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この記事を書いた人:健さん|元プロアスリート / 元納棺師 / 介護福祉士 / 睡眠栄養指導士 初級(一般社団法人睡眠栄養指導士協会 認定)|「人生健康第一」を伝えるブログメディア運営
親が一人で買い物へ行くのが難しくなり、「自分が付き添わなければ」と思っていても、仕事や自分の家庭があれば毎回同行するのは簡単ではありません。歩き方が不安定になってきた親に、杖や歩行器を用意すればよいのか、タクシーや付き添いサービスへ切り替えた方がよいのかも迷うところです。
私は元プロアスリートとして体と向き合い、納棺師として人の命の終わりを見届け、現在は介護福祉士として日常の健康と生活を支える現場にいます。そんな経験から辿り着いた信念があります。それは人生健康第一です。親の外出を支える時も、本人の生活だけでなく、付き添う家族の生活まで続けられる方法を考えることが大切です。
この記事では、まず親の歩行が以前とどう変わったのかを確認し、杖や歩行器などを考える前に受診を優先した方がよい変化を分けます。そのうえで、買い物や通院を続けるために使える福祉用具、タクシー、移動支援、家族以外の付き添いを、役割ごとに整理していきます。
最初から「もう一人では外出させられない」と決める必要はありません。反対に、転びそうなのに「まだ歩けるから大丈夫」と続ける必要もありません。まずは、今の親がどこまで安全にできて、どこから支えが必要になっているのかを確認してみましょう。
この記事のポイント
- 親の歩き方で最初に確認する変化がわかる
- 杖や歩行器を購入する前の考え方が理解できる
- 買い物や通院で使える移動・付き添い方法がわかる
- 家族が毎回付き添わない支援の組み合わせ方が理解できる
親の歩行と外出で最初に確認すること
- 急に歩き方が変わった時は用品だけで済ませない
- 転倒が増えた時は歩く場面を分けて見る
- 買い物へ行けても帰宅まで確認する
- 杖が必要かは歩行状態だけで決めない
- 外出を止める前に難しい部分を分ける
急に歩き方が変わったら受診を考える
「最近、足元がおぼつかなくなったから杖を買おうかな」と家族としては、まず転ばないための道具を考えるかもしれません。ただ、昨日までは普通に歩いていた親が急にふらつく、立っていられない、片側の手足に力が入りにくい、ろれつが回らないといった変化がある場合は、杖を選ぶことより原因の確認が先です。
急に歩けなくなった、急に強くふらつくといった変化は、年齢や筋力低下だけと決めつけず、医療的な急変がないかを先に確認してください。
特に突然の顔のゆがみ、片側の手足の脱力、ろれつの異常、意識がおかしい、急に立っていられないといった症状は、診療科や福祉用具を考える前に救急対応を優先する症状です。明らかな緊急症状がある場合は119番を優先します。
私も高齢者を見る時には、歩けるかどうかだけではなく、普段と比べた表情、返事、会話、食欲、動作の違いを見ています。普段できていたことが急にできなくなった時は、「高齢だから」で終わらせず、いつから変わったのかを確認することが大切です。
一方で、数か月かけて少しずつ歩幅が小さくなった、長い距離を歩くと疲れるようになった、方向転換で不安定になるといった変化なら、急変とは分けて考えられます。その場合は、かかりつけ医やケアマネジャー、リハビリ職、福祉用具専門相談員などへ相談しながら、道具と生活環境を合わせて考えていきます。
転倒が増えたら歩く場面を分けて見る
親が何度も転ぶようになると、「もう一人で歩かせない方がいいのでは」と考えやすくなります。ただ、転んだという結果だけでは、何を変えればよいのか分かりません。玄関の段差でつまずくのか、方向転換した時にふらつくのか、スーパーから重い袋を持って帰る時なのか、夜中にトイレへ行く時なのか、立ち上がった直後なのか。それぞれ必要な対策が違います。
普段は立位や歩行が安定している高齢者でも、その日の体調、床の滑りやすさ、湿り、足元の引っかかりなど、複数の条件が重なることで転倒する場合があります。「あの日だけ転んだ」なら、その場面に原因がなかったかを確認します。
「この1か月で何度も転んでいる」なら、場面だけではなく身体状態そのものも確認する必要があります。転倒対策は「転ばないよう注意して」と本人へ任せるのではなく、どこで・何をしている時に転ぶのかを分けることから始めます。
靴が合っているか、床に滑りやすい場所がないか、玄関や廊下に手をつける場所があるか、買い物袋が重くないかも見てください。歩く力だけではなく、本人が歩いている環境まで見ると、杖だけで解決できるのか、別の対策が必要なのかが分かりやすくなります。
すでに転倒している場合は、直後に歩けたから大丈夫とも限りません。痛みが続く、腫れがある、転倒後から歩き方や反応が変わった場合は、医療機関への相談も考えてください。

