狭く文字が詰まっている本と、余白があり一行ずつ追いやすい本では疲れ方が違います。

「老眼鏡を持っているから、小さい文字でも大丈夫じゃない?」

眼鏡があっても、それだけで長時間読めるとは限りません。病気や手術後の疲労、薬の影響、睡眠不足などが重なると、文字を追い続けるだけで疲れることがあります。

家族が本を買う場合は、可能なら書店で中身を開いて確認するか、通販の商品ページで判型やページ数を見てください。本人がすでに持っている本なら、一度病室へ持って行き、10分程度読んでみて負担がないかを確認してから追加する方法もあります。

文字が読めるかではなく、数ページ読んだ後も目や頭が疲れすぎないかまで確認すると選びやすくなります。

細かな文字を追うこと自体がつらければ、文字を大きくした本だけでなく、写真中心の本や電子書籍の文字拡大、音声で本を楽しむ方法へ切り替える余地もあります。本を読むことにこだわりすぎず、「内容を楽しめる方法」を探すことが大切です。

本の重さと姿勢から選ぶ

入院中の本選びで見落とされやすいのが、本そのものの重さです。自宅なら机やソファで読める本でも、病室ではベッド上で胸の前に持ち上げたり、片手で支えたりすることがあります。点滴をしている、手術後で動かしにくい、肩や腕の力が落ちているなどの状態では、数百ページの単行本を支え続けることが負担になる場合があります。

ベッドの背を上げて座れる人と、横になって過ごす時間が長い人でも条件は違います。座位を保てるならA5判程度の本でも読める場合がありますが、寝た姿勢では大きな本を胸の上で支えることが難しくなります。片手しか使いにくい場合は、ページを押さえ続けなくてよい本、軽い本、短時間で閉じられる本の方が扱いやすくなります。

「文字が大きい本なら、それだけで入院中には一番よさそう。」

大活字本は有力な選択肢ですが、文字が大きいほど一冊のページ数や判型が増えたり、一つの作品が複数巻に分かれたりすることがあります。文字の見やすさと、持った時の負担は別々に確認してください。

病室へ本を何冊も持ち込む場合は収納も確認が必要です。床頭台やロッカーに入らず、ベッド周辺へ積み上げると、本人が物を取る時やスタッフがケアを行う時の邪魔になる可能性があります。最初から五冊、十冊と持ち込むより、一冊か二冊を試し、読み終わった時に入れ替える方が管理しやすくなります。

ベッド柵、ナースコール、点滴ラインなどを本や荷物でふさがないよう、読みやすさだけでなく置き場所も確認してください。

本を選ぶ段階では、片手で数分持ってみるだけでも判断材料になります。「家で持てるから大丈夫」ではなく、今の体調と病室での姿勢を基準に考えることが重要です。

文庫本なら軽いので、入院中は必ず読みやすいですか?

健さん
健さん

軽さでは選びやすいですが、文庫本は文字が小さい場合があります。重さだけで決めず、本人が実際に文字を読めるかも確認してください。

横になっている時間が長い場合は、読書をやめた方がいいですか?

健さん
健さん

一律にやめる必要はありません。軽い本を短時間読む方法もあります。ただし、首や腕がつらい場合や治療上の姿勢制限がある場合は、無理に読まず病棟スタッフへ確認してください。

本は何冊くらい病室へ持って行けばいいですか?

