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親の市役所などの外出に付き添えない時の支援サービスと準備

高齢の母と家族、支援スタッフが市役所の入口付近で書類を確認しながら外出手続きについて相談している様子 家族と介護サポート

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この記事を書いた人:健さん|元プロアスリート / 元納棺師 / 介護福祉士 / 睡眠栄養指導士 初級(一般社団法人睡眠栄養指導士協会 認定)|「人生健康第一」を伝えるブログメディア運営

親が市役所や銀行などへ行かなければならないのに、一人で出かけるのは心配。でも仕事や子育てがあり、平日に家族が毎回付き添うのは難しいことがあります。「役所まで送ればいいのか」「窓口の手続き中も誰か必要なのか」「荷物を持てないだけなら何を頼めばよいのか」と、買い物や通院以外の外出では支援方法が分かりにくいものです。

私は元プロアスリートとして体と向き合い、納棺師として人の命の終わりを見届け、現在は介護福祉士として日常の健康と生活を支える現場にいます。そんな経験から辿り着いた信念があります。それは人生健康第一です。親の外出でも、本人に必要な用事を続けながら、家族が仕事や生活を削り続けない支え方を考えることが大切です。

この記事では、まず市役所などへ本人が本当に行く必要があるのかを確認し、そのうえで外出を「準備・移動・歩行・荷物・待ち時間・手続き・帰宅」に分けて考えます。家族以外へ付き添いを頼める方法、介護保険と保険外サービスの違い、料金を見る時の注意点まで順番に整理します。

最初に見るのは「どこへ行くか」だけではありません。本人が一人でできない工程がどこなのか、家族ができる部分はどこなのか、そもそも代理・郵送・オンライン手続きへ替えられないかを確認してください。ここを分けるだけで、必要以上に親を外出させたり、家族が一日付き添ったりする負担を減らしやすくなります。

この記事のポイント

  • 親の買い物以外の付き添いで最初に確認することがわかる
  • 市役所などへの外出を工程ごとに分ける理由が理解できる
  • 家族以外へ付き添いを頼む方法と費用の見方がわかる
  • 代理・オンライン手続きと外出支援の使い分けが理解できる

市役所などへ付き添えない時の確認

  • 本人が行く必要があるか確認する
  • 外出を七つの工程に分ける
  • 歩行と荷物の負担を確認する
  • 待ち時間と手続きを分ける
  • 家族ができる範囲を決める

本人が行く必要があるか確認する

市役所へ行く予定ができた時、最初から「誰が付き添うか」を考える必要はありません。先に確認したいのは、その手続きが本人の来庁を必要とするものなのかどうかです。行政手続きには、本人が窓口へ行くものだけでなく、代理人による申請、委任状を使った手続き、郵送、オンライン申請などが利用できる場合があります。

同じ市役所の手続きでも条件は一律ではありません。転出届のようにオンラインで進められるものがある一方、オンラインで手続きを始めても別の場面で来庁が必要になるものがあります。代理人を立てられる手続きでも、委任状や本人確認書類などが必要になる場合があります。用件名を曖昧なまま「市役所へ行かなければ」と決めないことが重要です。

マイナポータルでは行政手続きの検索や一部オンライン申請ができます。具体的に何がオンラインでできるのかを確認したい場合は、政府広報オンラインのマイナポータル行政手続き案内も確認できます。ただし、利用できる手続きや方法は自治体や手続き内容によって異なるため、最終的には本人の住所地の自治体へ確認してください。

「親が市役所へ行くと言っているなら、連れて行くしかないですよね?」

いいえ。まず「何のために行くのか」を聞き、その手続きに本人来庁が必要か確認してください。本人が窓口へ行かなくても済むなら、付き添いそのものをなくせる可能性があります。

例えば家族が代理で提出できるなら、本人の歩行や待ち時間を心配する必要がなくなります。郵送で済むなら家族も仕事を休まずに済むかもしれません。逆に本人確認や本人の意思確認が必要なら、そこで初めて「どう安全に外出するか」を考えればよいのです。

