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この記事を書いた人:健さん|元プロアスリート / 元納棺師 / 介護福祉士 / 睡眠栄養指導士 初級(一般社団法人睡眠栄養指導士協会 認定)|「人生健康第一」を伝えるブログメディア運営
親の通院が続いているけれど、仕事や子育て、自分の予定もあって毎回付き添うのは難しい。それでも「一人で病院へ行かせて大丈夫だろうか」「診察の説明をちゃんと聞けるだろうか」「家族以外へ頼むとして、送迎だけなのか病院の中まで頼めるのか分からない」と迷うことがあります。親のために通院を続けることは大切ですが、家族が毎回すべてを引き受けることだけが方法ではありません。
私は元プロアスリートとして体と向き合い、納棺師として人の命の終わりを見届け、現在は介護福祉士として日常の健康と生活を支える現場にいます。そんな経験から辿り着いた信念があります。それは人生健康第一です。親が必要な受診を続けながら、付き添う家族の仕事や生活も守れる形を作ることが、長く続く介護では欠かせません。
この記事では、まず一回の通院を「自宅から病院まで」「受付や院内移動」「診察同席」「会計や薬局」「帰宅」に分けます。そのうえで、一人で任せられる部分と支援が必要な部分を確認し、介護保険、介護タクシー、自費の付き添いサービスなどをどう使い分けるか、費用をどこまで見ればよいかを整理します。
最初から「家族が行けないから代行サービスを探そう」と決める必要もありません。先に確認したいのは、親が一人では難しいのが移動なのか、院内での行動なのか、医師の説明を聞くことなのかです。必要な支援が一つなら、その一つだけ外へ任せる方法もあります。ここを分けると、家族の負担も費用も整理しやすくなります。
この記事のポイント
- 親の通院で家族以外へ任せられる範囲がわかる
- 一人で行かせる場合に確認するポイントが理解できる
- 介護保険と自費サービスの違いや費用の見方がわかる
- 家族が毎回付き添わない通院体制の作り方が理解できる
親の通院に付き添えない時の整理
- 通院を5つの場面に分ける
- 一人で行かせられる範囲を見る
- 家族以外へ何を頼めるか確認
- 介護保険で使える支援を知る
- ケアマネや地域包括へ相談する
通院を5つの場面に分ける
「親の通院に付き添えない」と考えたとき、病院へ行く一日全部を一つの用事として考えると、家族が最初から最後まで行くしかないように見えてしまいます。しかし実際には、通院にはいくつもの場面があります。自宅で外出準備をする、玄関から車まで移動する、病院へ行く、受付をする、診療科まで移動する、診察を受ける、会計をする、薬局へ行く、そして帰宅するという流れです。
この中で親が困っている場所は、家庭によって違います。歩行に問題はなく電車やタクシーにも乗れるけれど、病院の受付や診療科の場所が分からなくなる人もいます。逆に受付や診察は一人でできても、車椅子を使っていて自宅から車へ乗るところだけ介助が必要な人もいます。診察内容を覚えられないため、医師の説明を聞く人だけ必要というケースもあります。
まず紙に「移動」「受付・院内移動」「診察」「会計・薬局」「帰宅」と書き、それぞれを「一人でできる」「少し手伝えばできる」「誰かの付き添いが必要」に分けてみてください。家族が毎回半日付き添っていたとしても、実際に支援が必要なのはその中の一時間だけだった、ということもあります。
「途中だけ誰かに頼むくらいなら、結局は家族が全部付き添った方が早いんじゃないですか?」
一回だけなら、その方が早いこともあります。ただ、月に何度も通院があるなら話は変わります。毎回家族が仕事を休む仕組みを続けるのか、送迎だけ外へ任せて家族は重要な診察の日だけ同行するのかでは、一年間の負担が大きく違います。目の前の一回だけではなく、同じ通院が半年後も続くことを考えて分けてみることが大切です。
通院全体を丸ごと考えるのではなく、家族以外の支援が本当に必要な場面を先に切り分けます。