健さん
健さん

最初は一冊か二冊でも十分です。収納場所と本人が実際に読むペースを確認し、面会時に読み終えた本と入れ替える方が病室を整理しやすくなります。

入院中の高齢男性が病室でパズルを楽しみ、家族がそばで見守る中、ラジオや眼鏡などの暇つぶし用品が置かれている様子

集中できる時間に合わせる

入院中は、長い時間があるように見えても、実際には何時間も続けて読書できるとは限りません。検温、食事、点滴、診察、リハビリ、検査などで一日が細かく区切られることがあります。病気そのものの疲労もあるため、普段なら一時間読める人でも、入院中は10分ほどで集中が切れることがあります。

そのため、長編小説だけでなく、一話が短い短編集、一章ごとに内容が区切られたエッセイ、見開き単位で楽しめる写真本や趣味本なども候補になります。途中で閉じても次にどこから再開すればよいか分かりやすい本なら、検査や食事で中断されても負担になりにくくなります。

「入院中は時間があるんだから、長編小説を一冊渡せばちょうどよさそう。」

長編小説が好きで、今も集中して読める人なら問題ありません。ただし、時間があることと集中力が続くことは別です。治療中は眠気や疲れで内容が頭に入りにくいこともあります。

家族が「せっかく買ったのだから読んでほしい」と考えると、本を開かないことが気になるかもしれません。しかし、その日は体調が悪いだけかもしれません。読む量や読了を目標にせず、手元に置いておき、本人が読みたい時に数ページ読める状態にしておく程度でも十分です。

入院中のおすすめは「長く読める本」より、「短い時間でも楽しめて、いつでも閉じられる本」と考えると選択肢が広がります。

特に差し入れとして選ぶ場合は、家族が読むペースを決めないことが重要です。昨日読めたから今日も読めるとは限らず、今日は一日休みたいという状態もあります。本は暇を埋める義務ではなく、本人が選べる過ごし方の一つとして置いておきます。

大活字本も重さまで確認する

視力が落ちて小さな文字が読みにくい場合、大活字本は有力な選択肢です。大活字本は文字を単純に拡大しただけではなく、文字サイズや行間などを読みやすく調整しているものがあります。埼玉福祉会の大活字本シリーズでは、一般的な文庫本より大きな文字を使い、行間にも配慮した本が刊行されています。大活字本の特徴や現在の刊行情報は、埼玉福祉会の大活字本シリーズ公式ページで確認できます。

ただし、大活字化すると同じ文章量でもページ数が増えたり、一作品が上巻・下巻などへ分かれたりする場合があります。普通の文庫本より大きな判型になることもあるため、「文字が大きいから入院向き」と一つの条件だけで決めると、今度は本を持つ負担が増える可能性があります。

本人が弱視でなくても、入院中だけ小さな文字がつらくなることはあります。普段使っている眼鏡を持参できているか、照明の下で実際に文字を読めるか、ページをめくれるかを確認し、大活字本が必要かどうかを判断してください。

大活字本は「高齢者だから使う本」ではなく、現在の見え方に合わせて読書方法を調整する選択肢の一つです。

親の入院中に本だけでなく、介護、退院後の暮らし、家族の役割まで心配になっている場合は、健さんのこちらの記事も参考にしてください。親の入院中に家族が考えておきたいこと

入院中におすすめの本を選び分ける

  • 短編集やエッセイを選ぶ
  • 趣味本や写真本も候補にする
  • 本の種類を負担から比べる
  • 現在販売中の本も好みで選ぶ
  • Amazon・楽天で購入前に確認する
  • 本を読めない日の選択肢も残す

親の介護で迷ったときに役立つ情報を、これからも分かりやすく発信していきます。

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短編集やエッセイを選ぶ

入院中の読書では、短編集やエッセイのように一つの話が比較的短く完結する本が使いやすい場合があります。検査前に少し読む、昼食後に数ページ読む、消灯前に一編だけ読むという使い方ができるため、長時間の集中を前提にしなくて済みます。物語の途中で何日も空いてしまっても、内容を最初から思い出さなければならない負担が少ない点もあります。

ただし「短い本なら何でもよい」という意味ではありません。ユーモアのあるエッセイを好む人、旅の文章が好きな人、昭和の暮らしを振り返る話が好きな人では選ぶ本が変わります。普段好きな作家がいるなら、その作家の短編集やエッセイ集から探す方法が分かりやすいでしょう。