付き添う人を探す前に、本人が本当に外出する必要のある手続きかを確認することが第一歩です。

市役所へ電話する時は、「○○の手続きをしたい」「本人は高齢で一人での外出が難しい」「家族が平日に付き添えない」と具体的に伝え、本人来庁の必要性、代理の可否、委任状、必要書類、郵送・オンライン対応を確認すると話が早くなります。

外出を七つの工程に分ける

本人の外出が必要だと分かったら、次は「市役所まで連れて行く」という一つの作業として考えないことが大切です。高齢の親の外出には、自宅で準備する、玄関を出る、車や公共交通機関へ乗る、目的地まで移動する、建物内を歩く、待つ、手続きをする、帰宅するといった複数の工程があります。

困っている場所が違えば、必要な支援も違います。玄関の段差だけ危ない親と、市役所内でも車いすが必要な親では支援内容が変わります。移動は一人でできても、番号札を取った後に長時間待つことや、複数の窓口を移動することが難しい場合もあります。書類の意味を理解できても、重い荷物や杖を同時に持てない人もいます。

外出を整理する時は、少なくとも「外出準備」「玄関から交通手段まで」「移動」「目的地内の歩行」「荷物」「待ち時間」「手続き・帰宅」に分けてみてください。全部を他人へ頼む必要があるのか、一部だけでよいのかが見えやすくなります。

「送迎だけ頼めば済むと思っていました。」

送迎だけで済む人もいますが、車を降りた後に支援が必要なら、それだけでは足りません。目的地で誰が付き添うのかまで確認する必要があります。

逆に、役所の中では一人で手続きできる親なら、玄関から市役所入口までの移動だけ支援してもらう方法も考えられます。家族かサービスかの二択ではなく、必要な工程だけ外へ任せる考え方です。

外出支援は「どこへ行くか」より「どの工程で何ができないか」を整理すると選びやすくなります。

以前の記事では買い物場面を中心に、移動・荷物・店内同行などを分けています。買い物でも同じ負担が出ている場合は、親の買い物に付き添えない時の負担を減らす方法も合わせて確認できます。

歩行と荷物の負担を確認する

市役所のような外出では、手続きそのものより歩行と荷物で疲れてしまうことがあります。自宅では問題なく歩いていても、玄関の段差、駐車場から建物までの距離、エレベーターまでの移動、長い廊下などが重なると負担は大きくなります。杖を使っている人が書類の入った鞄を持てば、片手がふさがり歩きにくくなることもあります。

家族が確認したいのは「歩ける・歩けない」だけではありません。普段どのくらい連続して歩けるか、途中で休めるか、階段や段差はどうか、杖や歩行器を使うか、手荷物を持った状態でも安定しているか、帰宅後に強い疲労が出ないかまで見ます。建物まで行けても、帰りに疲れて動けなくなるなら支援量を増やす必要があります。

「役所に着いてしまえば、あとは何とかなるでしょうか?」

建物に着いた後の移動まで確認してください。市役所や銀行などは、入口から目的の窓口まで距離がある場合があります。

複数の窓口を回る手続きでは、歩行距離だけでなく立ったまま書類を書く、番号を呼ばれたら移動する、荷物を持ちながら席を立つといった動作も増えます。車いすを借りられる施設もありますが、貸し出しの有無や場所を事前に確認しておく方が安心です。

普段自宅内を歩けることだけで、長時間の外出を一人で安全にこなせるとは判断しないようにします。

外出当日は普段より反応が鈍い、食欲がない、ふらつく、歩き方が明らかに違うなどの変化にも注意します。予定を優先して無理に出かけるより、体調に合わせて延期や別の手続き方法を確認した方がよい場面もあります。

歩ける親でも外出支援を頼んでいいですか?