最初の整理で「送迎だけ」「院内だけ」「診察同席だけ」と分かれば、探すサービスも変わります。ここを曖昧にしたまま「通院付き添いをお願いします」と探すと、本来必要のない長時間サービスを選んだり、反対に必要な院内支援が含まれていなかったりするため、まず支援範囲を具体的にすることから始めます。
一人で行かせられる範囲を見る
親本人が「一人で行けるから大丈夫」と言っていても、家族には心配が残ります。ただ、年齢だけを理由に毎回付き添う必要があるとも限りません。見るべきなのは、病院までたどり着けるかだけではなく、一回の受診を安全に終えられるかです。移動、受付、待機、診察内容の理解、会計、薬の受け取り、帰宅まで順番に確認します。
たとえば、長年同じ病院へ通っていて、道も受付方法も分かり、医師の話も理解できるなら、家族の同行が毎回必要ではない場合があります。一方、病院までは行けても、予約日を間違える、診察券を何度もなくす、呼ばれても気づかない、薬が変更されたことを覚えていないという状況なら、「病院へ行ける」というだけでは一人で任せにくくなります。
歩行状態も同じです。自宅の中では問題なく歩けても、駅の階段や病院の長い廊下では疲れてしまうことがあります。普段歩けているから大丈夫と決めず、実際の通院経路でどこに負担があるかを見ます。車椅子を使う場合も、車椅子そのものより、車への移乗ができるのか、玄関に段差があるのかで必要な支援は変わります。
「病院まで一人で行けて、薬も受け取れているなら、毎回付き添わなくてもよさそうですね。」
受診の目的によります。毎回同じ薬を継続する定期受診と、検査結果や治療方針、薬の変更を説明される受診では重要度が違います。大切な説明がある日だけ家族が同行し、それ以外は一人または外部支援を使うという分け方もできます。一回ごとの受診内容まで見て判断すれば、「毎回付き添う」以外の選択肢が持てます。
道に迷う、転倒の危険が高い、診察内容をほとんど理解できないなど、安全や治療に影響する問題がある場合は無理に一人で通院させません。
本人ができることまで家族がすべて代わる必要もありません。一人でできる部分は残し、難しい部分だけ支える方が本人の生活能力を保ちやすく、家族の付き添い時間も減らせます。親の自立と家族負担の軽減は、どちらか一方を選ばなければならないものではありません。
家族以外へ何を頼めるか確認
家族が付き添えない場合には、一般タクシー、UDタクシー、介護タクシー、訪問介護、自費ヘルパー、介護保険外の付き添いサービスなど複数の方法があります。ただし、名前だけでサービス内容を判断しないことが重要です。「介護タクシーだから病院内まで全部お願いできる」「付き添いサービスだから車も出してくれる」とは限りません。
親が自宅から病院まで安全に移動できればよいなら、送迎だけで足りる可能性があります。病院入口から診療科まで一人では不安なら、院内移動も必要です。さらに医師の説明を聞き、家族へ伝えてもらいたいなら診察同席まで対応するサービスか確認します。会計や薬局も本人一人では難しい場合は、そこまで含めた利用時間を考えます。
特に見落としやすいのが「待っている時間」です。病院へ連れて行くだけなら短時間でも、受付から診察、検査、会計まで一緒にいると数時間になります。送迎を頼む場合と、スタッフが院内で最後まで付き添う場合では、同じ「通院付き添い」という言葉でも必要な時間と費用が大きく違います。
「送迎、院内、診察って細かく分けて考えるんですね。全部まとめて頼むものだと思っていました。」
簡単ではありますが、毎回それが最適とは限りません。親が自分でできる部分まですべて有料サービスへ任せれば、その分だけ利用時間も長くなります。重要なのは便利なサービスを探すことより、家族ができないところを正確に切り出すことです。送迎だけで済む日と、診察同席まで必要な日を分けても構いません。
「通院付き添いができるか」ではなく、送迎・院内移動・待機・診察同席・会計・薬局のどこまで頼めるかを確認します。

