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この記事を書いた人:健さん|元プロアスリート / 元納棺師 / 介護福祉士 / 睡眠栄養指導士 初級(一般社団法人睡眠栄養指導士協会 認定)|「人生健康第一」を伝えるブログメディア運営
高齢の親が入院すると、「テレビだけでは退屈しそうだから、スマホやタブレットで動画を見られるようにしてあげたい」と考えることがあります。しかし、端末と動画アプリを用意しただけでは、病室ですぐに使えるとは限りません。病院のWi-Fiが使えるのか、動画視聴が許可されているのか、携帯電話回線を使う場合に通信量は足りるのか、イヤホンや充電器を持ち込めるのかなど、入院前に確認したいことがいくつもあります。
私は元プロアスリートとして体と向き合い、納棺師として人の命の終わりを見届け、現在は介護福祉士として日常の健康と生活を支える現場にいます。そんな経験から辿り着いた信念があります。それは人生健康第一です。入院中の動画も、単なる暇つぶしとして考えるより、本人が無理なく楽しめて、家族も毎回設定をやり直さずに済む生活環境の一つとして考えることが大切です。
この記事では、高齢者が入院中に動画を見る前に確認したい病院Wi-Fi、スマートフォンの通信量、イヤホン、充電環境を整理したうえで、スマホ操作が苦手な親でも使いやすくする設定方法を順番に見ていきます。さらに、Wi-Fiとモバイル通信の違い、動画を見すぎて通信容量を消費しないための考え方、タブレット周辺用品を選ぶ時の確認点まで整理します。
最初に見る判断軸は「動画サービスを何にするか」ではありません。まず、入院先の病棟で何が使えるのかを確認し、その次に本人が一人で再生・停止・音量調整までできるかを見ます。病院側の条件と本人の操作能力の両方がそろって初めて、動画が実際に使える暇つぶしになります。
この記事のポイント
- 病院Wi-Fiを確認する時に見る項目がわかる
- 動画視聴と通信量の関係が理解できる
- 高齢者が扱いやすい設定と周辺用品がわかる
- 入院前に家族が準備する順番が理解できる
入院中に動画を見る前の確認点
- 病院Wi-Fiの有無だけで決めない
- 通信量は画質と時間で変わる
- イヤホンと充電ルールも確認する
病院Wi-Fiの有無だけで決めない
高齢者が入院中に動画を見る方法を考える時、最初に確認したいのが病院の通信環境です。ただし、公式サイトに「無料Wi-Fiあり」と書かれているだけで、動画まで自由に視聴できると判断するのは早すぎます。病院によって、利用できる病棟や時間帯、接続方法、通信量の扱い、ポケットWi-Fiやテザリングの可否などが異なります。
同じ病院でも、外来エリアと入院病棟で条件が違う場合や、個室と大部屋で通信機器の扱いが違う場合があります。入院案内を確認する時は、「Wi-Fiはありますか」だけではなく、「入院する病棟のベッド周辺で使えるか」「動画視聴は可能か」「利用時間や通信量の制限はあるか」まで聞いておくと、入院してから予定が狂いにくくなります。
一例として、所沢中央病院では入院患者向けの院内フリーWi-Fiを案内していますが、長時間の動画視聴など大量データ通信を控えるよう求め、通信環境によって十分な速度が出ない場合があることも案内しています。全国すべての病院が同じ条件という意味ではありませんが、院内Wi-Fiでも動画の長時間視聴に制限がある病院の案内を見ると、「無料Wi-Fi=動画見放題」ではないことが分かります。
「Wi-Fiがあるなら、タブレットを持って行けば大丈夫じゃない?」
Wi-Fiがあるだけでは不十分です。動画まで利用できるか、本人の病室で電波が安定するか、接続設定を本人または家族が行えるかまで確認して初めて準備が整います。
特に高齢の親が機械操作を苦手としている場合、最初の接続時に利用規約への同意やパスワード入力、ブラウザ画面での認証が必要になると、それだけで使えなくなることがあります。病院スタッフが個人のスマートフォンやタブレットの接続設定まで対応してくれるとは限りません。家族が面会できる時に接続まで済ませ、いったんWi-Fiを切って再接続できるか、画面を消した後でも動画アプリを開けるかまで試しておくと安心です。
病院Wi-Fiは「あるか」だけでなく、病棟で動画に使えるか、利用条件と本人の操作方法まで確認することが大切です。
また、Wi-Fiが不安定だった時の予備として、すぐに携帯電話回線へ切り替える設定になっている端末もあります。その場合は、本人が気づかないままモバイル通信を使い続けることがあります。入院前にWi-Fi設定だけでなく、モバイルデータ通信の扱いも確認しておくと、予想外の通信量増加を防ぎやすくなります。