健さん
健さん

頼めます。歩行できても、荷物、長距離移動、手続き、待ち時間、道順の確認など別の支援が必要な場合があります。

杖を使っているだけなら普通のタクシーで大丈夫ですか?

健さん
健さん

自力で安全に乗降でき、目的地でも一人で動けるなら普通のタクシーで足りる場合があります。乗降や車いす介助まで必要なら対応できる車両やサービスを確認してください。

外出当日に親の体調が悪そうならキャンセルした方がいいですか?

健さん
健さん

普段と明らかに違うふらつきや反応低下などがあれば、用事を優先せず体調確認を先にします。予約した支援サービスのキャンセル条件も事前に確認しておきましょう。

高齢の男性が杖を使って玄関の段差を下り、女性がそばで付き添っている様子

待ち時間と手続きを分ける

市役所などへの付き添いで見落としやすいのが、移動よりも現地で過ごす時間です。行き帰りが合計30分でも、窓口で1時間待てば付き添う人の拘束時間は大きく伸びます。複数の書類を提出したり、別の階へ移動したりすれば、さらに時間がかかります。自費サービスを時間単位で利用する場合、この待ち時間も料金に関わる可能性があります。

また、「付き添い」と「手続きの代理」は別です。支援スタッフが親と一緒に窓口へ行けても、本人に代わって署名したり、本人の意思を決めたりできるとは限りません。本人確認や個人情報を扱う手続きでは、第三者がどこまで関われるかを自治体とサービス事業者の両方へ確認する必要があります。

「スタッフに全部任せれば、窓口の手続きまでやってくれるんですよね?」

そこは分けて考えてください。移動や見守りを頼めても、行政手続きそのものを本人の代わりに行えるとは限りません。

予約時には「市役所へ付き添ってほしい」だけでなく、「窓口まで同行してほしい」「待ち時間も一緒にいてほしい」「書類を持つのを手伝ってほしい」「家族へ終了報告してほしい」など、依頼したい行動を具体的に伝えます。逆に、署名、代理申請、本人確認などは自治体側の条件を先に確認しておきます。

移動支援と行政手続きの代理は同じものではないため、事業者へ頼める範囲と自治体の手続き条件を別々に確認します。

必要書類が足りず再来庁になると、親にも家族にも支援者にも負担が増えます。本人確認書類、マイナンバーカード、印鑑、委任状、申請書、予約番号など、その用件で必要な物を前日までに一つにまとめておくと、外出時間を短くしやすくなります。

家族ができる範囲を決める

親の外出支援を考えるとき、「家族が全部付き添う」か「全部サービスへ任せる」かの二択にする必要はありません。家族が書類準備だけ行い、当日の外出は支援者へ任せる。行きだけ家族が送り、帰りはタクシーにする。月に一度の重要な手続きだけ家族が同行し、それ以外は代理やオンラインに切り替える方法もあります。

家族側の予定も支援条件の一つです。平日は仕事を休めない、午前中だけなら対応できる、車は出せるが長時間待てない、遠方なので当日は行けないなど、できない事情を無視して支援計画を作ると長続きしません。親の希望だけでなく、家族が継続できる範囲も具体的に決めます。

「近くに住んでいる自分がやるしかない気がします。」

近くに住んでいることと、毎回付き添えることは同じではありません。家族以外でもできる部分を切り分けて構いません。

例えば遠方のきょうだいが行政手続きの必要書類を調べ、近くの家族が書類を渡し、当日は外出支援を使うという分担もできます。費用だけ遠方家族が担当する方法もあります。付き添いの回数だけで公平さを考えず、連絡、調査、予約、費用負担なども役割として分けると負担が見えやすくなります。

家族が担当する部分と外部へ任せる部分を先に決めると、付き添えない日があっても外出を続けやすくなります。

買い物、通院、役所手続きが重なって家族の外出支援そのものが増えてきた時は、場面ごとに別々に考えず、生活全体の支援量を見直すことも必要です。公開済みの親の通院に付き添えない時の対策と代行サービスでも、家族以外へ付き添いを頼む考え方を整理しています。