送迎だけ家族以外へ頼むこともできますか?

できます。親が病院内では一人で動けるなら、移動だけ一般タクシーや対応車両へ任せる方法があります。乗降介助や車椅子対応が必要かで選択肢が変わります。

病院で待ち合わせて、院内だけ付き添ってもらうこともできますか?

対応できる自費サービスがあります。病院での合流、診察同席、会計や薬局まで含められるかは事業者ごとに確認してください。

遠方に住んでいて診察へ行けない場合、説明内容まで聞いてもらえますか?

診察同席や利用後の報告に対応するサービスがあります。ただし本人の同意や医療機関の同席ルールがあるため、申し込み時に確認しておく必要があります。

介護保険で使える支援を知る
親が要介護認定を受けている場合は、訪問介護の通院等乗降介助など、介護保険で通院に関する支援を利用できる場合があります。ただし「介護タクシー」という名前の車を予約すれば、そのまま介護保険になるわけではありません。本人の要介護度、必要な介助、利用目的、ケアプランへの位置付けなどを確認する必要があります。
また、介護保険で支援できる範囲と、自費になる部分が一回の通院の中で分かれることがあります。自宅から車への乗降や移動は介護保険の対象になっても、病院でただ診察を待つ時間まで同じように介護保険で対応できるとは限りません。院内で排泄介助や移動介助、見守りなどが必要かによっても扱いが変わります。
「介護保険が使えるなら、できるだけ自費を使わずに済ませたいです。」
使える部分は確認した方がよいですが、介護保険だけですべてを埋めようとすると、必要な支援と制度の範囲が合わないことがあります。介護保険で対応できるところは使い、単純な院内待機や診察同席など足りない部分を自費で補うという組み合わせも考えられます。制度へ本人を合わせるのではなく、本人に必要な支援を先に整理する方が現実的です。
担当ケアマネジャーがいる場合は、通院のどこで介助が必要なのかを伝え、介護保険で対応できる部分と自費になる部分を確認します。
要支援か要介護か、自治体独自の移送支援があるかなどでも選択肢は変わります。インターネットで見つけた一つの自治体の制度をそのまま自分の地域へ当てはめず、親が住んでいる地域の条件を確認してください。通院支援は「全国どこでも同じサービス」とは限らない部分があります。
ケアマネや地域包括へ相談する
すでに担当ケアマネジャーがいる場合は、「家族が仕事で付き添えない」とだけ伝えるのではなく、現在の通院の流れを具体的に伝えます。月に何回通っているのか、片道何分かかるのか、親は一人で乗降できるのか、院内で迷うことがあるのか、医師の説明を理解できるのか、家族が対応できない曜日や時間はいつなのかまで整理すると相談しやすくなります。
介護サービスをまだ利用していない、そもそもケアマネジャーがいない場合は、地域包括支援センターや自治体の高齢者相談窓口へ相談できます。親の状態を伝えることで、介護認定が必要なのか、地域で使える移送支援があるのか、どのような相談先につなげられるのかを整理する入口になります。
「通院付き添いくらいで地域包括へ相談してもいいのか」と遠慮する必要はありません。家族が毎回仕事を休まなければ通院を維持できない状態なら、それは本人だけでなく家族の生活にも影響している問題です。まだ介護が大きく始まっていない段階でも、今後負担が増える可能性を含めて相談できます。