通信量は画質と時間で変わる
病院Wi-Fiが使えない場合や、Wi-Fiの利用時間外に動画を見る場合は、スマートフォンやタブレットの携帯電話回線を利用することになります。ここで気をつけたいのが通信量です。「動画を1時間見ると必ず何GB使う」と一律には言えません。動画サービス、画質、再生時間、アプリの設定によって必要なデータ量が変わるからです。
たとえばNetflixは2026年9月確認時点で、ブラウザ視聴のデータ使用量について、低画質では1時間あたり最大0.3GB、中では最大0.7GB、高設定では標準画質で最大1GB、HDで最大3GB、UHD 4Kで最大7GBと案内しています。スマートフォンやタブレットにはモバイルデータの使用量を抑える設定もあります。数字そのものをすべて覚える必要はありませんが、画質を上げるほど通信量が大きくなり得ることは知っておきたいところです。
現在の詳しい設定や使用量は、Netflix公式のデータ使用量の案内のように、利用している動画サービスの公式ページで確認するのが確実です。他の動画サービスを使う場合も、入院前にアプリの「画質」「モバイルデータ」「ダウンロード」といった設定項目を確認します。
「20GBの契約だから、入院中もそれなりに見られますよね?」
見る時間と画質を決めずに20GBという数字だけを見るのは危険です。低い画質で短時間見る場合と、高画質で毎日何時間も見る場合では、同じ20GBでも持つ期間が大きく変わります。
入院期間が1週間なのか1か月なのかでも判断は変わります。たとえば毎日朝と夕方に30分ずつ見る程度なら合計時間は限られますが、病室で一日中動画を流す使い方では通信量が増えます。まず「1日何時間くらい見るか」を家族で考え、そのうえで契約しているデータ容量とアプリの画質設定を確認する方が現実的です。
モバイル通信で動画を見る場合は、残りの通信容量を確認せず高画質の長時間再生を続けないよう注意します。
自宅のWi-Fiで事前に作品をダウンロードできるサービスなら、対応作品を入院前に端末へ保存しておく方法もあります。ただし、ダウンロード機能の有無や対象作品、保存できる期間、端末数などはサービスによって違います。入院当日に初めて試すのではなく、自宅で一度機内モードなどにして、通信なしでも本人が再生できるか確かめておくと失敗を減らせます。
イヤホンと充電ルールも確認する
動画が再生できても、病室で音を出せなければ使えません。特に大部屋では、テレビやラジオ、スマートフォンなどの音についてイヤホン使用を求める病院があります。イヤホンを準備する時は、「音が聞こえるか」だけでなく、本人が自分で装着できるか、スマートフォンやタブレットへ接続できるか、音量調整ができるかまで確認します。
Bluetoothイヤホンはケーブルがなく扱いやすく見えますが、充電、電源操作、ペアリング、接続先の確認といった工程が増えます。スマートフォン操作に慣れている高齢者なら便利ですが、機械が苦手な親の場合は、端末に直接接続できる有線イヤホンの方が操作を単純にできる場合があります。ただし、最近のスマートフォンやタブレットにはイヤホン端子がない機種もあるため、USB Type-Cなど端末側の接続方式を確認して選びます。
充電器についても病院ごとの差があります。スマートフォンの持ち込みが認められていても、患者が自由に使用できるコンセント、充電器、延長コード、モバイルバッテリーの扱いまで同じとは限りません。病室に見えているコンセントがすべて患者用とは限らないため、ベッド周辺の医療機器用電源を自己判断で使うことも避けます。
「夜まで動画を見るなら、モバイルバッテリーも持たせた方が安心ですよね?」
入院先へ確認する前に持たせるのはおすすめできません。病院によってはモバイルバッテリーの持ち込みや使用を制限しているため、充電器、延長コード、モバイルバッテリーはそれぞれ別に確認します。
充電環境まで整える時は、端末を何台も持ち込むより、本人が動画を見るために本当に必要な機器へ絞る方が管理しやすくなります。スマートフォンまたはタブレット1台、対応する充電器、必要ならイヤホンというように、本人が「どれを何に使うか」を迷わない量にすることも、高齢者の入院準備では重要です。
イヤホンや充電器は、端末との相性だけでなく入院先の持ち込みルールを確認してから準備します。
親の入院生活全体で何を確認するか整理したい方は、健さんの親の入院生活を家族が支える時の確認事項も参考にしてください。