「家族が面白かった本を持って行けば、親も楽しめるかな。」

候補にはできますが、家族の好みと本人の好みは分けて考えてください。家族が感動した本でも、本人が興味を持たなければ病室で開かないことがあります。

入院見舞いとして本を渡すなら、「これ面白かったから絶対読んで」ではなく、「読みたい時にどうぞ」くらいの距離が適しています。体調が良くない時には、内容が難しい本だけでなく、感情を大きく揺さぶる本を読むこと自体が疲れる場合もあります。

短編集やエッセイは、短時間で区切れることと本人の好みが重なる時に、入院中の候補として使いやすくなります。

逆に、本人が長編時代小説を読むこと自体を楽しみにしているなら、短編集へ変える必要はありません。入院向けという一般論より、本人にとって自然な読書習慣を優先します。

趣味本や写真本も候補にする

小説を最初から最後まで読むことだけが読書ではありません。鉄道、旅行、園芸、料理、歴史、城、車、スポーツ、動物など、本人が好きなテーマの写真本や趣味本なら、文章を全部読まなくてもページをめくりながら楽しめます。文章を追い続けることが疲れる人でも、写真を見て興味のある説明だけ読む方法なら負担を調整しやすくなります。

昔旅行した場所の写真、好きだった鉄道路線、育てていた花、応援していたスポーツなどは、本人の生活歴とつながることがあります。家族が面会している時に一緒にページを見ることもできるため、一人で読むためだけの本ではなく、会話のきっかけとして使える場合もあります。

写真本を選ぶ場合も、大型で重い本には注意してください。美しい写真集ほど判型が大きく重量があることがあります。病室では机に置いたまま読めるのか、本人が一人で持つ必要があるのかによって向き不向きが変わります。

入院中の高齢女性を家族が囲み、写真アルバムや手紙を見せながら穏やかに会話している様子

本の種類を負担から比べる

高齢者の入院中に本を選ぶ時は、「何が一番おすすめか」を一つに決めるより、本の種類ごとの特徴を本人の状態へ当てはめる方が失敗を減らせます。文字、重さ、区切りやすさ、写真量などを見ると、同じ読書でも必要な負担が違うことが分かります。

本の種類 向きやすい人 確認したい点
文庫本 小さい文字を読めて軽さを優先したい人 文字サイズと行間
短編集 短時間ずつ読みたい人 一話の長さと好み
エッセイ 区切りながら気軽に読みたい人 内容が本人に合うか
大活字本 小さい文字が読みにくい人 判型・重量・巻数
趣味本 好きなテーマがはっきりしている人 情報量と写真の見やすさ
写真本 長文を追うのが疲れる人 大きさと重さ
雑誌 短い記事を選んで読みたい人 文字の細かさと厚さ

本人が何を読みたいか分からない時は、どれを選べばいいですか?

健さん
健さん

以前読んでいた雑誌や、テレビでよく見る番組、趣味から探してみてください。それでも分からなければ、一冊だけ選ぶより本人へ二つ程度の候補を見せて選んでもらう方法があります。

大活字本は普通の書店でも買えますか?

健さん
健さん

作品によって購入方法や在庫状況が異なります。出版社の刊行情報、書店、通販サイトを確認してください。図書館で借りられる場合もあるので、購入だけに絞る必要はありません。

認知症がある親には簡単な本を選んだ方がいいですか?