家族以外へ外出付き添いを頼む方法

  • 介護保険で使える支援を確認する
  • 保険外サービスを検討する
  • 料金は一回の総額で比べる
  • 依頼前に介助範囲を伝える
  • 外出当日の準備を整える

親の介護で迷ったときに役立つ情報を、これからも分かりやすく発信していきます。

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介護保険で使える支援を確認する

高齢の親が市役所などへ行く時、介護保険サービスを利用できる場合があります。ただし、「高齢だから」「要介護認定を受けているから」というだけで、希望する外出すべてに訪問介護を使えるわけではありません。本人の日常生活上の必要性、要介護状態、ケアプランへの位置付け、利用目的などによって扱いが変わります。

通院等乗降介助などでは、官公署への届出など日常生活・社会生活上必要な外出が対象として扱われる例があります。一方、同じ市役所への外出でも、本人の状況や利用する訪問介護事業所、必要な介助内容によって対応方法は変わります。「市役所なら介護保険が使える」と目的地だけで判断しないことが大切です。

すでに担当ケアマネジャーがいる場合は、「市役所へ行きたい」だけでなく、玄関からの移動、車への乗降、現地歩行、待ち時間、手続き中の見守りのうち何が必要かを伝えて相談します。介護認定を受けていない場合や相談先が分からない場合は、地域包括支援センターや自治体の高齢者相談窓口へ確認する方法があります。

「介護保険を使えば、市役所の中までずっと付き添ってもらえますか?」

一律には言えません。どこまで介護保険で対応できるかは、必要な介助内容やケアプランなどを確認する必要があります。

介護保険で対応できない待機や見守りが残る場合は、自費サービスを組み合わせることも考えられます。最初から全額自費と決めるのではなく、保険内で使える部分、本人ができる部分、家族ができる部分、保険外で補う部分に分けてください。

介護保険を使えるかどうかは外出先の名称だけで決めず、本人に必要な介助とケアプランを基準に確認します。

介護保険の制度運用には地域差や個別条件があります。全国向けの記事で特定自治体の運用だけを基準にせず、実際の利用時には担当ケアマネジャーや市区町村へ確認してください。

保険外サービスを検討する

介護保険では対応しにくい外出や、家族の都合に合わせた柔軟な支援が必要な場合は、介護保険外の自費サービスがあります。保険外サービスは原則として全額自己負担ですが、利用目的を比較的柔軟に設定でき、外出の付き添い、移動、見守り、荷物、公共交通機関の利用などを相談できる事業者があります。

具体例としてイチロウでは、2026年9月確認時点で、近所の散歩や買い物だけでなく、役所や銀行などへの外出付き添いを案内しています。電車、バス、タクシーを使った移動の支援も案内されており、介護コースのライトプランは9時~18時が1時間3,740円(税込)から、18時~翌9時が4,488円(税込)から、1回2時間から利用できます。

提供地域は東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、愛知県、大阪府、兵庫県、京都府と案内されています。ただし同じ都府県内でも対応地域が限定される場合があるため、住所単位で確認してください。最新の料金や対象地域はイチロウ公式の外出付き添いサービスで確認できます。

「市役所へ行くためだけに自費サービスを使うのは大げさでは?」

必要な支援が家族では確保できないなら、大げさではありません。ただし、まず代理・郵送・オンラインで外出を省けないか確認してから利用する方が無駄は減ります。

一回の外出だけなら家族が対応できる場合もあります。反対に、役所、銀行、買い物、通院などが重なり、家族が平日の休みを取り続けているなら、一部だけでも外部へ移すことで生活を維持しやすくなります。