買い物は帰宅するまで確認する
親がスーパーまで一人で行けていると、「まだ買い物はできている」と判断したくなります。でも、買い物は店まで歩くだけではありません。家を出る、道路を歩く、店内を移動する、商品を選ぶ、支払いをする、荷物を持つ、そして家まで戻る。玄関を上がって、買ってきた物を冷蔵庫などへ片づけるところまで続きます。
「スーパーには行けているよ」と言われても、帰宅するとぐったりしている、途中で何度も休んでいる、重い袋を両手に持つと足元がふらつく、以前より買い物へ行く回数そのものが減っている。こうした変化があれば、店へ行けるかだけでは判断できません。
特に荷物を持つと、何も持たずに歩く時とは身体のバランスが変わります。雨の日や暗い時間、段差のある道、横断歩道を急いで渡る場面が加われば、さらに条件は変わります。
親が買い物中に転びそうな場面や重い荷物への対策を詳しく確認したい場合は、親の買い物が危ない時の対策と重い荷物と転倒を防ぐ安全な方法も合わせて確認してください。
買い物の安全は「店まで行けるか」ではなく、外出してから荷物を持って無事に帰宅するまでを一つの動作として確認します。
ここまで見てみると、「歩くこと自体はできるけれど重い荷物が難しい」「近所なら歩けるけれど病院までは無理」のように、困っている部分が見えてきます。そこまで分かれば、すべてを家族が付き添う必要があるのかも判断しやすくなります。

親が歩けるなら一人で買い物へ行かせても大丈夫ですか?

歩けることだけでは判断できません。店までの距離、道路や段差、荷物を持った状態、帰宅後の疲れ、転倒歴などを合わせて確認してください。

転倒が一度でもあったら一人で外出させない方がいいですか?

一度の転倒だけで一律に外出を止めるのではなく、転倒した場所や原因、現在の歩行状態を確認します。ただし、転倒を繰り返している場合や急に歩行が変わった場合は、医療・介護の専門職へ相談することも必要です。

親が「大丈夫」と言えば本人に任せてもいいですか?