健さん
健さん

認知症という理由だけで簡単な内容へ変える必要はありません。本人が以前から好きだった作家、写真、趣味など、なじみのある内容を優先し、理解できるかを試しながら調整します。

現在販売中の本も好みで選ぶ

具体的な本を選ぶ時も、「70代だからこの本」「80代だからこの本」という年齢だけの決め方は避けます。現在販売されている本の中にも、短時間で読みやすいエッセイ、短編集、大活字本、写真や趣味を中心にした本など多くの選択肢がありますが、入院中の本人に合うかどうかは、人気や新しさだけでは判断できません。

たとえば、短い文章やユーモアのあるエッセイを普段から好んでいる人なら、同じ作家のエッセイ集が候補になります。反対に、題名に「老い」「認知症」「病気」「死」など強い言葉が入っている本は、内容が悪いという意味ではありませんが、入院中の本人へ年齢だけを理由に突然渡すと、気持ちに合わないことがあります。本人がその作家やテーマをもともと好んでいるかを先に確認した方が安心です。

「売れている本なら、失敗しにくいんじゃない?」

売れていることと、今の本人に読みやすいことは別です。ベストセラーでも興味のない内容なら手に取りませんし、読みたい内容でも文字が小さく、本が重ければ長く読むのがつらくなることがあります。

反対に、新刊でなくても、昔から好きだった作家の本や、何度か読んだことのある一冊の方が落ち着いて楽しめる場合があります。入院中だから新しい本を用意しなければならないわけではありません。自宅の本棚にお気に入りが残っているなら、まずそれを一冊持って行って反応を見る方法もあります。

老い・認知症・病気・死を強く扱う本は、年齢だけを理由に入院見舞いとして選ばず、本人の好みや現在の気持ちを確認してください。

現在販売されている本をAmazonや楽天で探す場合は、本人が好きな作家名やジャンル名に「短編集」「エッセイ」「大活字」などを加えて探すと候補を絞りやすくなります。そのうえで、判型、ページ数、文字の見やすさ、本の重さ、途中で区切って読めるかを確認します。


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購入前に実物条件を確認する

Amazonや楽天などの通販は、自宅から本を探せるため便利ですが、表紙だけを見て購入すると文字サイズや重量が分からないことがあります。商品ページでは判型、ページ数、紙の本か電子書籍か、シリーズ物なら何巻構成かを確認します。レビューに「読みやすい」と書かれていても、読みやすさは視力や好みに左右されるため、それだけを基準にしない方が安全です。

特に大活字本は、一作品が複数巻に分かれていることがあります。一巻だけ購入して完結するのか、上巻・下巻が必要なのかを確認してください。また、一冊の価格だけを見ると普通の文庫本より高くなる場合があります。入院期間が短いなら購入せず、地域の図書館で大活字本を探す方法もあります。

「せっかくなら何冊かまとめ買いしておいた方が楽だよね。」

最初からまとめ買いする必要はありません。本人が入院前と同じペースで読めるとは限らないからです。一冊試して、文字、重さ、内容が合っていることを確認してから増やした方が無駄を減らせます。

また、紙の本だけでなく電子書籍も候補になります。文字サイズを変えられる点は便利ですが、本人が端末を操作できることが前提です。スマートフォンやタブレットの充電、病院の電気製品ルール、端末の重さなど新しい確認事項も増えるため、紙より必ず便利とは限りません。

購入方法より先に、本人が一人で開く・読む・閉じるところまでできるかを確認すると、病室で実際に使える本を選びやすくなります。

入院中の暇つぶし全体を本以外も含めて比べたい方は、健さんのこちらの記事もご覧ください。高齢者の入院中の暇つぶし|70代・80代の男女別の選び方

入院中の高齢女性が病室で塗り絵を楽しみ、家族がそばで見守る中、クロスワードやナンプレもテーブルに並べている様子

買う前の確認項目を整理する

候補が二冊、三冊まで絞れたら、最後は本人が病室で使う場面を想像して比べます。書評や人気順位は参考になりますが、入院中という条件では、読み始めるまでの負担、途中で休めること、収納しやすさも重要です。家族が「面白そう」と感じた本より、本人が一人で扱える本を優先します。

特に通販では実物を持てないため、ページ数が非常に多い本、大型判、複数巻構成の作品は慎重に確認します。一方、薄い本でも文字が極端に小さければ向きません。軽さと見やすさは別条件として確認してください。