「まだ家族で何とか回せています。それでも、もう相談していいのでしょうか?」
何とかできているうちに相談する方が、選択肢を比べる時間を持てます。限界になってから急いで事業者を探すと、料金や対応範囲を十分に比較できないことがあります。今すぐサービスを使う必要がなくても、「困ったらどこへ頼めるか」を知っておくだけで、次の通院で家族が行けなくなったときに動きやすくなります。
家族がまだ対応できている段階でも、通院負担が続きそうなら早めに相談先と代替手段を確認しておきます。
仕事との両立そのものが問題になっている場合は、親の通院付き添いで仕事を休めない時の対処法も合わせて確認すると、通院方法だけでなく職場との調整や家族負担まで整理しやすくなります。
通院代行サービスと費用を比較
- 送迎だけ頼む方法を比べる
- 院内付き添いまで頼む方法
- 介護保険外サービスを使う
- 料金は一回の総額で比べる
- 毎回頼まない方法も考える
親の介護で迷ったときに役立つ情報を、これからも分かりやすく発信していきます。
送迎だけ頼む方法を比べる
親が病院内では自分で動けるなら、最初から長時間の付き添いサービスを頼まず、移動だけを外へ任せる方法があります。歩行や乗降がほぼ自立しているなら一般タクシー、車椅子のまま乗車したいならUDタクシーや福祉車両、自宅内から介助が必要なら介護タクシーなど、本人の状態に合わせて考えます。
ここで「車椅子だから介護タクシー」と決めつけないことも大切です。車椅子を使っていても、自分で乗用車の座席へ移れる人と、車椅子から降りることが難しい人では必要な車両が違います。電動車椅子、リクライニング車椅子などは大きさや重量もあるため、予約時に使用している車椅子の種類まで伝えます。
自宅の玄関まで階段がある、車へ移る際に身体を支える必要がある、病院入口で車椅子へ乗り換える必要がある場合には、運賃だけでなく介助料金も確認します。介護タクシーでは、基本運賃のほかに迎車、乗降、階段、車椅子やストレッチャーの貸し出しなどが別料金になる事業者もあります。
「送迎だけなら、普通のタクシーで十分じゃないですか?」
料金だけで選ぶと、乗降時に必要な介助が含まれていなかったということがあります。親が一人で玄関から車へ乗り、病院で降りられるなら運賃を中心に比べられますが、身体を支える必要があるなら「誰がどこまで介助するか」まで含めて選びます。送迎は車ではなく、本人の移動能力を基準に考えます。
交通手段は「車の種類」より先に、親が自宅から病院入口までのどこで介助を必要とするかを確認して選びます。
| 方法 | 向いている状態 | 確認すること |
|---|---|---|
| 一般タクシー | 歩行・乗降がほぼ自立 | 乗降介助が不要か |
| UDタクシー | 車椅子のまま乗車したい | 車椅子の寸法・重量 |
| 介護タクシー | 乗降や移動介助が必要 | 介助料・院内対応 |
| 福祉有償運送 | 地域の条件に該当する | 利用資格・実施団体 |
| 自費付き添い | 移動から院内まで必要 | 利用時間・交通費 |
| 家族+送迎 | 診察だけ家族が同席 | 病院での合流方法 |