本人の意思は大切ですが、それだけで安全を判断する必要はありません。家族が確認した歩き方、転倒、疲れ方、食事や体調などの具体的な変化も一緒に見てください。
杖が必要かは歩行状態だけで決めない
親の歩き方が不安定になると、最初に思いつきやすい福祉用具が杖です。「杖があれば転ばなくなるかな」と考える家族もいるでしょう。確かに杖は歩行を補助する道具ですが、持たせれば必ず安全になるわけではありません。
長さが合っていない、左右どちらで使うのか本人が分からない、持ち方が安定しないといった状態では、かえって使いにくくなることもあります。さらに、支えが少しあれば歩ける人と、両手で支えながら歩いた方が安定する人では、適した道具が違います。
外では安定しているけれど家の中だけ不安なのか、家の中は歩けるけれど長距離になると疲れるのかでも選び方は変わります。介護保険では、歩行補助つえや歩行器などが福祉用具の対象になっています。
一部の杖や歩行器、固定用スロープについては貸与と販売の選択制もあり、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員から説明を受けながら選ぶ仕組みがあります。
つまり、「ネットで評判の良い杖を買えばいい」という話ではありません。
杖や歩行器は、本人の身体状態だけでなく、家の中・玄関・道路・買い物先など実際に使う環境まで合わせて選ぶことが大切です。
要介護認定を受けている場合は、ケアマネジャーへ相談すると福祉用具専門相談員につないでもらえる場合があります。まだ介護保険を利用していない場合でも、歩行の変化が生活に影響し始めているなら、地域包括支援センターなどへ相談する方法があります。
市販品を購入する場合も、価格だけで決めず、本人が実際に安全に使えるかを優先してください。
外出を止める前に難しい部分を分ける
「もう一人で買い物へ行くのは危ないから、これから全部こちらで買ってくるよ」と、安全を考えればそう言いたくなる場面もあります。ただ、親にとって買い物は、食品を手に入れるだけの作業とは限りません。
店まで歩くこと、人と会うこと、商品を自分で選ぶこと、お金を払うことが生活の一部になっている場合があります。そこで、「一人で全部できるか」「全部家族がやるか」の二択にしないことが大切です。
たとえば、店まではタクシーを使う、店内だけ付き添ってもらう、重い物だけ配送を使う、近所の買い物だけ本人が行き、大型店は家族と行く。こうすれば、本人ができる部分を残しながら危険な部分だけ減らせます。
反対に、歩くだけで転びそう、道に迷う、支払いが難しくなった、外出すると帰宅できないといった問題が複数重なっているなら、単にタクシーへ変えるだけでは解決できません。現在の生活全体を確認し、介護サービスや見守りも含めた支援へつなげる必要があります。
親の買い物に家族が付き添えない時に使える方法を、買い物そのものの支援から整理したい場合は、家族が付き添えない時に使える介護保険外サービスも確認してみてください。
家族が付き添えない時の支援を選ぶ
- タクシーと付き添いは役割が違う
- 買い物と通院で必要な支援を分ける
- 杖・歩行器・介護靴をどう選ぶか
- 自宅の転倒対策も一緒に考える
- 家族が続けられる支援量を決める
親の介護で迷ったときに役立つ情報を、これからも分かりやすく発信していきます。
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タクシーと付き添いは役割が違う
親が一人で歩いて病院やスーパーへ行けなくなると、「これからはタクシーを使えばいい」と考えることがあります。ここで確認したいのは、困っているのが移動だけなのかという点です。
自宅の玄関から一人で出られる、タクシーへ一人で乗れる、行き先を伝えられる、降車後も一人で病院受付や買い物ができる。この状態なら、一般のタクシーで移動部分だけ補える可能性があります。
ところが、玄関から車まで支えが必要、車への乗り降りが難しい、病院で受付や診察室まで付き添ってほしい、買い物中も一人では不安という場合は、車を用意するだけでは足りません。「タクシーを呼べば全部解決すると思っていたけど、降りた後はどうするんだろう?」と考えた時に必要なのが、移動と付き添いを分けて考えることです。
一般タクシー、介護タクシー、自治体の移送支援、介護保険サービス、介護保険外の付き添いサービスなどは、それぞれ対象や料金、できることが異なります。介護タクシーという名称だけで、すべての利用が介護保険の対象になるわけでもありません。
「介護タクシーなら介護保険で何でも頼める」と決めず、乗降介助・院内付き添い・待ち時間・買い物同行など、必要な支援がどこまで含まれるかを事前に確認してください。
親の移動を考える時は、「家から目的地まで」ではなく、家を出るところから用事を終えて帰宅するまでのどこに支援が必要かを確認すると選びやすくなります。
買い物と通院で必要な支援を分ける
買い物と通院は、どちらも「外出」ですが、必要な支援は同じではありません。買い物では、店内を歩く、商品を選ぶ、荷物を持つ、支払いをすることがあります。
通院では、予約時間を覚える、診察券や保険証を持つ、受付をする、医師へ状態を伝える、会計や薬の受け取りをするといった別の行動が必要です。そのため、「一人で外出できない」とひとまとめにせず、どの行動が難しいのかを分けてください。
| 外出場面 | 本人ができる場合 | 支援を考えたい状態 | 主な選択肢 |
|---|---|---|---|
| 近所への買い物 | 歩行・会計・帰宅まで安定 | 荷物でふらつく | 配送、買い物カート、家族支援 |
| 遠い店への買い物 | 店内では自立 | 距離だけが負担 | 一般タクシー、送迎 |
| 買い物同行 | 商品は本人が選べる | 店内移動や荷物が不安 | 家族、保険外付き添い |
| 通院 | 受付・診察が一人で可能 | 移動だけが難しい | タクシー、移送支援 |
| 通院同行 | 状況説明や手続きが難しい | 院内でも支援が必要 | 家族、付き添いサービス |
| 車への乗降 | 一人で安全に乗れる | 乗降介助が必要 | 対応可能な移送サービス等 |
タクシーを使えば、家族が車を出す必要はなくなります。しかし、親が病院の予約日を忘れる、目的地を説明できない、買い物中に転倒する危険があるなら、移動手段だけ変えても困りごとは残ります。
反対に、本人が目的地では自立していて移動距離だけが問題なら、毎回家族が最初から最後まで同行する必要はないかもしれません。