確認項目 見るポイント 合わない時の代替
内容 普段好きな作家・ジャンルか 別ジャンルに無理に変えない
文字 数ページ続けて読めるか 大活字本・電子書籍
重さ 今の姿勢で支えられるか 軽い本・雑誌
長さ 短時間で区切れるか 短編集・エッセイ
操作 一人でページをめくれるか 写真本・音声読書
収納 床頭台やロッカーへ入るか 冊数を減らして交換
価格 入院期間に対して無理がないか 図書館利用も検討

この確認をすると、「高齢者向けランキング1位だから」という選び方から、「この人が今読めるか」という選び方へ変えられます。家族が購入する時には、本人へ本の表紙を見せたり、作家名を伝えたりしながら選んでもらう方法もあります。

Amazon・楽天などで候補を探す場合も、いきなり大量購入せず、一冊試してから追加する方が本人の負担と家族の出費を抑えやすくなります。


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読めない日の選択肢も残す

本を選んでも、入院中ずっと読めるとは限りません。検査が続いた日、夜眠れなかった日、食欲が落ちている日、痛みがある日などは、本を開く気力がないことがあります。家族がせっかく用意した本を読んでいなくても、それだけで「暇つぶし選びに失敗した」と考える必要はありません。

介護の現場でも、高齢者の状態は日によって変わります。普段は会話ができ、食事も取れている人でも、その日の体調によって反応が鈍くなったり、活動する気力が落ちたりすることがあります。読書量だけを見て「元気がない」「認知機能が落ちた」と判断せず、食事、睡眠、表情、会話、動作など普段との違いを合わせて見ます。

「何もしないと弱ってしまいそうだから、少しでも読ませた方がいいんじゃない?」

療養中は休息も必要です。本を読むことを課題にしないでください。本人が何かしたい時に選べるようにしておくことと、毎日必ず読ませることは違います。

目が疲れる日は家族写真を見る、音を聞けるならラジオや音声を利用する、家族が来ている時だけ短く会話するなど、本以外の過ごし方もあります。何もしたくない日は休むという選択も残します。

急に本を読まなくなっただけでなく、反応が鈍い、会話がおかしい、食事が取れないなど普段と明らかに違う変化がある場合は、暇つぶしの問題と決めつけず病棟スタッフへ伝えてください。

読書は入院生活を少し楽しむための一つの選択肢です。本人が本を読みたい時には読みやすい環境を整え、疲れている時には休める状態を残しておくことが、無理のない支え方につながります。

せっかく買った本を読んでくれない時は、別の本へ変えた方がいいですか?

健さん
健さん

すぐに買い直す必要はありません。体調が悪くて読めないのか、文字が見にくいのか、内容に興味がないのかを分けて確認してから次を選びます。

本を読むとすぐ眠ってしまう場合は、読ませない方がいいですか?

健さん
健さん

疲れて眠くなるなら、読書時間を短くして休めば構いません。ただし、普段と違う強い眠気や反応低下がある場合は本の問題だけと考えず、病棟スタッフへ伝えてください。

退院が近い場合でも本を買う意味はありますか?

健さん
健さん

退院後も本人が読みたい本なら購入して構いません。入院中だけの暇つぶしとして必要なら、手元の本や図書館を利用する方法と比較してもよいでしょう。

入院中の高齢女性が病室で塗り絵やパズルを楽しみ、男性と女性の家族がそばで見守る中、ノートや色鉛筆などの暇つぶし用品がテーブルに並んでいる様子

高齢者の入院中の本は本人基準で選ぶ

高齢者の入院中におすすめの本を選ぶ時は、世間の人気ランキングから始めるのではなく、本人が普段どんな本を読んでいたのかを最初に確認します。そのうえで、現在の視力、文字サイズ、行間、本の重さ、ページのめくりやすさ、読書姿勢、集中できる時間を一つずつ見ます。年齢が同じでも読書習慣や身体状態は違うため、「70代向け」「80代向け」という表示だけでは判断できません。