動画を見るだけなら、スマホよりタブレットの方がいいですか?

画面の見やすさではタブレットが向く場合がありますが、普段スマホしか使っていない人へ新しい端末を渡すと操作が増えることもあります。画面サイズと使い慣れの両方で決めましょう。

イヤホンは病院で借りられますか?

病院によって異なります。売店で購入できる場合もありますが、貸し出しを前提にせず、自分の端末に接続できるイヤホンを準備するか病院へ確認しておく方が確実です。

入院してからWi-Fiが使えないと分かったらどうしますか?

携帯電話回線を使う前に残りのデータ容量を確認します。通信量が少ない契約なら、動画以外の暇つぶしへ切り替えることも含めて考えましょう。

高齢者が一人で動画を見る準備
- 通信方法を先に決める
- 操作をできるだけ少なくする
- 周辺用品は使いやすさで選ぶ
- 充電できる環境を整える
- 動画以外の選択肢も残しておく
親の介護で迷ったときに役立つ情報を、これからも分かりやすく発信していきます。
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通信方法を先に決める
動画を見る端末を準備する前に、「何で通信するか」を決めておくと、その後の設定が分かりやすくなります。主な方法は、病院Wi-Fiを使う、スマートフォンやSIM入りタブレットのモバイル通信を使う、自宅などのWi-Fi環境で動画を事前にダウンロードしておく方法です。それぞれ長所と注意点があります。
病院Wi-Fiは携帯電話のデータ容量を消費しにくい反面、動画の長時間視聴を制限していたり、混雑時に速度が低下したりする場合があります。モバイル通信は病院Wi-Fiに左右されにくいものの、契約容量を消費します。事前ダウンロードは通信が不安定な場所でも再生しやすい一方、サービス側がダウンロードに対応していることと、本人が保存済み作品までたどり着けることが必要です。
「結局、どれを選べば一番簡単なんだろう」
本人が一人で使える方法を優先します。家族には便利でも、本人が毎回Wi-Fiを選び直したり、通信方法を切り替えたりしなければならない方法は、入院生活では続きにくくなります。
たとえば、普段からスマートフォンでYouTubeなどを見ている人なら、そのスマートフォンをそのまま使う方が新しいタブレットを覚えるより簡単な場合があります。反対に、スマホ画面では字幕が読みにくい人なら、画面の大きいタブレットにアプリを一つだけ分かりやすく配置する方が使いやすくなることがあります。
通信方法は料金だけでなく、「親が一人になった後も同じ方法で再生できるか」で決めます。
次の表は、入院中の代表的な動画視聴方法を比較したものです。病院の規則や契約内容によって条件は変わるため、どれか一つが全員に最適という意味ではありません。
| 方法 | 向いている場面 | 確認点 |
|---|---|---|
| 病院Wi-Fi | 病棟で安定して利用できる | 動画制限・時間・接続方法 |
| スマホ回線 | 普段からスマホを使っている | 残容量・画質・契約条件 |
| SIM入りタブレット | 大きな画面を使いたい | 通信契約・操作方法 |
| 事前ダウンロード | 通信を減らしたい | 対応作品・保存期間 |
| 動画を使わない | 操作が負担になる | ラジオ・本など代替手段 |

ポケットWi-Fiを持ち込めば解決しますか?

病院によって使用できない場合があります。契約する前に、入院する病棟でポケットWi-Fiやテザリングを利用できるか確認してください。

動画をダウンロードしておけば通信量はゼロですか?

保存済み作品の再生自体は通信を抑えられる場合がありますが、アプリの認証や保存期限の確認などで通信が必要になるサービスもあります。入院前に実際の端末で試しましょう。

家族のスマホからテザリングすればいいですか?