親がタクシーを一人で呼べない場合はどうすればよいですか?

家族が予約する方法や、地域で利用できる配車・移送サービスを確認する方法があります。ただし、乗車後や目的地到着後にも支援が必要なら、タクシーだけでは足りないため付き添いまで含めて考えてください。

介護タクシーと一般タクシーはどちらを選べばよいですか?

名称だけでは判断できません。本人が一人で乗降できるか、車いすを使うか、乗降介助が必要か、院内など目的地での付き添いも必要かを整理し、それぞれの事業者へ対応範囲と料金を確認してください。

墓参りなど通院や買い物以外にも付き添いを頼めますか?

保険外サービスなどでは対応できる場合がありますが、サービスごとに対象となる外出、地域、時間、料金が異なります。墓参りや趣味の外出など介護保険の給付範囲に収まりにくい目的では、保険外サービスの対応内容を確認してください。

杖・歩行器・介護靴をどう選ぶか
外出の方法を変えると同時に、本人の歩行を補う福祉用具を検討する場面もあります。ここで大切なのは、「杖より歩行器の方が安全」「高い介護靴なら転ばない」と単純に決めないことです。
杖は片手で支えを得ながら歩く道具です。歩行器や歩行車はより広い支持を得られるものがありますが、本人が操作できなければ使いにくくなります。
介護靴も、履きやすさ、足へのフィット、滑りにくさ、着脱のしやすさなどを本人の状態に合わせて見る必要があります。
| 道具・対策 | 向いている場面 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 杖 | 少し支えがあると歩きやすい | 長さ、持つ側、使い方 |
| 歩行器・歩行車 | より広い支えが必要 | 操作、ブレーキ、屋内外の環境 |
| 介護靴 | 靴の着脱や足元に不安 | サイズ、足形、滑りにくさ |
| 手すり | 立ち上がりや段差 | 設置位置、本人の動線 |
| スロープ | 段差移動 | 高さ、傾斜、設置場所 |
| 住宅改修 | 自宅内の転倒対策 | 手すり、段差、床、扉など |
介護保険の福祉用具貸与では、本人の心身の状態や希望、生活環境を踏まえて、用具の選定や取り付け、調整を行う仕組みがあります。歩行器や歩行補助つえも対象品目に含まれています。介護サービス情報公表システムの福祉用具貸与案内
2024年4月からは、固定用スロープ、一部の歩行器、単点杖・多点杖などについて、介護保険の貸与と販売を選択できる仕組みも導入されています。対象になる用具や利用条件は、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員へ確認してください。
介護保険を利用できる福祉用具は、本人の状態や要介護度、用具の種類によって扱いが異なるため、購入する前に制度対象になるか確認する価値があります。
一方で、介護靴など市販の商品を自分で購入する場面もあります。ネット通販なら選択肢は多いですが、本人の足に合わない物を価格だけで選ばないようにしてください。
自宅の転倒対策も一緒に考える
親が外で転ぶようになると、外出対策ばかり考えがちです。しかし、玄関を出る前にふらついているなら、家の中にも同じ問題があるかもしれません。ベッドから立ち上がる、トイレへ歩く、玄関で靴を履く、段差を下りる。こうした毎日の動きの中で、つかまる場所がない、床が滑る、敷物に足が引っかかるといった条件が重なることがあります。