保険外サービスは家族の代わりをすべて任せるものではなく、家族が対応できない工程だけを補う使い方もできます。

利用する場合は、料金だけでなく、身体介助、車いす、トイレ、認知症への対応、家族への報告方法、当日の延長、キャンセル規定まで確認してから予約します。

24時間365日対応可能|オーダーメイド介護サービス【イチロウ】

方法 向いている状況 確認すること
家族が同行 重要な手続きや本人説明が必要 仕事・家庭との両立
代理手続き 本人来庁が不要 委任状・本人確認書類
郵送・オンライン 来庁せず進められる 対象手続き・完結条件
一般タクシー 乗降と現地移動を自力でできる 現地での付き添い有無
介護保険サービス 制度上必要な外出と介助 ケアプラン・対象条件
保険外外出支援 見守りや長時間同行も必要 料金・介助範囲・対応地域

要介護認定を受けていなくても保険外サービスは利用できますか?

健さん
健さん

介護認定がなくても利用できる自費サービスはあります。事業者ごとの利用条件を確認してください。

市役所で予定より長く待ったら追加料金になりますか?

健さん
健さん

時間制サービスでは延長分が料金に反映される場合があります。延長単位と料金、終了予定を超えた時の扱いを予約時に確認してください。

付き添いスタッフに家族への報告も頼めますか?

健さん
健さん

対応できる事業者があります。何を、いつ、電話・メール・レポートのどの方法で報告してもらうかを事前に決めてください。

料金は一回の総額で比べる

保険外サービスを比べる時は、「1時間いくら」だけを見ないようにします。実際の支払いは、基本時間料金、最低利用時間、スタッフ交通費、本人とスタッフの移動費、延長料金、早朝・夜間料金、休日料金、当日予約料金、キャンセル料などを組み合わせる場合があります。タクシー等を別に使えば、その運賃も必要です。

例えば1時間3,740円と表示されていても、最低利用が2時間なら基本部分だけで7,480円です。さらに交通費が加わります。市役所の待ち時間が長くなって30分や1時間延長すれば総額は変わります。そのため「安い時間単価」ではなく、玄関を出る前から帰宅まで何時間頼むのかを想定して見積もる必要があります。

「2時間くらいなら、表示されている料金を2倍すればいいですよね?」

基本料金の目安にはなりますが、それだけで総額とは限りません。交通費や延長、予約条件なども合わせて確認してください。

特に行政手続きは終了時刻を正確に読みにくいことがあります。予約制窓口でも前の利用者の手続きが長引くことがありますし、書類不備で別の窓口へ移る場合もあります。余裕を持った時間で予約するのか、延長が可能なのか、家族へ連絡して判断するのかを決めておくと対応しやすくなります。

外出支援の料金は時間単価ではなく、必要な介助と交通費を含めた一回の総額で比較します。

反対に、本人が一人で手続きでき、送迎だけでよいなら長時間の介護付き添いを契約する必要はありません。普通のタクシーや家族の送迎で十分な場合もあります。必要な支援量を先に整理することが、費用を抑えることにもつながります。

高齢の男性と家族が自宅で女性スタッフと資料を見ながら支援サービスについて相談している様子

依頼前に介助範囲を伝える

外出支援を予約する時は、「80代の父を市役所へ連れて行ってほしい」だけでは情報が足りません。同じ80代でも、自分でタクシーへ乗れて書類を読める人と、玄関から介助が必要で、現地では車いすを使い、トイレにも付き添いが必要な人では準備が大きく違います。

事前に伝えたいのは、屋内と屋外の歩行、杖・歩行器・車いすの使用、玄関の段差、車への乗降、連続して歩ける距離、トイレ介助、認知症や見当識の状態、服薬時間、外出中の水分、家族への連絡先などです。転倒歴がある場合は、いつどこで転倒したかも伝えておくと支援方法を検討しやすくなります。

さらに「市役所で何をしてもらうか」を明確にします。入口までの送迎だけなのか、窓口まで同行するのか、番号を呼ばれるまで見守るのか、トイレも介助するのか、帰宅して室内へ入るところまで支援するのかで利用時間が変わります。