介護タクシーなら必ず介護保険が使えますか?

名称だけでは判断できません。要介護度、利用目的、ケアプランへの位置付け、提供事業者などの条件を確認します。

車椅子を使っていたら一般タクシーは無理ですか?

本人が安全に座席へ移乗でき、車椅子を収納できる場合などは利用できることがあります。車椅子のまま乗る必要がある場合は対応車両を確認します。

行きと帰りで別の方法を使っても大丈夫ですか?

本人の状態と予約条件に合えば、行きだけ送迎を頼み、帰りは家族が迎えるなど分ける方法もあります。診察終了時刻が読みにくい点は事前に相談してください。
院内付き添いまで頼む方法
移動より家族の負担が大きくなりやすいのが、病院内で過ごす時間です。診察時間そのものは短くても、受付、採血、検査、診察待ち、会計、薬局まで進むと数時間になることがあります。家族が仕事を休む理由も、車で病院へ送る時間より、この「終わる時間が読めない院内待機」にあることが少なくありません。
院内付き添いを外部へ頼む場合は、ただ隣に座って待つだけなのか、車椅子を押すのか、トイレ介助が必要なのか、診察室へ一緒に入り説明を聞くのかで必要なサービスが変わります。医師の説明を家族へ伝えてもらいたい場合は、本人の同意や病院側のルールも確認します。家族ではない付き添い者が当然にすべての医療情報を聞けるわけではありません。
「先生の説明を聞いてもらいたいだけなのに、受付から会計まで全部お願いするのは少しもったいないですね。」
その考え方で構いません。本人が受付や待機を一人でできるなら、病院でスタッフと合流し、必要な時間だけ付き添えるサービスがあるかを確認する方法もあります。反対に認知症などで一人で待つこと自体が難しいなら、院内にいる時間全体を見守る必要があります。同じ病院、同じ診療科でも本人の状態で必要時間は変わります。
診察同席を依頼する場合は、付き添い可能という表示だけで判断せず、本人の同意、医療機関のルール、家族への報告方法まで確認します。
院内付き添いを頼む目的は、家族の代わりに誰かを一日置くことではありません。転倒を防ぐためなのか、診察内容を聞くためなのか、会計や薬局が難しいためなのかを分けるほど、必要な時間と費用を絞りやすくなります。
介護保険外サービスを使う
介護保険では対応しにくい院内待機や診察同席などまで必要な場合は、介護保険外の自費サービスが選択肢になります。自費サービスは介護保険の利用条件や支給限度だけに合わせる必要がないため、自宅から病院、院内、診察、会計、薬局、帰宅まで必要な範囲を相談できる事業者があります。
ここでイチロウのようなサービスも選択肢の一つになります。2026年9月時点で、イチロウは自費・保険外の訪問介護として通院付き添いを案内しており、介護コースは9時~18時が1時間3,740円から、その他の時間帯が1時間4,488円からとされています。1回2時間からの利用となるため、短い診察でも最低利用時間を含めて考える必要があります。
ただし、この記事で大切なのは「イチロウを使えば解決する」ということではありません。近くに住む家族が月1回なら無理なく同行できる、親が一人で受診できて送迎だけあればよい、介護保険の支援で足りるという家庭では、長時間の自費付き添いを使う必要性は低くなります。反対に遠方介護で、送迎から診察同席まで一人の家族が毎回一日かけて対応しているなら、自費サービスを比較する意味が出てきます。
「1時間3,740円ですか。これを毎回使うとなると、費用はかなり気になります。」
料金だけを見ればそう感じることがあります。ただし比べる相手はゼロ円ではありません。家族が仕事を休む、遠方から往復する、交通費を払う、一日を通院で使うという負担もあります。一方で家族の自宅から近く、仕事への影響も少ないなら、サービス料金を払うより家族同行の方が現実的な場合もあります。どちらが得かを一律に決めることはできません。
介護保険外サービスは、便利だから全部任せるのではなく、家族では継続しにくい部分を補うために使います。
利用を考えるときは、親の住所、病院、予約時間、歩行状態、車椅子の有無、排泄介助の必要性、診察同席の希望、家族への報告が必要かを先に整理します。イチロウの場合も対応地域があるため、都府県名だけで判断せず、親の居住地域が対象かを確認したうえで必要な時間を見積もります。
料金は一回の総額で比べる