介護保険では、手すりの取り付け、段差の解消、滑り防止や移動を円滑にするための床材変更、扉の取り替え、便器の取り替えなどが住宅改修の対象になる場合があります。施工前の手続きが必要になるため、「工事してから介護保険を使おう」と考えず、ケアマネジャーや自治体へ先に確認してください。厚生労働省の福祉用具・住宅改修情報
トイレまで歩くことが大きな負担になっている場合には、動線の見直しや手すりだけでなく、本人の状態によっては腰掛便座などの福祉用具を検討することもあります。ただし、ポータブルトイレを置けば問題が解決するとは限りません。本人が安全に移乗できるか、清潔を保てるか、夜間に一人で使えるかなど、使用する場面まで確認する必要があります。
外出だけを安全にしても、自宅内で何度も転んでいては生活全体の危険は残ります。親の歩行が不安定になった時は、外出用の道具だけでなく、寝室・廊下・トイレ・玄関まで一続きの動線として確認してください。
家族が続けられる支援量を決める
最後に考えたいのが、家族がどこまで付き添うかです。親の状態が変わると、最初は家族が何とかすることが多いです。休日に買い物へ連れて行く、病院の日は仕事を休む、雨の日は車を出す、転びそうだから外出のたびに付き添う。一回ならできても、それが毎週、毎月と続くと話が変わります。
「自分がやった方が早い」と思って家族が全部引き受けているうちに、それが家庭の標準になってしまうことがあります。ここで、親に何が必要なのかと同時に、「家族が無理なく続けられるのはどこまでか」も決めてください。
たとえば、月1回の受診だけは家族が同行する、日常の買い物は配送を使う、本人が商品を選びたい時だけ付き添いサービスを使う、近所への移動はタクシーを利用する。このように役割を分ければ、家族が毎回すべてを担当する必要はありません。
介護保険で対応できる内容もあれば、自治体の移動支援、一般タクシー、介護タクシー、保険外サービスなどで補える部分もあります。地域によって利用条件が違うため、ケアマネジャーや地域包括支援センターへ「親の買い物や通院に毎回付き添えない」と、そのまま相談して構いません。
本人が、自分で商品を選びたい、病院へ行きたい、墓参りへ行きたいという希望を持っていても、家族の予定が合わないことはあります。そうした時に、家族以外へ外出同行を頼める方法を持っておけば、「家族が行けない日は外出できない」という状態を減らせます。
介護保険の範囲だけでは対応しにくい外出や、時間・目的を柔軟に設定したい場合には、介護保険外の付き添いサービスを確認する方法があります。
イチロウのような保険外サービスも、家族が毎回同行できない部分を補う選択肢の一つとして、対応地域や料金、依頼できる内容を確認して比較してください。
家族が付き添えないこと自体を問題にするのではなく、本人に必要な支援を誰が担当すれば生活を続けられるかに置き換えて考えることが大切です。

福祉用具を使えば家族の付き添いは不要になりますか?

福祉用具は歩行や移動を補うためのものなので、付き添いが必要かどうかは別に判断します。道迷い、転倒、手続き、支払い、乗降など別の困りごとが残る場合は、人による支援も必要です。

要介護認定を受けていないと相談できませんか?

地域包括支援センターなどには認定前から相談できます。歩行や買い物、通院が難しくなり始めた段階で、今後利用できる制度や地域の支援を確認しておく方法があります。

家族が仕事で付き添えない場合、保険外サービスを使ってもいいですか?