「細かいことまで説明するのは面倒ですね。」

最初は手間でも、ここを具体的にした方が当日の食い違いを減らせます。必要な支援が伝わっていなければ、現場で対応できないこともあります。

例えば「歩けます」とだけ伝えていても、実際には玄関に三段の階段があり、片手で手すりを持たないと降りられないなら重要な情報です。「トイレは自分でできます」でも、立ち上がり時だけ支えが必要ならその部分を伝えます。できることと難しいことを両方伝える方が、必要以上の介助にもなりにくくなります。

身体介助が必要な場合は、予約後ではなく依頼前に本人の状態を具体的に伝え、事業者が対応できるか確認してください。

本人の希望も忘れないようにします。「手を引かれるのは嫌」「杖は自分で持ちたい」「窓口の説明は自分で聞きたい」など、できることまで他人へ任せると本人の不満につながります。安全を守りながら、本人が自分でできる部分は残す考え方が必要です。

確認項目 伝える内容 判断が変わる点
歩行 杖・歩行器・距離 同行方法や車両
玄関 段差・階段・手すり 出発時の介助
荷物 鞄・書類を持てるか 付き添いの必要性
排泄 トイレ介助の有無 スタッフ対応範囲
認知機能 道順・待機・説明理解 見守り量
待ち時間 予定時間・延長可能性 総額料金
家族連絡 終了報告・緊急連絡 情報共有方法

外出当日の準備を整える

外出支援を手配しても、当日の準備が整っていなければ時間を失います。市役所などへ行く時は、必要書類、本人確認書類、マイナンバーカード、印鑑、委任状、受付予約の控えなど、その手続きで必要な物を前日までに一つのバッグへまとめます。何が必要か分からない場合は自治体へ確認します。

本人の生活面では、杖、歩行器、眼鏡、補聴器、飲み物、必要な薬、失禁用品、羽織る物などを確認します。長い待ち時間が予想される場合は、服薬時間やトイレのタイミングも考えておきます。夏場や冬場は建物の外で待つ可能性がないかも確認してください。

家族が当日同行しないなら、緊急連絡先と終了後の連絡方法も決めます。窓口で「家族へ確認してください」と言われた場合に誰へ電話するのか、書類が不足していたらその日は帰宅するのか、追加書類を家族が届けるのかなど、支援スタッフだけでは決められない場面を想定しておきます。

「準備さえしておけば、あとは支援者へ全部任せても大丈夫ですか?」

当日の介助は任せられても、本人に代わって家族しか判断できないことまで任せられるとは限りません。連絡が必要になった時の役割は残しておきましょう。

外出後には、無事に帰宅したかだけでなく、どの場面で困ったかを確認します。市役所内の距離が思ったより長かった、待ち時間に疲れた、書類の説明が分かりにくかった、荷物を一人で持てなかったなどが分かれば、次回の支援量を調整できます。

一度使った方法を固定せず、外出後に困った工程を確認して次回の支援内容を調整します。

親の状態も家族の状況も変わります。今は送迎だけで足りても、半年後には建物内の付き添いまで必要になることがあります。反対に、行政手続きをオンラインへ変更できれば外出回数を減らせることもあります。必要な支援を定期的に見直すことが、本人の外出を長く続けるための準備になります。

親が窓口で説明を理解できるか心配な場合はどうすればいいですか?

健さん
健さん

本人の同意を前提に、家族への電話確認が可能か、支援者が同席できるかなどを自治体と事業者へ事前に相談してください。

一度外出支援を使ったら毎回同じ内容で頼んだ方がいいですか?

健さん
健さん

固定する必要はありません。本人の歩行や認知機能、外出先、家族が対応できる時間が変われば支援内容も見直します。

家族が全く同行できなくても外出を続けられますか?