通院付き添いサービスを比べるとき、「1時間○円」「初乗り○円」という表示だけを見て決めると、実際の支払額と差が出ることがあります。確認するのは基本料金だけではありません。最低利用時間、スタッフ交通費、本人の交通費、待ち時間、延長料金、早朝や夜間の料金、身体介助、車椅子などの機材料金、キャンセル料まで含めて考えます。
たとえば9時に病院へ着き、診察が終わって薬を受け取るのが12時なら、実際には3時間近く付き添いが必要です。予約時間が決まっていても、診察開始時刻まで保証されているとは限りません。採血や検査が追加されればさらに時間が延びます。時間制サービスでは、この「病院都合で読めない時間」がそのまま費用へ影響する場合があります。
介護タクシーも同じです。病院までのメーター料金だけでなく、乗降介助、室内介助、階段介助、車椅子やストレッチャー、待機料などが加わる場合があります。往復で車を病院に待たせるのか、いったん帰って診察後にもう一度迎えに来てもらうのかによっても総額が変わります。
「時間料金だけ比べてもダメとなると、何を見て決めればいいんですか?」
そこで、一回の通院を想定して総額で比べます。「自宅を8時半に出て、13時に帰宅」「車椅子あり」「院内は3時間」「診察同席あり」のように同じ条件を伝え、それぞれに見積もりを聞く方が比較しやすくなります。1時間単価が安くても別料金が多ければ、最終的な支払額は高くなることがあります。
| 確認項目 | 費用が増える場面 | 確認すること |
|---|---|---|
| 最低利用時間 | 短時間でも2時間分など | 最低利用時間 |
| 待ち時間 | 診察や会計が長引く | 延長料金の単位 |
| 交通費 | 本人とスタッフ分が必要 | 料金に含むか |
| 身体介助 | 乗降・階段介助が必要 | 基本料金との別料金 |
| 福祉用具 | 車椅子等を借りる | レンタル料金 |
| 時間帯 | 早朝・夜間利用 | 加算時間帯 |
| キャンセル | 体調変化で当日取消 | 取消料金 |
費用を比較するときには、家族側にかかる負担も数字へ置き換えてみます。遠方なら交通費、高速道路代、場合によっては宿泊費もあります。仕事を一日休む必要があるなら、その回数も確認します。金額だけでは表せない疲労や職場調整もありますが、少なくとも「外部サービスは有料、家族は無料」と考えない方が実際の負担を比較しやすくなります。
親の通院がすでに家族の疲れにつながっている場合は、親の通院付き添いが疲れる時に仕事や費用の負担を整理も合わせて確認すると、サービス費だけではなく家族側の時間や仕事への影響まで整理できます。
毎回頼まない方法も考える
通院の外部支援を考えるとき、「これから全部サービスへ頼む」か「これまで通り全部家族が行く」かの二択にする必要はありません。むしろ、受診内容ごとに方法を変える方が家族の時間も費用も調整しやすくなります。定期的に同じ薬をもらう受診と、検査結果や治療方針の説明がある受診では、家族が同行する意味が違います。
たとえば通常の定期受診は送迎や自費付き添いを使い、重要な説明がある日は家族が同行する方法があります。病院までの移動だけサービスへ任せ、家族は病院で合流することもできます。兄弟姉妹がいるなら、全員が同じ回数付き添うのではなく、一人が診察同席、もう一人が予約管理や費用確認を担当する方法もあります。
親の状態が変化すれば、この役割も見直します。今は送迎だけで足りていても、歩行が不安定になれば乗降介助が必要になるかもしれません。医師の説明を理解できていた親が、薬の変更を覚えられなくなれば診察同席の必要性が上がります。反対に治療が安定して通院頻度が減れば、外部サービスを減らせる場合もあります。
「毎回同じ方法にしなくてもいいなら、家族が行けない日だけ頼む形でもよさそうですね。」
固定する必要はありません。家族が忙しい月だけ使う、検査の日だけ使う、送迎だけ使うという方法でも構いません。大切なのはサービスを使うこと自体ではなく、親が必要な受診を続けられ、家族側も無理なく対応できる形を作ることです。親と家族の条件が変われば、その都度組み替えます。
家族が直接付き添う回と外部支援を使う回を分け、半年後や一年後も続けられる通院体制にします。
また、予定された通院と急変時の移動は別です。普段使っている介護タクシーや付き添いサービスがあるからといって、突然の意識障害、呼吸困難、強い胸痛、急な麻痺などがあるときまで通常の予約通院で対応するものではありません。緊急性が疑われる場合は、予定していた移動方法より安全確保を優先します。