選択肢の一つです。介護保険で対応できる部分、本人や家族でできる部分、保険外で補いたい部分を分け、料金や対応範囲を確認して利用してください。

親の買い物に付き添えない時は支援を組み合わせる
親の歩行や外出が難しくなってきた時に、家族が最初から「もう一人で外へ出してはいけない」と決める必要はありません。一方で、何度も転んでいる、急に歩けなくなった、強くふらつくといった変化を「年齢のせい」と考え、杖や介護靴だけで済ませるのも避けたいところです。
最初に確認するのは、以前と比べて何が変わったのかです。急な変化なのか、数か月かけて徐々に変わったのか。何も持たなければ歩けるのか、荷物を持つと不安定になるのか。
家の中なのか、買い物なのか、通院なのか。困っている場面を分けると必要な支援が見えやすくなります。杖、歩行器、介護靴、手すりなどは、歩行や生活を支えるための選択肢です。ただし、本人の状態と使う環境が合っていることが前提になります。
介護保険の福祉用具を使える可能性がある場合には、購入前にケアマネジャーや福祉用具専門相談員へ相談することで、貸与や販売を含めた選択肢を確認できます。買い物や通院についても、一般タクシー、介護タクシー、自治体の移送支援、介護サービス、保険外付き添いなど、それぞれ役割が違います。
移動だけ補えばよいのか、玄関から乗車まで支えが必要なのか、買い物中や院内まで付き添いが必要なのかを先に整理してください。家族が毎回同行できないからといって、親の外出そのものを諦める必要もありません。逆に、家族が無理をしてすべてを引き受け続ける必要もありません。本人ができる部分は残し、危険な部分や難しくなった部分だけを、福祉用具、移動手段、人による支援へ分けていく方法があります。
一つだけで解決しようとせず、「歩く」「移動する」「用事を済ませる」「帰宅する」という一連の流れの中で、どこを補えば安全に続けられるのかを確認してください。そこまで分かれば、親の生活を守りながら家族の負担を増やし過ぎない形へ近づけていけます。
健さんの視点コラム
親の外出を支える場面で難しいのは、「まだできる」と「もう危ない」の間に、かなり広い期間があることです。昨日まで一人でスーパーへ行けていた親が、ある日突然すべてできなくなるとは限りません。最初は重い物を持つのがつらくなる。遠い店へ行かなくなる。雨の日は外出を控える。歩く途中で休むようになる。こうした小さな変化が少しずつ重なることがあります。
本人には「まだ自分で買い物くらいできる」という思いがあり、家族には「転んだらどうするんだ」という心配があります。どちらかだけを正解にすると、本人の生活を狭めすぎたり、反対に危険を見過ごしたりすることがあります。
そこで、外出を一つの行動として考えず、どこまで本人ができて、どこから支援が必要なのかを分けてみます。玄関までは一人で歩ける。タクシーにも乗れる。スーパーでは自分で商品を選べる。ただし、重い荷物を持って帰るのは難しい。この場合、買い物そのものをやめるのではなく、移動や荷物だけを補う方法が考えられます。
一方で、歩行は安定していても、会計で何度も戸惑う、帰り道が分からなくなるといった変化があれば、杖や歩行器だけでは困りごとは解決しません。歩く力、移動距離、買い物中の行動、帰宅までの安全を分けて確認することで、必要な支援が見えやすくなります。
人生健康第一とは、本人の安全だけを理由にできることまで取り上げることでも、家族が無理をしてすべて付き添い続けることでもありません。本人の状態、家族が使える時間や体力、付き添いが必要な頻度、利用できる費用を分け、誰がどこを担当すれば今の生活を続けられるのかを考えることです。
月に一度の通院なら家族が付き添える。でも毎週の買い物までは難しい。そうであれば、買い物だけ別の方法へ変えることもできます。重い物は配送にする、移動だけタクシーを使う、本人が店へ行きたい日は付き添いを頼む、自宅内は手すりや福祉用具で補うなど、一つの方法へすべてを任せる必要はありません。
支援の方法は一度決めたら終わりでもありません。今は杖で歩けても、親の状態が変われば必要な支えも変わります。家族側も仕事や家庭の状況によって、今までできていた付き添いを続けられなくなることがあります。その時は、本人や家族のどちらかに無理を重ねるのではなく、支援の分担を組み直せばよいのです。
「付き添えないから外出させられない」と考える前に、「付き添えない日は、どこを誰に頼めば外出を続けられるか」と考えてみてください。本人ができることを残しながら、家族だけに負担を集中させない形を作ることが、親の生活と家族の生活の両方を守ることにつながります。
介護は、家族だけで抱え続けるものではありません。私たち介護職は、ご本人だけでなく、支えるご家族のためにもいます。
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の介護方針や制度利用を断定するものではありません。介護の方法や利用できる制度、支援内容はご本人の状態や地域の状況によって異なります。具体的な判断については、医療機関、地域包括支援センター、ケアマネジャーなどの専門職へご相談ください。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
親の介護で困ったときに『まずここを見れば分かる』と思ってもらえる記事を、これからも増やしていきます。
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