健さん
健さん

本人の状態と用件によりますが、代理手続き、交通手段、外出付き添いなどを組み合わせられる場合があります。家族が行けないことを前提に支援方法を組み立ててください。

元気な高齢の父と家族が自宅のテーブルで書類や薬、ノートを確認しながら、介護やお金、緊急時の準備について話し合っている様子

市役所などへの外出支援を無理なく続けるために

親の市役所などの外出に付き添えない時は、最初から家族の代わりを探すのではなく、その外出自体が必要かを確認することから始めます。代理、郵送、オンラインで済む手続きなら、本人を長時間移動させる必要はありません。本人来庁が必要な場合に初めて、どの工程へ支援が必要かを整理します。

見るべきなのは「市役所へ行けるか」だけではありません。玄関の段差、車への乗降、屋外歩行、建物内の移動、荷物、待ち時間、トイレ、手続き内容の理解、帰宅時の疲労までを一続きに確認します。一人でできる部分が残っているなら、そこまで他人へ任せる必要はありません。難しい部分だけ補う方法で十分なこともあります。

家族が同行できない時は、一般タクシー、介護保険サービス、保険外の外出支援などを、本人の状態に合わせて選びます。自費サービスでは時間料金だけでなく、最低利用時間、交通費、延長、キャンセル条件まで含めた総額を見ます。また、移動の付き添いと行政手続きの代理は別なので、支援スタッフにどこまで頼めるかを事業者と自治体の双方へ確認することが必要です。

親の外出が増えてきた時に、家族が仕事を休み続けることだけが支援ではありません。必要書類の準備は家族、当日の移動は支援者、手続き後の確認は家族というように分けることもできます。まず次の外出予定を一つ選び、「本人が行く必要があるか」「どこで支援が必要か」「家族ができることは何か」を書き出し、その部分だけを自治体、ケアマネジャー、地域包括支援センター、民間サービスへ相談してみてください。

健さんの視点コラム

市役所へ行く、銀行へ行く、書類を出す。若い時には短い用事だったことが、高齢になると一日がかりになることがあります。玄関を出るだけでも時間がかかり、移動して、歩いて、待って、説明を聞いて、また帰ってくる。その一つ一つに少しずつ負担が加わるからです。家族側も、平日の仕事を休んで付き添えば、それが一回では済まないことがあります。

一方で、本人にとっては「自分の用事は自分で済ませたい」という気持ちもあります。家族が心配だからと何でも代わりに行えば、本人ができることまで減らしてしまう場合があります。反対に「まだ歩けるから大丈夫」と一人で任せ続ければ、荷物、段差、長い待ち時間など別の負担を見落とすことがあります。

そこで大切なのは、家族・本人・専門職・民間サービスのどれか一つへ全部を押しつけないことです。本人ができる手続きは本人が行い、家族は書類だけ確認する。移動が難しい部分は支援者へ頼む。介護保険で対応できるか分からなければケアマネジャーへ相談する。役割を小さく分ければ、本人の生活も家族の生活も守りやすくなります。

人生健康第一とは、家族が無理をして何でも引き受けることではありません。親に必要な外出を残しながら、疲労や転倒の危険を減らし、家族も仕事や家庭を続けられる形へ整えていくことです。外出をやめるか、家族が全部付き添うか、その二つだけで考える必要はありません。

市役所への一回の付き添いを見直すことが、今後の買い物、通院、美容院、墓参りなど別の外出支援を考えるきっかけにもなります。親がどこへ行きたいかだけでなく、そこで何に困るのかを見る。その困る部分だけを支える方法を探すことが、本人らしい生活を残しながら無理なく支える現実的な方法です。

介護は、家族だけで抱え続けるものではありません。私たち介護職は、ご本人だけでなく、支えるご家族のためにもいます。

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の介護方針や制度利用を断定するものではありません。介護の方法や利用できる制度、支援内容はご本人の状態や地域の状況によって異なります。具体的な判断については、医療機関、地域包括支援センター、ケアマネジャーなどの専門職へご相談ください。

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