面会中だけなら候補になりますが、家族が帰れば接続できません。またテザリング自体を制限する病院もあるため、常用方法として決める前に確認が必要です。
操作をできるだけ少なくする
通信環境が整っていても、高齢の親が動画アプリを開けなければ意味がありません。家族がいる時には再生できても、翌日に一人になったら「どこを押せばいいか分からない」ということは十分に考えられます。入院前の準備では、機能を増やすより、動画を開始して終了するまでの操作数を減らすことを優先します。
まず、普段使わないアプリをホーム画面の前面に大量に並べないようにします。動画を見るアプリを分かりやすい位置へ置き、必要ならホーム画面の最初のページへ移動します。文字が小さく読みにくい場合は端末の文字サイズや表示サイズを調整し、動画サービス側で字幕サイズを変更できるなら、本人が読みやすい大きさを確認します。
画面ロックについても考えます。ただし、「面倒だからパスコードを全部外す」と単純に決めるのはおすすめできません。スマートフォンには連絡先、写真、メール、決済情報などが入っている場合があるためです。本人が覚えられる解除方法を残しながら、動画視聴だけを簡単にするという考え方が必要です。
「家族が設定しておけば、そのまま使ってくれると思っていました」
設定した後に本人だけで試すところまでが準備です。家族が横から「そこを押して」と教えながら成功しても、一人で使える確認にはなっていません。
自宅で一度、端末を本人へ渡し、「画面をつける→ロックを解除する→動画アプリを開く→見たい動画を選ぶ→再生する→止める→音量を変える」までやってもらいます。途中で止まったところが、そのまま入院中につまずきやすい場所です。紙へ簡単な手順を書いて端末ケースへ入れておく方法もありますが、十数個の操作を書かなければならないなら、その方法自体が複雑すぎる可能性があります。
家族が操作できることではなく、親が一人で再生・停止・音量調整までできることを準備完了の基準にします。
認知機能や体調は入院中にも変化します。入院前には使えた操作が、疲労、痛み、睡眠不足、治療後の体調によって難しくなることもあります。動画を使えなくなった時に無理に練習させるのではなく、ラジオ、本、写真、家族からの手紙など、機械操作を必要としない選択肢も残しておくと安心です。