長編小説を普段から楽しんでいる人なら、入院したからといって急に簡単な本へ変える必要はありません。一方、治療や検査で疲れて集中が続かない場合は、短編集、エッセイ、写真の多い趣味本、雑誌などへ一時的に変える方法があります。小さい文字が読みづらければ大活字本も候補になりますが、判型や重量、分冊数まで確認し、文字の大きさだけで決めないことが重要です。

Amazonや楽天で本を探す場合も、ランキングやレビューだけではなく、判型、ページ数、シリーズ構成、紙か電子書籍かを確認してください。新刊だから適しているとも限りません。本人が昔から好きだった作家の本や、自宅にある読み慣れた一冊が最も落ち着いて読めることもあります。入院期間が短い場合や大活字本を試したい場合は、購入以外に図書館を利用する選択肢もあります。

そして、本を読まない日があっても問題ありません。入院中は日によって体調が変わり、読書より休息が必要な日もあります。本は本人を退屈させないための義務ではなく、「読みたい時に使える選択肢」の一つです。家族が用意した本を読んでいなくても、すぐに別の本を買い足すのではなく、体調、見え方、重さ、内容のどこが合わないのかを確認してから次を考えます。

結局見るべきなのは、高齢者一般に人気の本ではなく、目の前の本人が今の病室で無理なく扱える一冊かどうかです。好きな内容であること、読める文字であること、支えられる重さであること、短時間でも楽しめること。この条件を確認し、一冊から試して必要に応じて入れ替える方法なら、病室へ物を増やしすぎず、本人の体調変化にも合わせやすくなります。

健さんの視点コラム

高齢の親が入院すると、家族は治療や退院後の生活だけでなく、病室でどう過ごしているかも気になります。面会へ行った時にテレビがついているだけだったり、横になっている時間が長かったりすると、「何か楽しめる物を持って行った方がいいのでは」と考えるのは自然なことです。その候補として、本は充電も音も必要なく、一人の時間に使える身近な物です。

一方で、家族が「退屈させたくない」と考えるほど、知らないうちに本人へ活動を求めてしまうことがあります。読書好きだった親が本を開かなければ心配になりますが、入院中は自宅とは身体状態も環境も違います。読む元気がない日もあれば、同室者や病棟の物音で集中できない日もあります。以前できていたことを、入院後も同じように続けられるとは限りません。

施設介護の現場でも、普段との違いを見ることは大切です。高齢者の状態は一つの行動だけでは判断できません。食事、会話、表情、睡眠、歩行、動作などを合わせて見ます。本を読まないという一場面だけで「意欲が落ちた」と決めつけるのではなく、その日の体調や生活全体を見ることが必要です。反対に、読書だけでなく食事や会話まで急に変わった場合は、周囲へ伝えるべき変化かもしれません。

人生健康第一とは、元気でいるために何かを毎日頑張り続けることではありません。治療中なら治療を優先し、疲れているなら休み、少し余裕がある時に本人が好きなことを楽しめるようにする考え方です。本を読むことも、読まないことも、本人のその日の状態に合わせて選べることが大切です。

家族ができる支え方は、大量の本を用意することではありません。「これなら読めそう?」と本人へ聞き、一冊試してみる。重ければ軽い物へ変える。文字が小さければ大活字本を探す。今日は読みたくないと言えば置いておく。その小さな調整を続ける方が、入院中の本人に合った時間を作りやすくなります。

介護は、家族だけで抱え続けるものではありません。私たち介護職は、ご本人だけでなく、支えるご家族のためにもいます。

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の介護方針や制度利用を断定するものではありません。介護の方法や利用できる制度、支援内容はご本人の状態や地域の状況によって異なります。具体的な判断については、医療機関、地域包括支援センター、ケアマネジャーなどの専門職へご相談ください。

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