定期受診だけ外部サービスへ任せても大丈夫ですか?

親の状態と受診内容に合えば可能です。重要な治療説明がある日だけ家族が同行するなど、受診ごとに役割を変える方法があります。

親が知らない人との通院を嫌がったらどうしますか?

最初から一日すべてを任せず、送迎だけなど小さな範囲から試す方法があります。本人が何を嫌がっているのかも確認し、必要以上に役割を広げません。

家族が付き添える月はサービスを休んでもいいですか?

利用条件に合えば、毎回固定で使う必要はありません。必要な回だけ使う場合の予約方法や料金条件を事業者へ確認しておきます。

親の通院付き添いは役割を分ける
親の通院に付き添えないときは、家族が毎回すべて対応するか、親を完全に一人で行かせるかの二択にしないことが大切です。まず「移動」「受付・院内移動」「診察同席」「会計・薬局」「帰宅」に分け、親が一人でできる部分と、誰かの支援が必要な部分を確認します。ここが分かれば、必要以上に長いサービスを頼まず、家族が本当に対応すべき場面も見えやすくなります。
一人で通院できるかどうかも、病院へ着けるかだけでは判断しません。転倒せず移動できるか、受付や待合室で困らないか、医師の説明を理解できるか、薬の変更を把握できるかまで見ます。定期受診は一人で行けても、大切な検査結果の説明がある日は家族が同行するという分け方もできます。受診の内容によって必要な支援を変えて構いません。
外部支援を使う場合も、サービス名だけで選ばず、送迎、乗降介助、院内移動、診察同席、会計、薬局、帰宅のどこまで対応するのかを確認します。介護保険で使える支援がある場合は先にケアマネジャーへ相談し、制度では足りない部分を自費サービスで補うと整理しやすくなります。まだ相談先がない場合は、地域包括支援センターを入口にできます。
費用を見るときは、1時間単価やタクシー運賃だけではなく、一回の通院が終わるまでの総額で比べます。最低利用時間、待ち時間、交通費、身体介助、機材料金、延長、キャンセル条件まで入れると、サービスごとの差が見えてきます。そして外部サービス側の費用だけでなく、家族が仕事を休む回数、遠方からの交通費、通院で一日使う負担も合わせて考えます。
すでに毎回の付き添いが難しいと感じているなら、家族の頑張り方を増やすより、通院の仕組みを変える時期かもしれません。家族が行く日、送迎だけ頼む日、院内まで任せる日を分けても構いません。今の方法が半年後、一年後も続けられるかを見ながら、親が必要な医療を受け続けられ、家族も仕事や自分の生活を維持できる形へ組み直していきます。
健さんの視点コラム
親の通院付き添いは、一回だけを切り取ると「病院へ連れて行くだけ」に見えることがあります。ところが実際には、予約時間に合わせて仕事を調整し、親の身支度を待ち、移動を支え、病院で長い時間を過ごし、医師の説明を聞き、会計や薬局まで終えて帰る流れがあります。月に一度なら何とかできても、診療科が増えたり検査が追加されたりすると、その一回が家族の日常を少しずつ圧迫していきます。
親側にも「子どもに来てもらう方が安心」「知らない人とは病院へ行きたくない」「まだ一人でできる」という思いがあります。家族側には仕事、子育て、自分自身の通院や休息があります。どちらかがわがままなのではありません。親の希望だけですべてを決めても、家族の都合だけですべてを外部へ任せても、長く続けることが難しくなる場合があります。
だからこそ、家族にしかできないことと、家族以外でもできることを分けて考える意味があります。治療方針を一緒に聞く、親の不安を受け止める、大切な決断を一緒に考える時間には家族だからこその役割があります。一方、毎回の送迎や長い待ち時間、会計や薬局への移動などは、条件が整えば他の支援へ任せられる部分でもあります。
人生健康第一とは、親の健康だけを守るために家族が自分の生活を削り続けることではありません。必要な通院を止めず、本人が安心して医療を受けられ、同時に支える家族も働き、休み、自分の家庭を続けられる状態を作ることです。そのために制度やサービスを使うことは、介護を投げ出すことではなく、続けられる形へ変えるための選択です。
家族が直接する介護をゼロにすればよい、ということでもありません。むしろ何でも家族がやる状態から、家族にしかできない時間を残せる状態へ変えていくことが大切です。親の状態、通院回数、家族の仕事、費用はこれからも変わります。そのたびに役割を組み替え、半年後、一年後にも続けられる生活の形を作っていきます。
介護は、家族だけで抱え続けるものではありません。私たち介護職は、ご本人だけでなく、支えるご家族のためにもいます。
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の介護方針や制度利用を断定するものではありません。介護の方法や利用できる制度、支援内容はご本人の状態や地域の状況によって異なります。具体的な判断については、医療機関、地域包括支援センター、ケアマネジャーなどの専門職へご相談ください。