周辺用品は使いやすさで選ぶ
動画を見るための周辺用品は、数を増やせば便利になるわけではありません。候補になるのは、イヤホン、タブレットスタンド、端末ケース、充電器、充電ケーブルなどです。2026年9月時点でもスマートフォン・タブレット向けのスタンドや有線イヤホン、USB Type-C対応ケーブルなどさまざまな製品が販売されていますが、商品スペックの高さより本人が扱えるかを優先します。
タブレットスタンドを使う場合は、画面を手で持ち続けなくてよい点がメリットになります。ベッド上で長時間端末を持つと腕や肩が疲れる人には便利ですが、大型のスタンドやベッド柵へ固定する器具が病院のケアや医療機器の邪魔になる可能性もあります。購入前に、床頭台など限られたスペースで安定して置ける大きさかを確認します。
イヤホンは、本人が耳へ装着しやすく、必要以上に複雑な操作を必要としないものを選びます。有線なら充電やペアリングが不要ですが、ケーブルが引っ掛からない置き方が必要です。Bluetoothならコードは減りますが、イヤホン自体の充電が増えます。どちらが優れているかではなく、本人がどちらなら迷わず使えるかで決めます。
「せっかく買うなら、高機能なタブレットスタンドやワイヤレスイヤホンの方がいいかな」
入院用では高機能さを優先する必要はありません。使わない機能が増えるほど、充電や接続、保管など家族と本人が管理する項目も増えます。
病室で使う用品は、自宅より置き場所が限られます。小さな床頭台にタブレット、飲み物、ティッシュ、薬、眼鏡などが並ぶこともあります。スタンドを選ぶなら、底面が大きすぎない、端末を載せても倒れにくい、角度調整が複雑でないといった点を見ると、病室で扱いやすくなります。
入院用品は多機能さより、本人が扱えること、病室で場所を取りすぎないこと、病院ルールに合うことを優先します。
必要なイヤホン、スタンド、ケーブルなどを準備する場合は、端末の接続端子と病院の持ち込み条件を確認してから選ぶと買い直しを減らせます。
充電できる環境を整える
動画は画面を長時間点灯させ、通信も行うため、電話やメールだけに使う時より電池を消費しやすくなります。そのため、入院中に動画を見るなら充電環境の確認は欠かせません。ただし、「電池が減るなら長い延長コードを用意すればよい」と自己判断するのではなく、病院が認めている方法の中で準備します。
確認したいのは、患者が使用できるコンセントの位置、充電器の持ち込み可否、延長コードの可否、ベッド周辺で充電中の端末をどこに置くかです。コードが通路へ垂れたり、本人が立ち上がる時に足を引っ掛けたりすれば転倒につながります。点滴やナースコール、ベッド柵の操作を妨げない配置も必要です。
高齢者本人が充電する場合は、ケーブルを差し込めるかも見ます。小さなコネクターの向きを確認しにくい人、手指が動かしにくい人、眼鏡を外すと端子が見えない人では、家族が簡単だと感じる充電作業でも負担になります。入院前に本人へ一度やってもらうことで、必要なケーブルの長さや置き場所も見えやすくなります。
「ベッドの横まで届かなかったら困るから、2mや3mのケーブルにしておけば安心ですよね?」
長ければ必ず安全とは限りません。余ったコードが床やベッド周辺にたまると、引っ掛かりや抜けの原因になります。まず病院のコンセント位置と使用条件を確認し、その環境に合う長さを選びます。
充電器や延長コードについてさらに確認したい方は、健さんの親の入院に充電器は必要?延長コード持ち込み前の確認ポイントも合わせて確認してください。
患者用と確認できていないコンセントや、病院が認めていない延長コード・モバイルバッテリーを自己判断で使用しないようにします。
動画を長時間見る予定なら、充電しながら見続けることだけを前提にするより、使わない時間は画面を消す、画質を必要以上に上げない、一定時間で休憩するという使い方も考えます。高齢者では長時間同じ姿勢で画面を見続けること自体が疲労につながるため、電池対策と体の負担を分けずに考えることが大切です。
| 準備品 | 選ぶポイント | 事前確認 |
|---|---|---|
| スマホ・タブレット | 画面と操作の見やすさ | 持ち込み・通信条件 |
| 有線イヤホン | 充電不要で操作が簡単 | 端子の種類 |
| 無線イヤホン | ケーブルが少ない | 充電・ペアリング |
| タブレットスタンド | 安定性と省スペース | 病室で置けるか |
| 充電器 | 端末に合う出力と端子 | 病院で使用できるか |
| 充電ケーブル | 必要十分な長さ | 引っ掛かりがないか |
動画以外の選択肢も残しておく
動画を見られる環境を整えても、「毎日動画を見てもらわなければ準備が無駄になる」と考える必要はありません。入院中は体調、治療、検査、リハビリ、睡眠などによって一日の過ごし方が変わります。昨日は2時間動画を楽しめても、今日は画面を見ること自体が疲れるということもあります。
施設介護の現場でも、高齢者の状態を見る時は「できる・できない」だけでなく、その日の表情、反応、食事、睡眠、動作など普段との違いを合わせて見ることが大切です。入院中の暇つぶしも同じで、「せっかくタブレットを持ってきたのだから使って」と勧め続けるより、本人が疲れている日は休む選択肢を残します。
動画が使いにくい時の代替としては、ラジオ、大活字本、雑誌、家族写真、手紙、クロスワード、塗り絵などがあります。ただし、どれも「高齢者向けだから良い」と決めるものではありません。本人が入院前から好きだったもの、視力や聴力、手の動き、安静度、病室環境を見ながら選びます。
「動画まで準備してあげないと、入院中ずっと退屈させてしまう気がしていました」
動画は選択肢の一つで十分です。本人が休みたい時まで暇つぶしを増やす必要はありませんし、家族が完璧な入院生活を作る必要もありません。
高齢者の入院では、治療を受けながら普段と違う環境で生活するだけでも負担があります。家族ができるのは、本人が「今日は動画」「今日はラジオ」「今日は何もしない」と選べる環境を少し整えることです。スマートフォンが使えなくなったら別の方法へ変える、字幕が読みにくくなったら画面設定を変えるなど、その時の状態に合わせて調整します。
動画を見ること自体を目的にせず、本人がその日の体調に合わせて選べる暇つぶしの一つとして用意するのが現実的です。
また、家族が設定のために何度も病院へ行かなければ使えない方法は、家族側の負担も大きくなります。入院前に一度シンプルな使い方を作り、難しい場合は動画にこだわらないという判断も必要です。本人と家族のどちらかが無理をし続ける方法より、少ない操作で続けられる方法の方が入院生活にはなじみます。

認知症があっても動画は使えますか?

普段から使っている人なら楽しめる場合がありますが、新しい操作を覚えることが負担になる人もいます。本人が以前から好きだった動画や音楽を、少ない操作で見られる形にすることを優先します。

動画を長時間見ても問題ありませんか?

治療上の制限がなくても、目や首、肩の疲れ、睡眠への影響などを見ながら休憩を入れます。体調が悪い時は視聴を休み、必要に応じて病棟スタッフへ相談してください。

本人が使えなかったら、タブレットは持ち帰った方がいいですか?

使う予定がなく管理の負担になるなら持ち帰る選択肢があります。高価な端末を病室へ置き続ける必要性と、本人が今後使う可能性を家族で比べて判断しましょう。

入院中の動画は通信・操作・病院ルールで決める
高齢者が入院中に動画を見る方法を準備する時は、最初から動画サービスやタブレットを選ぶのではなく、まず入院先の病棟でWi-Fiやスマートフォンをどのように使えるか確認します。無料Wi-Fiがあっても、大容量通信や長時間の動画視聴を制限している場合があります。ポケットWi-Fiやテザリング、充電器、延長コード、モバイルバッテリーも病院ごとに扱いが違うため、一つずつ確認する方が確実です。
病院Wi-Fiを使えない場合は、スマートフォンやタブレットのモバイル通信を使うことになります。この場合は契約しているデータ容量だけでなく、動画アプリの画質と1日の視聴時間を合わせて考えます。動画は画質によって通信量が大きく変わるため、「20GBあるから大丈夫」と容量だけで判断せず、必要ならデータ節約設定や事前ダウンロードを利用します。
もう一つ重要なのが本人の操作です。家族がWi-Fiを接続し、アプリを設定し、動画を再生できても、本人が一人になった後に再生できなければ実用的とは言えません。画面ロックを解除し、動画アプリを開き、再生・停止・音量変更までできるかを自宅で試します。できない部分があれば、ホーム画面を整理したり、字幕や文字を大きくしたり、使う機能を減らしたりして操作を単純にします。
そして、動画だけを入院中の暇つぶしにしないことも大切です。体調が落ちれば画面を見ることが負担になる日もあります。本やラジオ、写真、手紙など、本人がもともと好きだったものを組み合わせておけば、その日の体調に合わせて選べます。家族が完璧な娯楽環境を作る必要はありません。病院のルール、本人の体調、通信量、操作能力を確認し、無理なく続けられる方法を一つ作るところから始めてください。
健さんの視点コラム
高齢の親が入院すると、家族は治療や着替え、洗濯、面会だけでなく、「一日をどう過ごすのだろう」ということまで気になります。テレビだけでは退屈かもしれない、スマートフォンがあれば家族とも連絡できる、動画なら好きな番組を見られる。そう考えてタブレットやイヤホンを用意するのは、入院中の生活を少しでも楽にしてあげたいという家族の自然な行動です。
一方で、本人から見ると事情は違う場合があります。入院前はスマートフォンを使えていた人でも、治療後の疲れや痛みで操作が面倒になることがあります。画面が見えにくい、イヤホンを付けにくい、Wi-Fiの接続画面が分からないという問題もあります。家族にとって便利な機能が、本人にとって便利とは限りません。
そこで、家族は通信環境や端末を準備し、本人は使える範囲で楽しみ、病院には持ち込みや通信のルールを確認するという役割分担が現実的です。すべてを本人へ任せる必要も、家族が毎日設定し直す必要もありません。難しい時には動画を使わないという選択も含めて、生活全体を楽にする方法を選びます。
人生健康第一とは、便利な物をたくさん用意することではありません。本人が治療を受けながら無理なく過ごせて、家族もその準備のために疲れ切らない状態を作ることです。高機能な端末を使いこなすことより、好きな動画を一回の操作で見られることの方が、その人にとって価値がある場合があります。
動画が役立つなら使い、難しければラジオや本へ変える。通信量が心配なら画質を落とし、病院Wi-Fiに制限があるなら別の方法を考える。その時の本人の状態と病院の環境に合わせて少しずつ調整できれば十分です。入院中の暇つぶしは、立派な設備を作ることではなく、本人が少しでも安心して時間を過ごせる選択肢を残しておくことが大切です。
介護は、家族だけで抱え続けるものではありません。私たち介護職は、ご本人だけでなく、支えるご家族のためにもいます。
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の介護方針や制度利用を断定するものではありません。介護の方法や利用できる制度、支援内容はご本人の状態や地域の状況によって異なります。具体的な判断については、医療機関、地域包括支援センター、ケアマネジャーなどの専門職へご相談ください。

